認定看護師とは?認定看護師の基礎知識と具体的な仕事内容

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認定看護師とはどういう仕事をするんだろう?と思っていませんか?もしくは、認定看護師とはどんな資格なんだろう?と思っているかもしれません。皆さんは「認定看護師」という制度についてご存知でしょうか。大学病院や市民病院などの規模が大きい病院だと、1人くらいは在籍し、活躍しているのと思います。

最近、認定看護師を目指す看護師が増えていますが、認定看護師についてよく知らないという方も多いのではないでしょうか。認定看護師制度とはどのようなものなのか、資格を取得することでどのようなメリットがあるのか解説します。

認定看護師とは

認定看護師は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実戦のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的として、1995年に日本看護協会によって作られました。

認定看護師は特定の看護分野において、以下の3つの役割を果たしています。

実践

個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。

指導

看護実践を通して看護職に対し指導を行う。

相談

看護職に対しコンサルテーションを行う。

出典:日本看護協会 認定看護師

簡単に言うと、自分の選択した特定の看護分野において「エキスパート」を目指すということです。通常の看護業務と言えば、医師の指示のもとで患者さんへ看護を提供することや、薬剤の投与、検査や診療の介助などですよね。しかし、認定看護師の資格を取得すると、患者さんに対して看護を提供するだけではありません。看護師だけでなく院内に勤務するすべての医療従事者に対して自分の知識や技術を指導することや、日々の看護ケアの中で医療従事者が疑問に感じたことの解決、困っていることの相談を受けるなど、多くの役割が与えられるのです。認定看護師として自分が取得した広く深い知識や技術を全スタッフに伝達することで、病院の医療従事者全体のスキルアップにもつながります。医療従事者全体がスキルアップすることで、さらに患者さんへ質の高い看護を提供できるというということにもなります。

認定看護師の活躍の場は病院だけではありません。認定看護師の資格を取得した分野にもよりますが、療養病院やホスピス、訪問看護ステーションなど、多くの場で活躍することができます。

認定看護師の分野

2016年1月現在、認定看護師として特定されている分野は以下の21分野あります。すべてが同時に発足となったわけではなく、社会のニーズに合わせて分野が増えているようです。認定開始年月も合わせて記載します。

  • 救急看護(1997.6)
  • 皮膚・排泄ケア(1997.6)
  • 集中ケア(1999.6)
  • 緩和ケア(1999.6)
  • がん化学療法看護(2001.8)
  • がん性疼痛看護(1999.6)
  • 訪問看護(2006.7)
  • 感染管理(2001.8)
  • 糖尿病看護(2002.8)
  • 不妊症看護(2003.8)
  • 新生児集中ケア(2005.8)
  • 透析看護(2005.8)
  • 手術看護(2005.8)
  • 乳がん看護(2006.7)
  • 摂食・嚥下障害看護(2006.7)
  • 小児救急看護(2006.7)
  • 認知症看護(2006.7)
  • 脳卒中リハビリテーション看護(2010.6)
  • がん放射線療法看護(2010.6)
  • 慢性呼吸器疾患看護(2012.6)
  • 慢性心不全看護(2012.6)

とてもたくさんの種類がありますが、特定されている分野は年々増加していることが分かると思います。認定看護師制度委員会への申請を受けて同委員会が審議し、理事会での決議を経て、分野の特定がされます。分野の特定するための条件は以下の通りです。

  1. 看護実戦経験の積み重ねのみでは修得しがたい、特定の知識及び技術をひつようとすること
  2. 他の分野との重なりがあったとしても、独自の看護知識及び技術を必要とすること。
  3. 何らかの法的支援及び経済的支援があるか、または将来それが約束されること。

出典:日本看護協会 認定看護師 

今後も社会のニーズによって、認定看護師の種類は増えていくのではないでしょうか。

認定看護師の仕事内容

認定看護師には多くの種類がありますが、どのような仕事を行っていくのか、いくつか見ていきましょう。

  1. 患者さんへ質の高い看護の提供

普段私たち看護師は、患者さんへの看護を提供しています。もちろん、看護学生時代に学んだことや看護師になってから学んだこと、勉強会に参加して得た知識や技術などをふまえて、患者さんに看護を提供しますよね。患者さんとかかわる中で、「もっと自分の看護に自信を持ちたい」と感じたことや、「特定の分野に対しての知識を深めたい」と感じることもあるのではないでしょうか。

認定看護師は、資格を取得するために多くの研修に参加し、とても深い知識や技術を学ぶことができます。資格の取得までは大変かもしれませんが、自分の学んだことを患者さんへの看護に活かすことができます。一般的に、病院に勤務する看護師は、どこかの病棟や診療科に配属されますよね。他病棟への応援に行くこともありますが、基本的には自分が配属された部署で勤務を行うことになると思います。しかし、認定看護師はどこかの部署に配属されていたとしても、他部署の患者さんに対して看護を行うことができます。例えば、消化器外科病棟で勤務をしながら皮膚・排泄ケアの認定看護師資格を取得したとします。普段は消化器外科病棟でストマ造設を行う方や術後の方の看護をメインで行うことになります。しかし、消化器外科病棟以外にもストマや皮膚疾患を持った患者さんが入院してくることがありますよね。その方の入院している病棟の看護師が主に看護を行うこととなりますが、知識の専門性が少なく、その患者さんにとって十分な看護を行うことが難しいという状況も発生します。その際、部署を超えて認定看護師が専門性の高い看護を必要とする患者さんの元へ行き、質の高い看護を提供することができます。

認定看護師専門外来を開設できる

あなたの勤務する病院には、「認定看護師専門外来」のような外来診療を行うことはありませんか?病院を受診する患者さんは入院患者さんだけではありません。定期的な外来受診を必要とする患者さんも多くいます。

ひとつの病院に、何人もの認定看護師が在籍しているわけではありません。そのため、病棟の患者さんの対応をしているときに外来に呼ばれると、患者さんを待たせることになりますし、移動に時間がかかることでその他の患者さんの看護までできないこともあるかもしれません。

外来の患者さんへの看護の提供に専念できるよう、病院によっては認定看護師専門外来が開設されていることがあります。例えば糖尿病看護の認定看護師の場合、専門外来を解説して糖尿病の患者さんの看護を提供することになります。糖尿病の患者さんは、少しの怪我からその部位が壊死してしまうということがありますよね。しかし、末梢神経の知覚低下から、自分の足の怪我に気付くことが難しくなってしまいます。このような患者さんに対してフットケアを行い、足の観察をするとともに足の清潔を保つための足浴を行うなど、糖尿病の患者さんならではの看護を提供するのです。

外来を受診する患者さんに対し、より専門性の高い看護を提供することにつながりますし、多くの患者さんがあなたの専門性の高い看護を目的として受診します。とてもやりがいを実感できるのではないでしょうか。

看護師、その他の医療従事者への勉強会の実施

認定看護師だけが専門性の高い知識や技術を持っているだけでは、病院全体としての知識や技術の向上にはつながりません。全スタッフが、専門性の高い知識や技術を身に着ける必要があります。しかし、院内の勉強会で得ることのできる知識や技術は限られていますし、外部の勉強会に行くには時間もお金もかかってしまいます。

院内全体の知識や技術の向上のために、認定看護師が勉強会を開催することがあります。新人看護師の頃から勉強会を主催する機会はあると思いますが、教科書と同じような内容や自分の行った看護が中心となってしまうので、先輩看護師にとっては物足りない内容となってしまいますよね。新人看護師や後輩看護師に対して勉強会や研修を行うこともありますが、新たな知識の獲得を行うことは難しいですし、医師主催の勉強会は看護よりも治療がメインとなるのではないでしょうか。

認定看護師主催の勉強会は、病院で実践している看護以外の新たな知識や技術を習得することができます。また、勉強会の参加者は看護師だけではありません。医師や薬剤師などの医療従事者も参加することで、専門分野の知識を高めることができます。病院全体のスキルアップにつながりますので、認定看護師の勉強会は非常に大切です。

認定看護師になることへのメリット

認定看護師の資格を取得すると、仕事内容は大きく変化します。当然、責任も重くなり、大変な思いもすることとなります。しかし、認定看護師の資格を取得することで、このようなメリットを感じることができるのではないでしょうか。

部署を超えた看護を提供できる

通常、看護師として病院に勤務していると、応援等がない限りは配属された部署で勤務を行いますよね。毎日同じ環境での看護を繰り返すことで、少し物足りなさを感じることや、つらいと感じることもあるのではないでしょうか。たまには違う環境で働きたいと感じることもあると思います。認定看護師の資格を取得すると、他部署からの要請があれば自分の所属する部署以外でも看護を提供することができます。

2014年に行われた調査によると、認定看護師の勤務形態が専従(勤務時間のすべてを認定看護師としての業務に従事)が13.2、専任(勤務時間の80%以上を認定看護師としての業務に従事)が11.3%、兼任(認定看護師としての業務が勤務時間の80%未満)が75.1%ということが分かりました。

出典:認定看護師の活動継続意思の現状と活動状況との関係 4ページ目

多くの看護師が配属している部署を超えて看護を提供していることが分かると思います。多くの患者さんやスタッフとかかわりながら看護を提供することができるので、やりがいを感じることになるのではないでしょうか。

夜勤が免除となることや、土日・祝日が休みになることが多い

看護師として病院に勤務していると、日勤だけをすればいいわけではありませんよね。入院患者さんが入院していれば24時間を通して看護を提供する必要があるので、当然夜勤も行う必要があります。2015年に行われた調査によると、1月の平均夜勤回数は2交替勤務の場合4.09回であるということが分かりました。

出典:2015年度夜勤実態調査 23ページ目

1週間に1回は夜勤を行っているという計算になります。夜勤業務中には休憩や棄民の時間が設けられているとは思いますが、仕事が忙しい時にはゆっくりする時間を確保することが困難ですよね。日勤業務を行いながら夜勤業務を行うと生活リズムが乱れますし、身体的にも精神的にも疲弊してしまいます。夜勤業務を行うことに対して強いストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。

認定看護師になると、毎日の勤務時間の中で、自分が認定看護師の資格を取った分野についての看護やケアを行うことになります。患者さんは日中に起きていますが、夜間は睡眠をとりますよね。特に、認定看護師外来を開設している病院の場合、日勤帯に多くの患者さんが来院します。そのため、認定看護師が勤務を行う時間は日中がメインとなるのです。

また、土日や祝日・お盆の時期なども外来は休みですので、外来通院をしている患者さんは来院されません。そのため、認定看護師の資格を取得すると、平日日勤のみの勤務で、カレンダー通りの休みになるということが多いです。規則正しい生活を送ることができるのは、看護師として働く中で非常に魅力的に思えませんか?

医師からアドバイスを求められることが増える

看護師として勤務をしていると、医師からの指示を受けて働くことになりますよね。医師との連携がとても大切ですが、何か気付いたことや患者さんの状態に対してのかかわり方など、なかなか医師に確認することができないということはありませんか?また、医師の指示に対して「もっとこうすればいいのに」など思うことがあっても、医師からの信頼が厚くなければ伝えることは難しいですよね。

認定看護師の資格を取得すると、その分野のエキスパートとして医師からの信頼が非常に高まります。対等に近い立場に立つことができ、医師から「このような場合はどうすればいい?」など、治療や疾患に対する相談を受けることもあるのです。また、患者さんや症例に対してのカンファレンスや病状説明の際に、自分の意見を言いやすくなります。今まで以上に医師からの信頼を得ることができ、自分の考えを実行しやすくなるということは大きなメリットの一つではないでしょうか。

まとめ

認定看護師の概要や仕事内容、メリットについて紹介しました。認定看護師としての仕事はとても大変ですが、記載したほかにも様々なメリットがあります。病院や訪問看護ステーションなど、様々な職場で生かすことのできる資格ですので、気になる方は調べてみましょう。

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