看護師の勤務時間|現役が語る勤務体制による勤務時間の違い

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入院患者さんの対応を行っている病院の場合、看護師は日勤だけでなく夜勤も行う必要があります。そのため、勤務時間は病院や勤務体制などによっても変わってくるため、すべての病院や医療施設で勤務時間が同じということはありません。また、日勤にもいくつかの種類のある場合もあるため、勤務時間は様々です。

現在、看護師を目指して勉強をしている方は、看護師の勤務時間について疑問に感じていることも多いと思います。勤務体制による勤務時間や、残業時間、夜勤の仮眠時間など、看護師が勤務している時間について紹介します。

日勤の勤務時間

まず、多くの方が経験する日勤の勤務時間についてみていきましょう。一言で日勤と言っても、働き方はたくさんありますので、参考にしてくださいね。

日勤の勤務時間

日勤とは簡単に言うと、日中に看護業務を行う勤務体制のことです。病棟や訪問看護ステーション、医療施設などで勤務している場合は、8:00~17:00のように朝から夕方まで連続した勤務を行います。病院ごとに日勤の開始時刻や終了時刻は異なり、9:00~17:00と設定されているところや8:30~17:30と設定されているところなどもあるようです。

基本的には、お昼休憩として1時間休憩をとることとなっています。しかし、看護師全員が同じ時間に休憩すると患者さんに迷惑が掛かりますので、2グループに分かれて休憩をとるところがほとんどです。

始業時間に出勤をしたとしても、患者さんの状態を事前に確認しておかなければ看護を提供することができません。また、事前に物品の準備や確認も行っておく必要もあります。そのため、始業時間に出勤するのではなく、早めに出勤して患者さんの情報収集や物品の準備、確認をしなければなりません。2012年に東京都内にある病院の勤務について調査した結果によると、看護師の8割が始業開始前の時間外勤務を行っており、1か月の平均は9.9時間だったということが分かりました。

出典:時間外勤務に対する意識調査 -属性と時間外勤務時間の関係- 1ページ目

多くの看護師が始業開始前から勤務を行っているということが分かりますね。私の勤務していた病院では、新人看護師は始業開始の1時間前から情報収集を行っており、先輩看護師も始業開始30分前には情報収集を開始していました。8時から勤務が開始だったとしても、実際は7時ころから出勤しているスタッフもたくさんいます。

早出勤務

早出勤務とは日勤の一種ですが、名前の通り「通常の日勤より早めに出勤する日勤」のことです。この勤務体制を導入している病院も多いのではないでしょうか。

夜勤業務は少ない看護師ですべての患者さんの対応をする必要があります。特に夜勤帯で大変なことは、食事の配膳・下膳、食事介助です。入院患者さんは朝食が7:30頃に設定されています。この時、少ない看護師で患者さん全員の食事を配膳し、必要な患者さんに対しては食事介助を行い、最後に下膳までする必要がありますよね。また、これらのことをしているときにもナースコールの対応をしなければなりませんので、患者さんに迷惑がかかることもあります。そのため、早出勤務の看護師は、朝食の配膳に間に合うように出勤し、夜勤の看護師の負担を減らす役割があります。

勤務終了時間は病院によって異なりますが、通常の日勤と同様に8時間勤務となるところが多いです。早く出勤した分、通常よりも早く帰宅できるのは魅力的ですよね。早出勤務の看護師は、比較的軽症な方の部屋を担当したり、部屋を担当せずにほかの看護師が担当している患者さんの清拭やシャワー介助などのケアを中心に行うなど、病院によって仕事内容は異なります。早出勤務で部屋持ちも行う場合、食事介助が始まるまでに担当の患者さんの情報収集を終えなければなりませんので、さらに早く出勤する必要があります。

遅出勤務

遅出勤務も日勤の一種で、名前の通り「通常の日勤より遅めに出勤する日勤」のことです。遅出勤務の看護師の役割は、「夜勤担当の看護師の負担を減らすこと」です。そのため、早出勤務は通常よりも30分程度早く出勤することに対し、遅出勤務は昼過ぎに出勤し、消灯まで勤務することが多いです。

昼からの出勤となるため、部屋持ちは行わないことが多く、日中はほかの看護師の担当している患者さんのケアやナースコールの対応、処置の介助などを中心に行います。そして、日勤帯が終われば夜勤業務のフォローを行います。遅出勤務は患者さんの担当をしません。その分、食事の配膳や食事介助が終了すれば、ナースコールの対応や使用物品の洗浄・片付け、点滴の準備などの業務を中心に行います。私が勤務していた病院では、12:00~21:00が遅出の勤務時間となっていました。

ロング日勤

この勤務体制は、あまり耳にしたことがない方が多いかもしれません。ロング日勤は勤務の開始時間は通常の日勤と同じです。しかし、通常の日勤よりも長めに勤務しなければなりません。ロング日勤は、看護師の残業対策や、二交代勤務の夜勤の時間を少しでも短縮することを目的として導入されたようです。勤務時間は病院によって異なりますが、8:00~19:30という時間が設定されているところが多いのではないでしょうか。

通常の日勤同様、患者さんの部屋を担当しながらナースコールの対応やケアなどを行います。しかし、日勤帯が終了しても勤務は続きます。夜勤看護師の負担を減らすために、日勤帯終了後はナースコールの対応や食事の配膳・下膳、食事介助を行い、余裕のある時はカルテの記入を並行して行うこともあるようです。

2011年に発表された研究によると、二交代勤務ではロング日勤においては負担に感じている方が多いということが分かりました。

出典:二交代制勤務看護師の疲労度、満足度に関する文献検討 -三交代制勤務との比較- 3ページ目

通常の勤務を行ったあと、さらに勤務を続けることは非常に大変です。病院によっては、ロング日勤をすると通常の日勤帯以降の勤務時間の給料が発生するところもあります。日勤帯以降の勤務すべてを「残業扱い」としてくれるところや、ロング日勤1回につき2000~3000円程度の報酬が設定されているところもあるようです。しかし、多くの病院ではロング日勤に対して特別な手当てはつかず、通常の日勤と同等の扱いとなっています。

残業を減らすことを目的として導入されたロング日勤ですが、急性期の病棟では勤務時間内はナースコールの対応や食事介助、処置の介助などの多くの業務を行わなければなりません。そのため、カルテの記入や自分に与えられた仕事をロング日勤中にも行うことができず、結果としてさらに残業が増えるということもあります。

クリニックでの日勤業務

入院患者さんの受入を行う病院の場合、常に患者さんがいますので日勤業務は連続して8時間行う必要があります。しかし、外来をメインで行うクリニックの場合、朝から夕方まで連続して診察を行っているところは少ないですよね。多くのクリニックでは、9:00~13:00、16:00~19:00などのように、診察時間が午前と午後とで区切られています。診察時間は病院ごとで設定されているため異なりますが、では看護師の勤務時間はどのようになっているのでしょうか。

クリニックで勤務している看護師は、「午前勤務」「午後勤務」「1日勤務」と勤務形態が分かれており、働き方を選択できる場合が多いようです。午前勤務や午後勤務の場合、診察を行っている時間の勤務となります。しかし、1日勤務の場合、午前診と午後診の間に空き時間が出てしまいます。この空き時間が気になりますよね。

クリニックで勤務をしている友人に聞いてみると、完全に空き時間のようで、の時間を利用して家に帰ってもいいし、カフェ等を利用して食事を行ってもいいようです。午後の受付時間に間に合えば、基本的には自由に過ごすことができます。クリニックが家から遠い場合、クリニック内で空き時間を過ごす方も多いようですが、診察を行っていない時間帯に電話があった場合は対応を行わなければならないこともあるようです。

夜勤の勤務時間

日勤帯の看護師の勤務時間については、病院実習に参加した際などに見ることができるため、なんとなくイメージができると思います。しかし、看護師の夜勤勤務については、夜勤実習をしていたとしても、勤務時間全てを見学できるわけではありません。そのため、実際に夜勤が開始となるまでは、夜勤の勤務時間に対するイメージがなかなかできないと思います。

病院によって、夜勤の開始時間や勤務体制、休憩時間等は異なりますが、大体の時間を紹介しますので、夜勤に入るまでの参考にしてくださいね。

2交代制勤務の場合

2交代制勤務とは、看護師の勤務が「日勤」と「夜勤」の2種類で構成されている勤務のことです。日勤が8:00~17:00の勤務の病院の場合、夜勤の看護師は16:30~8:30などの時間で勤務を行うこととなります。日勤から夜勤、夜勤から日勤への引継ぎの時間が必要ですので、日勤の看護師と夜勤の看護師の勤務時間が少し重なるように設定されていると思います。2013年に行われた調査によると、2交代制勤務のみを取り入れている施設は全体の13.2%、2交代制勤務で勤務をしている看護師は夜勤を行っている看護師全体の24.6%ということが分かりました。

出典:2013年度 夜勤実態調査 9ページ目 10ページ目

2交代制勤務の場合、16時間以上病院で過ごすこととなりますが、もちろん休憩や仮眠の時間が設けられています。多くのところでは夕食休憩が30分、仮眠が1時間30分と設定されていますが、その時の忙しさや患者層などによって変更されることがよくあります。

日勤での休憩の時は、2グループに分かれて休憩をとることが多いです。しかし、夜勤は看護師の人数が少ないため、個別に休憩をとることとなります。

実際の勤務時間が16:30~8:30だったとしても、情報収集や物品の準備などを行う必要があるため早く出勤する必要がありますし、時間通りに勤務が終了することもあまりありません。16時前に出勤し、時には昼過ぎまで記録をしているということもあります。また、仮眠の時間が設けられていますが、術後の患者さんの多い時や不穏状態の患者さんの対応を行うとき、急変のあったときなどは一切仮眠をとることができないことも多いです。また、夜勤明けの日の夕方に病棟会や勉強会が行われる場合、ほとんど寝ることができずに病院に行かなければならないこともあります。

3交代勤務の場合

3交代勤務とは、看護師が「日勤」、「準夜勤」、「深夜勤」の3種類で構成されている勤務のことを言います。勤務時間は病院によって異なりますが、日勤が8:00~17:00としたら準夜勤が16:30~1:00、新夜勤が0:30~9:00などの時間で勤務を行うこととなります。深夜勤を行う看護師は深夜勤に入る日に日勤業務を行っている場合が多く、日勤終了後いったん自宅に戻ったり仮眠室で休憩をとってから、深夜勤に向けて出勤することとなります。

2013年に行われた調査によると、3交代制勤務のみを取り入れている施設は全体の51.0%、3交代制勤務で勤務をしている看護師は夜勤を行っている看護師全体の68.6%ということが分かりました。

出典:2013年度 夜勤実態調査 9ページ目 10ページ目

3交代勤務を行う場合も、もちろん休憩時間がありますが、準夜勤勤務の看護師の休憩は夕食をとる時間だけです。そのため、30分程度が休憩時間として設定されているところが多いのではないでしょうか。仮眠をとることはできません。新夜勤勤務の看護師の場合、食事用の休憩はありませんが、仮眠を1時間~1時間半程度とることができます。

2交代勤務の場合、夜勤開始前はゆっくり自分の時間を過ごすことができます。しかし3交替勤務の場合、新夜勤に入る前に日勤をしていれば十分に休むことはできません。私は3交代勤務を行っていましたが、日勤が21時過ぎに終了したことがありました。急いで家に帰りお風呂に入り、支度をして23時に夜勤のために出勤となったため、自分の時間を過ごすことができないまま深夜勤となったので、非常に疲れたことがあります。

また、二交代勤務の場合、日勤終了後や夜勤終了後にそのまま仕事をすることはないため、自分の時間を過ごすことができます。しかし、3交替勤務の場合、準夜勤→日勤→日勤→深夜勤という4日間連続勤務を行わなければならない可能性もあります。2013年に行われた調査によると、準夜勤終了後の残業時間が「30分以上」59.0%、「60分以上」23.2%、「120分以上」2.0%で、深夜勤終了後の残業時間が「30分以上」65.7%、「60分以上」27.1%、「120分以上」2.1%という結果が出ています。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 37ページ目 38ページ目

準夜勤から日勤を連続で行う場合や日勤から深夜勤を連続で行う場合、ほとんど休憩をとることができないまま業務を行うこととなります。最近は準夜勤から日勤を連続で行うことがないような取り組みが行われている病院もありますので、このような勤務を行うことがない病院を選んだほうがいいかもしれませんね。

まとめ

看護師の勤務時間について紹介しました。日勤という働き方を見ても、種類が多いことが分かると思います。職員募集の詳細を確認したときに「日勤」という記載があったとしても、その日勤の勤務時間がどのようになっているのか確認するようにしましょう。

入院患者さんのいる病院の場合、夜勤を行う必要があります。2交代勤務と3交代勤務、混合勤務のいずれかをすることになると思いますが、自分がどのような働き方をしていきたいのかしっかり考えて、病院や病棟を選択するようにしましょう。

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