新人看護師必見!辞めたいと思ったときに読むべき処方箋

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看護師の離職率はとても高く、2012年に行われた調査によると常勤看護師の離職率は10.9%にのぼるということが分かりました。皆さんが勤務している病院でも、毎年多くの看護師が退職し、多くの看護師が就職してくるのではないでしょうか。

しかし、退職を行うのは先輩看護師たちだけではありません。新人看護師も毎年たくさん退職していってしまうのです。皆さんが勤務している病院も、新人看護師が就職してすぐに退職したということがあるのではないでしょうか。せっかく頑張って看護学校を卒業し、国家試験も合格してまでなりたいと思った看護師なのに、なぜ新人看護師がたくさん退職してしまうのでしょうか。新人看護師がやめたくなる理由や、再就職するときの注意点などについてみていきましょう。

参考URL:「2012年 病院における看護職員需給状況調査」速報 1ページ目

新人看護師がやめたくなる理由

2012年に行われた調査によると、新卒看護師の離職率は7.5%ということが分かりました。
参考URL:「2012年 病院における看護職員需給状況調査」速報 1ページ目

非常に高い割合です。どこの病院も、毎年新卒看護師が退職しているような状況ではないでしょうか。毎年約5万人新卒看護師が就職していくので、単純に計算しても毎年37500人の新卒看護師が退職している状況ということになります。なぜ、新卒看護師がやめてしまうのか、いくつか理由を紹介します。

リアリティ・ショック

皆さんはリアリティ・ショックという言葉をご存知でしょうか。Kramerはリアリティ・ショックを「数年間の専門教育と訓練を受けて卒業した後の実社会において、実践準備ができていないと感じる新卒専門職者の現象、特定のショック反応」と定義しています。
参考URL:新卒看護師のリアリティ・ショックの構造と教育プログラムのあり方 2ページ目

簡単に言うと、「自分の理想と実際の職場の現実にギャップがあり、精神的なショックを受けること」です。看護大学や看護専門学校で多くのことを学んだはずなのに、学んだこととは大きく違うことが毎日生じてしまいますよね。人を看護するということは、教科書通りではないことがほとんどです。
学生時代の実習では、実習期間中に1人だけを受け持ち、その患者さんの個性に合わせたアセスメント、関連図、看護計画の実施、評価などを行いますよね。もちろん、実習時間もたった一人の受け持ち患者さんの元へ行くだけです。学校によっては複数の患者さんを受け持つことがあるかもしれませんが、軽症な患者さんを2~4名程度ですよね。学生時代に行うことのできる看護というものも、清拭やシャワー浴介助、おむつ交換などのケアが中心です。

しかし、看護師の免許を取得し病院に就職すれば、看護学生時代のような毎日を過ごすわけにはいきません。毎日5~8名程度の患者さんを受け持ち、手術前後の看護を行いながら検温やナースコールの対応、食事介助、吸引や採血などの医療行為など、非常に多くのことを同時進行で行っていかなくてはなりません。慣れないことが連続し、このことがきっかけでリアリティ・ショックを強く感じてしまうのではないでしょうか。

2008年~2009年に行われた調査によると、「急性期病院の新卒看護師の職場適応を困難にする要因で最も多いのは、看護技術に関することであり、中でも患者の急変時の対応や、重症患者の対応であったという結果がでました。

参考URL:急性期病院における新卒看護師の職場適応に関する研究 ―勤務継続を困難にする要因を中心に―  1ページ目

人間関係の問題

どこの職場でも同じだとは思いますが、人間関係の問題も新人看護師の退職につながってしまうことがあります。学生時代は、引率の教師と学生担当の看護師などの限られた人としかかかわることがありませんよね。ほかの職種の方とかかわることがあったとしても、「学生さんだから」と優しく接してもらうことがほとんどです。担当の患者さんも、穏やかで優しい方や、認知症で見守りが必要な方が多かったのではないでしょうか。しかし、看護師になると多くの人とかかわっていかなければなりません。付き合いにくい先輩看護師や医師、薬剤師などの他職種だけでなく、少し性格に問題のある患者さんとも密にかかわっていく必要があります。間に入ってくれる教師もいません。看護師の仕事は「報・連・相(報告・連絡・相談)」が非常に重要となってきます。人間関係がうまくいっていないと、仕事をしていくことがしんどくなってしまいますよね。

精神的疲労による体調不良

看護師として勤務が始まると、体力的にだけでなく精神的にも疲労がたまってしまいます。学生時代であれば、精神的な疲労を軽減させるために友人と飲み会をしたり、お茶をすることも可能だったのではないでしょうか。しかし、看護師は日勤だけでなく夜勤があることや、シフト制のため決まった休みがないことなどから、友人と予定を合わすことが難しいです。そのため、ストレスを発散することが難しくなることや、精神的に不安になってしまうこともあるかもしれません。

また、就職を機に実家を離れ一人暮らしをする方も多くいます。学生時代であれば、実習でつらい思いをしたとしても両親や兄弟などの家族とかかわることで、前向きな気持ちになることができたかもしれません。しかし、一人暮らしの場合、つらいことがあって家に帰ったとしても、家には誰もいません。ホームシックになってしまい、退職を検討する方もいるようです。私が勤務していた病院にも、就職して3か月でホームシックになって退職を経験したという方がいました。

劣悪な労働環境

あなたの勤務する病院では、看護師の配置基準や残業時間、夜勤回数、残業代の支給など、決められている基準を守ることができていますか?もし守ることができていないとしても、与えられた環境に慣れてしまっているかもしれません。皆さんは看護学生の時、病院の労働環境まで考えて就職をしましたか?どこの病院も、表向きはいい労働環境であることをアピールし、新人看護師確保を行います。しかし、実際に勤務をしてみると、少ない人数で大勢の患者さんを担当し、残業時間が長いのにもかかわらず残業代がでないなど、労働環境の悪い面が見えてくるのではないでしょうか。

新人でやめたら、どうしたらよい?

新人看護師の期間に退職をするかたは、上でも記載しましたが7.5%います。もし、退職してしまったら、どうすればよいのか見ていきましょう。

ゆっくりと過ごす

まずは、ゆっくり、のんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。退職に至るまでは、毎日があわただしく過ぎていき、ゆっくりと自分の趣味を楽しむ時間を持つことができなかったり、家族や友人と会う機会を持つことができなかったのではないでしょうか。ゆっくり過ごす機会は、なかなか持つことができません。ですので、まずはゆっくり自分の時間を過ごし、身体的にも精神的にも回復させるようにしましょう。

今後の仕事について考える

ゆっくり過ごし、自分の気持ちに余裕が出てきたら、今後どうしていくのか考えましょう。退職後長期間仕事をしない期間が続いてしまうと、次の就職が難しくなることがあります。自分がもう一度看護師として頑張っていきたいのか、それとも新たな分野で頑張っていきたいのか、しっかり考えるようにしましょう。

もし、あなたが勤務していた病院の人間関係や待遇、労働環境などにストレスを感じて退職をしたのであれば、違う職場でなら活躍できるかもしれません。反対に、看護師自体にストレスを感じてしまい退職したのであれば、違う道に進んだほうが良い場合もあります。自分が何をしたいのか、どうなっていきたいのかを踏まえて、今後についてゆっくり考えてみましょう。

私の同期の中で新卒の時期に退職した方は2名いました。1人は違う病院で再度看護師として、もう一人は地元の企業に就職したようです。

興味のある分野の勉強をする

もし、「まだ看護師として頑張りたい」、「消化器病棟でなくて整形外科病棟に勤務したい」など、看護師として頑張っていく意思や興味のある分野が分かれば、退職している期間に勉強をしておきましょう。少し医療の現場から離れただけで、自分だけが取り残されたような漠然とした不安を感じることがあります。また、「自分は本当に大丈夫だろうか」、「次の職場でも頑張ることができるだろうか」など、焦りを感じることもあるのではないでしょうか。

少しでも不安や焦りを取り除くことができるよう、次に勤務したいと思える分野の勉強をしておくといいかもしれません。病院ごとに看護手順は異なることもあるので、看護技術よりも知識を深める勉強をしておきましょう。

看護師以外の道に進む場合

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平成26年1月~2月に退職予定者に行われた調査によると、退職後看護師として働く予定の者は57%、非看護師として働く予定の者は8%、職種にかかわらず働く予定のない者は27%であるという結果がでており、潜在看護職となるのは全体の35%を占めると推測されます。
参考URL:「看護職の職業移動とその心理社会的要因に関する追跡調査」 6ページ目

回答者の平均年齢は36.2歳でしたが、最も多かった年齢は23歳で看護師として勤務を始めて1年ということです。新卒で退職し、再度看護師として勤務することを選ばない方も、一定数以上いるのではないでしょうか。もともとあまり看護師という仕事や医療の分野に興味がないのであれば、再度病院に勤務をしたとしてもつらいだけかもしれません。いっそのこと、全く違う分野で活躍することも考えてみましょう。職業は看護師だけではありません。美容関係や飲食関係など、多くの職種があります。本当に自分が興味を持つことのできる分野のほうが、楽しんで働くことができるのではないでしょうか。もし、違う職種で働いたあとに「やっぱり看護師に戻りたい」と考えたとしても、現在は看護師不足が深刻化しているので、いつでも看護師に復帰することが可能です。

違う病院に就職するとき、どのようなところを選べばいい?

再度看護師として頑張ろうと決意したのであれば、新たに勤務する病院や施設を選択する必要があります。しかし、選び方を間違ってしまうと、再度同じような思いをすることとなってしまうのです。どのようなことを考えながら病院を決めるのが良いか、見ていきましょう。

病院に求める条件に優先順位を付ける

まずは、自分がどのような病院で働いていきたいのかじっくり考えましょう。人によって求める条件は異なりますので、他人の意見よりも自分の意見を尊重するようにしてください。例えば、職場の人間関係に不満を持ち退職したのであれば、次は人間関係がいいことを条件にする、その次に待遇…など、優先順位をつけ、どの条件であれば妥協できるのか考えておきましょう。これは、新卒看護師だけでなく、転職を考えている看護師全員にいえることです。もし、優先順位や妥協点を明確にしないまま病院探しを開始してしまうと、再度同じような職場を選んでしまうかもしれません。

新卒看護師にも対応してくれる病院を選ぶ

病院のシステムや規模によって、新卒看護師への教育支援体制が整っているところと整っていないところがあります。新卒看護師で退職するのであれば、できるだけ教育体制の整っている病院を選ぶようにしましょう。2004年に行われた調査によると、85.6%の病院看護部で「プリセプターシップ」を導入しているということが分かりました。
参考URL:プリセプターシップにおける看護師長の役割行動評価とプリセプターシップの概念の解釈との関連 2ページ目

最近ではプリセプター制度を導入している病院が非常に多くなっていますが、導入されていない病院や、新人の教育体制が整っていない病院も少なからずあります。このような病院を選んでしまうと、適切な教育を受けることができずに、看護師としてスキルアップすることが難しくなってしまいます。

病院を選択する

現在、看護師の資格を生かすことのできる職場は病院やクリニックだけではありません。保育所や訪問看護、企業看護師、派遣看護師など、多くの就職先があるのです。

「病院には向いていなかったけど、保育園なら大丈夫かもしれない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、注意が必要です。病院以外の職場は、「新卒者不可」や「経験者優遇」となっているところが非常に多いです。採用されたとしても、保育所や訪問看護は一人で行うことが多くなってしまうため、十分な知識や技術が必要となります。また、教育体制が整っていなかったり、新人研修を受けることができないなどのデメリットがあるので、できれば教育体制の整っている病院を選んでください。

ブランクがある場合

新卒で退職し、少し期間をあけてから再度看護師になるという方もいるのではないでしょうか。このような方の場合、もし可能であれば「4月」に再就職をしてみてはいかがでしょうか。1年未満で退職した場合、必要な新人研修をすべて終了していないということになります。そのような状態で就職する場合、病院側としては「どこから教えればよいのか」、「どの研修から参加させればいいのか」など、教育体制をどうするか非常に難しいです。4月に就職すれば、他の新卒看護師と同等の扱いをしてくれるところがあり、新人研修を最初から受けさせてくれるかもしれません。また、他の新卒看護師のようにプリセプターがついたり、勉強会の参加もしやすいということがあります。

新卒で退職して再度就職をするということは、誰でも不安や焦りが生じると思います。このような悩みを解消するためにも、4月に就職し、病院側にも「新人として扱ってほしい」とお願いしてみるようにしましょう。

看護師転職サイトを利用する

最近、テレビのCMなどで、看護師の転職サイトが多く流れていることに気付くのではないでしょうか。多くの会社がありますが、看護師の転職を専門に扱っている転職会社です。自分の悩みや今後の方向性、履歴書の書き方、面接への準備など、あらゆる面でサポートしてくれます。また、給料や年間休日数などは病院のホームページから確認することができますが、人間関係や教育体制の内部事情はホームページ上ではわからない場合があります。転職サイトは、このような内部事情までしっかりとリサーチされていることが多いので、あなたにぴったりの職場を探すことができるのではないでしょうか。また、新卒者でも就職が可能なところや希望する科のある病院をピックアップしてくれるので、スムーズな転職が可能となります。

私自身、転職を行った際に転職サイトを利用しました。自分の希望する条件に合う病院をいくつかピックアップしてくれたので自分で病院を探す手間が省けましたし、理想の病院を探すことができたのでおすすめします。

まとめ

新卒看護師の中には「やめたい」と感じている方が大勢います。一人で悩まずに、誰かに相談してみてください。実際に退職となった場合も、あなたに本当に会う職場はたくさんあります。無理して同じ病院で働き続けて精神的に不安定になるよりは、思い切って退職したほうがいい場合が多いのです。ですので、ゆっくり休んだ後は今後について考えてみるようにしましょう。

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