看護師を辞めたいと思うタイミングと楽しく働くための秘訣

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
doctor-trouble

看護師として勤務している方の中に、このような思いを持っている方はいませんか?「看護師をやめたい」と。2015年度に日本看護協会が行った調査によると、なんと常勤看護師の離職率が10.8%、新卒看護師の離職率が7.5%という結果がでました。

出典:日本看護協会 広報部 4ページ目

非常に多いですよね。また、日本医療労働組合連合会が2013年9月1日~11月15日に行った調査によると、「あなたは仕事をやめたいですか?」という設問に対し、「いつも思う」と回答した看護職員は19.6%、「ときどき思う」と回答した看護職員は55.6%であり、つまり、75.2%の看護職員は「仕事をやめたい」と思うことがあるということが分かりました。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 8ページ目

非常に高い割合と言えるのではないでしょうか。なぜ看護師をやめたいと思うのか、やめたいと思ったときにどのような行動をとればよいのか見ていきましょう。

看護師をやめたくなった理由

看護師をやめたくなった理由は、個人によって異なります。いくつか紹介します。

人間関係によるストレス

看護師として仕事を続けていくには、なんといっても人間関係が非常に需要となってきます。看護師の場合、看護師間だけで人間関係がうまくいけばよいわけではありません。医師や薬剤師、栄養士、理学療法士、医療事務などの、病院で働く多くの職種に対して良好な人間関係を作る必要があります。また、患者さんはもちろんですが、患者さんのご家族とも良好な人間関係を築いていかなければなりません。2013年に行われた調査によると、仕事をやめたい理由として「職場の人間関係」と回答した人の割合は21.0%いることが分かりました。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 65ページ目

職場の人間関係で悩んでいる方は非常に多いといえます。私自身、病棟師長や先輩看護師との人間関係に悩み、退職を考えたことがあります。看護師間での人間関係といっても、経験年数によって対象が少し異なってくるかもしれません。

新人看護師の場合

新人看護師は、プリセプターや指導担当の先輩看護師との関係性が重要ですよね。先輩看護師が質問しやすい雰囲気を作ってくれていると、わからないことをすぐに確認することができます。また、困ったことがあるとすぐに相談することができるのではないでしょうか。

しかし、新人看護師のことを避けたり、質問をされたときに嫌な顔をされるとどうでしょうか。新人看護師は慣れない仕事や職場環境で働くにあたり、非常にストレスを感じていると思います。そのことに加え、先輩看護師との人間関係を形成できなければ、さらにストレスを感じてしまうことにつながります。

中堅看護師の場合

ほかの職種と違って、離職率の高い看護師の場合、3年目から中堅として扱われることも増えてきます。このころから、新人看護師の指導を担当する看護師も多くなるのではないでしょうか。

中堅看護師の場合、新人看護師や後輩看護師を指導する中で、人間関係に悩むことが増えます。どのように説明したらよいのか、新人看護師になかなか自分の意図を伝えることができないなど、非常にもどかしい思いをする方も多いのではないでしょうか。また、先輩看護師や病棟師長などと新人看護師の間で板挟みになってしまうこともあります。後輩に対してだけでなく先輩との人間関係も必要ですので、うまくいかなければつらい思いをすることとなるのです。

待遇

あなたの勤務している病院は、待遇はいいですか?勤務する病院によって、給料や休日数、看護師配置などの待遇面は大きく変わってきます。挙げればきりがないので、いくつか紹介します。

給料が安い

皆さんも一度はほかの病院で勤務する看護師との給料を比較したことがあるのではないでしょうか。非常に大変な思いをして働いているのに、隣の病院のほうが給料水準が高いと、「隣の病院へ転職したい」と考えるようになるかもしれません。

日本看護協会が2013年に行った調査によると、フルタイム勤務の正規職員の看護師について、非管理職の2013年1月支給分の賃金額の平均は、給与総額35万2,157円、基本給月額25万4,583円(平均年齢36.1歳)であり、准看護師については、給与総月額29万6,319円、基本給月額21万1,819円(平均年齢45.9歳)ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書 8ページ目

看護師は一般的に、他の職種よりも給料が高いといえます。しかし、夜勤を複数回こなし、長時間の残業を行わなければ、なかなか給料は増えませんよね。あなたの給料は、平均と比べてどうでしょうか。もし、あなたの給料が平均を下回っていたら、「やめたい」と思うきっかけとなるかもしれません。

人手不足

現在、日本の看護師不足は深刻化しています。どの病院も看護師の確保に力を入れているような状況です。2013年に行われた調査によると、仕事をやめたい理由を「人手不足で仕事がきつい」と回答した人は44.2%となり、最も多い回答ということが分かりました。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 65ページ目

あなたが現在勤務している病院はどうでしょうか?病院によって看護師の配置基準は異なりますが、急性期病棟や緩和ケア病棟の場合は「7:1看護」となっているところが多いと思います。この7:1看護ですが、1日24時間を平均して患者さん7人に対して看護師1名が勤務していることが必要となります。患者数が50名で2交代勤務を採用している病院の場合、各勤務平均して8名の看護師が必要となることがあります。夜勤帯は4人で勤務を行っているとすると、日勤帯は12名の看護師が必要です。あなたの勤務している病院は、看護師の配置基準をきちんとクリアしていますか?

最近は看護師が不足していることに加え、認知症患者に常時付き添う必要があることや医療が進歩するに伴って看護師に求められる知識や技術が高度となっていることなどから、看護師の配置基準を満たしていたとしても人手不足を感じることがあると思います。私が最初に勤務していた市民病院も、毎日3~8件の全身麻酔の手術があり、認知症で徘徊や危険行動のある患者さんが常に入院している状況でした。ナースコールやセンサーマットも頻回に鳴動し、「もっと人がいたらな…」と感じることが多かったです。

例えば、あなたの勤務している病院が配置基準ギリギリで、隣の病院は配置基準より多くの看護師が在籍しているとします。隣の病院のほうが仕事をしやすいと感じてしまうのではないでしょうか。

ライフスタイルの変化

看護師として勤務を続けていく中で、自分のライフスタイルが変化する機会が出てきますよね。特に結婚や出産があげられます。2007年に行われた調査によると、退職理由が「妊娠・出産」と回答した人は30.0%、「結婚」と回答した人は28.4%、「転居」と回答した人は15.8%、「配偶者の転勤」と回答した人は13.5%いることが分かりました。

出典:看護職員の離職理由 1ページ目

看護師として勤務しているかたの90%以上が女性です。そのため、他の職種と比較するとライフスタルの変化が生じやすいのかもしれません。

独身の頃は休日の勉強会への参加や残業することが可能でも、結婚し家庭を持つと自分一人の都合で行動することは難しくなってしまいます。

また、子どもが生まれると、保育所などの預け先の確保や急な体調不良が生じた場合に事も考えなければいけません。最近は病院内に保育所を併設しているところも多くあるので、お子さんがいる方はこのような病院を選んだほうが家庭と仕事の両立をしやすいのではないでしょうか。

理想と現実の違い

看護師として働いていくうちに、自分の理想とする働き方と現実との間にギャップを感じることがあると思います。いくつか見ていきましょう。

残業が多い

2012年に行われた調査によると、非管理職の看護職が実際に行った時間外労働の時間数は14.1時間、時間外手当が支払われた時間数は8.1時間ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 7ページ目

皆さんの残業時間はどうでしょうか。私は勤務していたとき、毎日2時間以上残業することもあり、非常につらかったです。日勤が終わるというときに緊急入院や急変が生じて帰宅が22時近くになることや、夜勤明けで患者さんの看護計画の修正やサマリーの作成を行うために昼すぎまで病院に残ることが多くありました。また、就業前に情報収集や物品の準備などのために1時間前に出勤しないといけないことや、休日に勉強会の資料作りを行うなどのことも当たり前となってしまっています。残業代が全額支払われればよいのですが、申請させてもらえないことも多かったため、非常に不満でした。

夜勤が多い

2015年に行われた調査によると、「3交替」の平均夜勤日数は月7.60日で9日以上と回答した人は25.2%、「2交替」の平均夜勤に数は月4.09回で4.5回以上と回答した人は33.1%という結果がでました。

出典:2015年度 夜勤実態調査 14ページ目

夜勤回数が多くなれば給料は多くなります。しかし、昼夜逆転となり生活リズムが乱れることや体調を崩すこと、友人と会うことが難しくなることなど、デメリットも多いですよね。

日勤帯と違い夜勤帯は看護師の人数が大幅に減ります。患者さん全員が寝ていれば問題ないのですが、認知症の方の対応や急変時の対応などが生じることも頻回にあり、休憩や仮眠をとることができないことも非常に多いですよね。

このような勤務が続くと、身体的にも精神的にも疲労してしまい、看護師をやめたいと思うことにつながるのではないでしょうか。

配属先が希望していた科ではなかった

就職する際の面接などのときに、どの診療科を希望しているか聞かれたのではないでしょうか。私が最初に就職した病院では、新卒看護師全員にアンケートが配布され、①手術室、②ICU、救急病棟、③一般病棟、④外来、透析室、検査室 のうち、優先順位上位2つを記入するようになっていました。

皆さんは希望する診療科に配属がされましたか?人員配置の都合で、なかなか全員の希望を叶えることは難しいと思います。しかし、自分が希望する診療科と違う診療科に配属となると、モチベーションが低下してしまいますよね。

私は希望通り一般病棟(優先順位2つとも一般病棟と書きましたが…)に配属となったので良かったのですが、同期の中には希望していたところとは違う診療科に配属となり、向いていなかったためか3か月で退職した人もいます。

やめたいと思ったときに考えること

doctor-trouble

「やめたい」と思ったとき、まず考えなければならないことがあります。「看護師自体をやめたいのか」それとも「今の職場をやめたいのか」ということです。看護師として働くことがしんどくなった場合、もちろん、他の職に再就職するということもできます。しかし、せっかく大変な実習や国家試験をクリアして得た看護師という仕事ですので、できるなら看護師として働き続けたいと感じる方が多いのではないでしょうか。

看護師の資格を生かして働くことができるのは、病院やクリニックだけではなりません。訪問看護や保育園、美容外科クリニック、健診センター、企業看護師など、多くの場所で看護師の資格を生かすことが可能です。病院で働くことだけが向いていないだけで、他の場所なら大丈夫という方もたくさんいます。

仕事が忙しいとは思いますが、「看護師自体をやめたい」のか、それとも「今の職場をやめたい」のか、きちんと考えてから行動するようにしましょう。

実際やめる場合の退職理由

実際にその職場をやめようと思った場合、退職理由を考える必要があります。きっと、多くの方が「人間関係に疲れた」や「こんなに忙しいのはしんどい」、「自分一人にかかる負担が大きい」など、“ネガティブ”な理由を思いつくのではないでしょうか。じつは、このようなネガティブな理由は、退職することが困難となってしまうのです。

ネガティブな退職理由を出してしまった場合、職場は「あなたの悩んでいる部分を改善するから‼」とあなたを引き止めようとします。そうなってしまうと、退職がスムーズに進まないことや、実際に退職までたどり着かない状況が発生する可能性が高いのです。そのため、“ポジティブ”な退職理由を伝えるようにしましょう。時には少しの「ウソ」が必要となるかもしれません。

たとえば、「スキルアップをしたい」というのはどうでしょうか。この理由を挙げる際のポイントは、「現在の職場では達成できない内容」のスキルアップということです。例えば、市民病院などの大きな病院で手術室勤務をしていて「一般病棟で勤務したいので退職したい」というのは無理がありますよね。部署異動をすればいい話です。ですので、今の職場では達成出来ない内容のスキルアップを伝えるようにしましょう。

また、結婚や家族の介護、引っ越しなども“ポジティブな理由”として受け止めてもらいやすいので、このような理由を話すこともいいかもしれません。

ウソの退職理由を伝える際の注意点

“ネガティブ”な退職理由を考えている人がほとんどだと思いますが、“ポジティブ”な退職理由でなければ退職が難しいということを先ほど書きました。そのため、多くの方が「何らかのウソ」を突くことになると思います。ウソをつく際の注意点を紹介しますので、参考にしてみてください。

結婚や引っ越しを退職理由にしない

一番スムーズに退職ができる理由が結婚や引っ越しです。しかし、この退職理由を伝える際は、事実であるときのみにしてください。当たり前ですが、本当でなければ上司にばれてしまいます。

この退職理由を使用せずに、違うポジティブな退職理由を伝えるようにしましょう。

話に矛盾が生じないようにする

その場しのぎで思いついた退職理由を伝えてしまうと、どこかで矛盾が生じてしまいます。できれば、退職のことを上司に伝える前に、どのような退職理由を使用するのか明確にしておきましょう。事前に箇条書きでメモにまとめて、いつでも確認することができるようにしておくのもいいかもしれません。

また、退職理由と解決策を一致しているかも確認しておきましょう。「スキルアップしたい」を退職理由にしたのに、「もっと給料の高い病院に転職する」と言ってしまうと、理由の信頼性がなくなってしまいます。

ウソを本当のことと信じ込む

矛盾の無い退職理由を考えた後は、自分で信じ込むことが大切です。自分の作成したシナリオを、しっかり暗記する必要があります。

病院によっては、退職の際の面談を病棟師長だけでなく看護部長や事務長など、複数回に分けて行うこともあります。緊張すると思いますが、退職理由を忘れてしまったり、つい本当のことを言ってしまうと、先ほども記載したような矛盾点が生じてしまいます。

また、あらかじめ想定される質問に対する答えを考えておくことで、「ウソ」を「本当」と相手に信じ込ますことが可能です。

仲がいいスタッフにも本当のことを話さない

仲のいいスタッフには、つい本当のことを言ってしまいやすいですよね。しかし、どんなに仲が良いスタッフでも、本当のことは話さないようにしましょう。

1人だけに本当の理由を言っていたとします。休憩の時に退職の話となったとき井、そのスタッフが本当のことを話してしまったらどうしますか?

「本当の退職理由は何?」と上司に問われることとなってしまうので、注意しましょう。

まとめ

看護師がやめたくなる原因や、円満な退職ができる方法を紹介しました。やめたいと考えている人は大勢います。病院によっては、みんなが同時に退職を考えてしまい、順番待ちになってしまうこともあるかもしれません。

スムーズに退職ができるよう、事前にしっかりと理由を考えておくようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る