看護師になるには大学と専門学校どっちが良い?解説します

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日本では看護師不足が深刻化しており、どこの病院や医療施設も看護師の求人が常に出されているような状態です。非常に需要のある職業ですし、やりがいを実感することのできる職業ですので、皆さんの中にも看護師を目指している方が多いのではないでしょうか。しかし、「どうすれば看護師になることができるのかわからない」という方もいるかもしれません。

看護師になるためには、どのような方法があるのか紹介しますので、参考にしてくださいね。

【看護師になる方法~普通科の高校を卒業する場合】

現在、病院や医療施設で活躍している正看護師のほとんどが、普通科の高校を卒業してから看護師になるための専門教育を受けていました。普通科の高校を卒業してから、正看護師を目指す場合、どのような方法があるのか紹介します。

  1. 普通科の高校卒業後、看護専門学校に進学する

普通科の高校を卒業後、看護師の専門学校に通うという方法があります。平成25年に厚生労働省が発表したデータによると、養成期間3年の養成所と短大の合計は555校(定員28.051名)で、看護教育を受けることができる学校の中で46%の定員を占めているということが分かりました。

出典:看護職員の現状と推移 15ページ目

3年間という限られた時間ですので、看護師に必要な知識や技術を重点的に学び、大学のように一般教養を学ぶ機会はほとんどありません。

看護学校に入学するためには、他の学校同様、入学試験を受ける必要があります。受験科目は学校によって異なり、面接・小論文だけのこともあれば5教科+面接・小論文が必要なこともあるため、願書を出す前に調べるようにしましょう。学校によっては「社会人枠」が設けられていることもあります。

〈看護専門学校に通うメリット〉

3年間で卒業することができる

看護大学は4年間通う必要がありますが、看護専門学校は3年間通うと卒業することができます。大学に通っている人よりも1年早く社会に出ることが可能です。

早くから病院実習に参加することができる

看護学校で看護師になるために必要な知識や技術を学びますが、現場に出なければわからないことが多くあります。看護専門学校では、1年目から病院実習に参加することができるため、早い段階で病院という環境に慣れることが可能です。また、3年目には何か月も連続で病院実習に参加することとなるため、就職して戸惑うことが少ないかもしれません。

学費が安い

看護大学と比較すると、学費が安い場合が多いです。公立の学校の場合、年間50万円以内で授業を受けることのできる学校もあります。私立の看護専門学校の場合、3年間で200万円~400万円程度の学費が設定されている学校が多いため、学費の安い公立の学校が非常に人気です。

〈看護専門学校に通うデメリット〉

初任給の設定が大学卒と比較して安い

給料は病院独自の給与規で決まりますが、看護専門学校卒業の場合、大学卒業と比較すると基本給が少し低く設定されている場合が多いです。差は病院によって異なりますが、5000円程度の差がある場合が多いのではないでしょうか。毎月の給料だと少しの差かもしれませんが、ボーナスの金額は基本給に左右されます。そのため、ボーナスが年間4か月分支給される病院の場合、5000円×12か月+5000円×4か月分=8万円の差が1年間で出てしまうのです。同じ仕事内容で給料に差がありますので、デメリットと感じる方が多いかもしれません。 

忙しい

看護専門学校は全日制の場合、平日は毎日90分(1コマ)×4コマの授業に参加します。3年間ですべての科目や学内実習、病院実習などをこなさなければなりませんので、空き時間はほとんどありません。3年目になると、実習の合間に学校での授業があり、授業と実習記録、授業が終了した科目のテストに追われます。私の通っていた看護学校は、毎週水曜日が帰校日となっていました。そのため、月・火・木・金曜日は毎日病院実習で、水曜日は朝から授業という時間割となっていました。唯一の学校の授業の日にテストが行われることもあり、実習記録とテスト勉強を並行して行うことは非常にしんどかったです。

絶対に合格できるとは限らない

看護専門学校は看護大学と比較すると「偏差値が低く合格しやすい」と考えている方がいると思いますが、これは大きな間違いです。定員が40名と少ない学校が多く、人気の学校の場合は倍率が非常に高くなっています。「絶対に合格できる」と思わずに、しっかりと受験対策をするようにしましょう。

〈看護学校を選ぶ際のポイント〉

全国各地に看護専門学校は非常にたくさんあります。家から通うことのできる範囲にいくつもの学校がある場合、どこの学校を受験すればいいのか迷いますよね。

学校を選ぶ際、まずはその学校の「国家試験の合格率」を見るようにしてください。偏差値の高い学校であれば国家試験の合格率が高いとは限りません。大抵の学校がホームページ上に国家試験の合格率を出していますが、中には合格率を隠している学校もあります。学校の入りやすさよりも、国家試験の合格率で受験する学校を選んだほうがいいでしょう。

また、「この学校に合格しなければ看護学校に通わない」という考えでない限り、いくつかの看護学校を受験するようにしましょう。看護専門学校を何校も受験する方が多いですし、看護大学の滑り止めに受験する方も非常に多いです。これらの方の中があなたの受験した学校に合格した場合、あなたが不合格になってしまう可能性が高くなってしまいます。一つの学校しか受けずに不合格となった場合、定員に達しなかった学校を受験するか、看護専門学校をあきらめるかの選択肢になってしまうので、いくつか学校を受験するようにしたほうがいいでしょう。

普通科の高校を卒業後、看護大学に進学する

現在、多くの看護大学が設立されており、看護大学入学を目指す方も多くなっています。平成25年に厚生労働省が発表したデータによると、4年制大学は218校(定員17.878名)で、看護教育を受けることができる学校の中で29%の定員を占めているということが分かりました。

出典:看護職員の現状と推移 15ページ目

看護専門学校と比較すると学校数は少ないですが、1校当たりの定員が多く取られています。

看護専門学校の場合は学校独自の入学試験を受けますが、私立の看護大学の場合は学校独自の入学試験を受け、国公立の看護大学の場合はセンター試験を受ける必要があります。受験する学校によって受験対策の方法は異なりますので、しっかり確認するようにしてくださいね。

〈看護大学に通うメリット〉

看護師だけでなく、保健師や助産師の国家試験の受験資格を得ることができる

全ての看護大学でカリキュラムが組まれているわけではありませんが、学校によっては保健師あるいは助産師の国家試験を受けることのできるカリキュラムが組まれている学校もあります。保健師や助産師としての活躍を考えている場合、看護専門学校より看護大学を受験したほうがいいでしょう。

看護学を理論から深めることができる

看護大学は4年間通うことができるため、看護学について理論から学ぶことができます。その分、実習を行う時間が看護専門学校よりも短く設定されていますが、看護師として仕事を行う中で技術は身に付きます。しかし、看護師としての仕事を行いながら理論を学ぶことは難しいです。後から学びたいと思っても時間の確保が難しくなるため、大学時代に学んだほうがいいでしょう。

給料が少し高い

看護専門学校のところでも紹介しましたが、看護専門学校卒業と比較して看護大学卒業のほうが、基本給が数千円高く設定されています。少しでも多くの給料をもらうことができるのはうれしいですよね。

〈看護大学に通うデメリット〉

学費が高い

看護専門学校と比較すると、看護大学の学費は高く設定されているところが多いです。特に私立の看護大学の場合、高いところだと初年度だけで200万円以上の学費が設定されている学校があります。また、専門学校より1年多く通いますので、その分学費が高額となるようです。

4年間通う必要がある

看護専門学校の場合3年間で卒業することができます。しかし、看護大学の場合は4年間通わなければならないので、看護師として働くことが1年遅くなるのです。高校の同級生で看護専門学校に通っていた人があなたの先輩看護師となることも考えられます。

〈看護大学を選ぶ際のポイント〉

看護大学の数は年々増加しており、どこの学校に入学すればいいのか迷う方が多いと思います。「新しい学校のほうがカリキュラムがしっかりしていそう」と思うかもしれませんが、新しい学校は避けたほうがいいかもしれません。教育体制が整っていないことや実習の受け入れ先が整っていないことがあるかもしれませんし、国家試験の合格実績がないため、その学校がどのような学校かを判断することが難しいです。できれば、創立して5年以上の学校で、国家試験の合格率が高い学校を選んだほうがいいでしょう。

【看護師になる方法~5年一貫教育校を卒業する場合】

最短で看護師になる方法として、「5年一貫教育校」に通うという方法があります。平成14年に創設された制度で、高校の看護に関する学科とその専攻科において、5年間の一貫したカリキュラムで看護師を養成するための教育を行うところで、高等学校では普通教科と看護に関する基礎科目を学び、専攻科では教養科目と専門科目を学びます。卒業すれば看護師国家試験の受験資格を得ることが可能です。

出典:文部科学省 高等学校における看護教育

平成25年に厚生労働省が発表したデータによると、5年一貫教育校は77校(定員4,035名)で、看護教育を受けることができる学校の中で7%の定員を占めているということが分かりました。

出典:看護職員の現状と推移 15ページ目

この学校に入学するためには、通常の高校入試と同様、入学試験を受ける必要があります。5年一貫教育ですので、専攻科に進級する際に試験はありません。

高等学校で3年間学んだ時点で「高校の卒業資格」を取ることができるので、その後、他の看護学校や大学に通うことが可能です。

〈5年一貫教育校に通うメリット〉

最短で看護師になることができる

中学校卒業後、5年間で高校+看護学校の勉強ができますので、最短で看護師になることが可能です。順調に国家試験に合格することができれば、二十歳で国家試験を受験することになりますので、若いうちから仕事を始めることができます。

クラス全員で勉強や実習などを乗り越えることができる

普通科の高校の場合、進級のたびにクラス替えがあったと思います。クラス替えのたびにメンバーが変わるため、3年間同じクラスのクラスメイトは少なかったのではないでしょうか。また、クラスメイトみんなが別々の大学や専門学校に進学するため、高校から進学先すべてが一緒となることはほとんどないと思います。5年一貫教育校の場合、看護科のクラスが1クラスしかないという場合がほとんどです。そのため、5年間一度もクラス替えはありません。長い時間をかけて信頼関係を築き、勉強や実習、国家試験を乗り越えることができるのではないでしょうか。

〈5年一貫教育校に通うデメリット〉

ほかの学校への受験が難しくなる場合もある

5年一貫教育ですので、当然高校の勉強をすることができ、3年間通えば高校卒業資格を得ることができます。5年間同じ学校に通う場合が多いですが、中には違う看護専門学校や看護大学を受験したいと考える方もいるかもしれませんし、看護師でない職業に興味が出る場合もあります。5年一貫教育の場合、高校1年生に当たる学年から国語や数学などの5教科に加え、基礎看護学や解剖生理学などの看護学も同時に学んでいきます。そのため、他の高校に通っている方に比べると、受験科目の学習時間が短くなってしまうのです。3年間通った段階でほかの学校を受験したいと考えた場合、他の高校に通う人よりも不利になることが考えられます。

私が看護学校を受験した際、隣に座っていた受験生が5年一貫教育校に通っている方で、少し話す機会がありました。受験科目は数学Ⅰや英語、生物などの一般的な科目でしたが、隣の席の方は「数学Ⅰ、まだ半分しか習っていなくて全く解けなかった」と言っていました。

非常に忙しい

専門学校に通う場合でも、3年間で授業や実習をこなしていかなければなりませんので非常に忙しいです。しかし、5年一貫教育の場合は、専門学校に通うよりも忙しくなります。5年間かけて看護教育をするということになっていますが、実際に専門教育を受けるのは4年目からの2年間です。2年間の間に必要なカリキュラムがすべて詰め込まれますので、とても大変になることが予想できますよね。学校によっては普通教科も専門教科も実技も、すべてが中途半端になってしまうということもあるようです。

〈5年一貫教育校を選ぶ際のポイント〉

5年一貫教育校を選ぶ際は、外部の学校の受験を行う可能性も考えて、普通教科にも力を入れている学校を選ぶようにしましょう。普通教科に力を入れていない学校に通うと、看護師以外の道を考えた際や外部受験を行う際に不利となってしまいますよ。

【まとめ】

看護師になる方法について、主なもの3種類を紹介しました。看護師になるためにはこのような方法がありますので、メリットやデメリットも参考にして学校を選ぶようにしてくださいね。

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