看護師さんの働く場所は大事!現役看護師が語る辛い日々

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ある調査によると、一般的な日本のサラリーマンの平均通勤時間は約1時間。通勤手段は、1位 車、2位 電車、3位 自転車だそうです。現代社会では、1家族1台の車から11台の車になりつつあるという話もよく聞きます。それだけ車利用が浸透しているということでしょうか。また、別の調査では通勤時間が長いと「思い悩むことが多くなり、幸福感を感じにくくなる」という結果が出ています。求人をいろいろ見てみても、『駅から5分』『マイカー通勤可』など通勤に関しては、様々なことが書かれています。勤務に含まれない時間ですが、毎日のことですから、通勤に関しても仕事と同様に慎重に考えないといけないことがわかると思います。さて、今回は私の経験から考える「職場とのほどよい距離感」について書いていこうと思います。

徒歩10分は意外と遠い

まず、1つ目は私が看護師として初めて働いた時の話です。私が看護師として働き始めたのは、兵庫県のとある3交代制の急性期中型病院でした。実家から離れた所にあるその都市は、私の憧れの土地でした。いつかはその土地に住みたい、そう思っていた私はその都市にある病院に就職しようと決めていました。その中でも、「入職から1年間寮で生活すれば、引っ越し代は病院が負担します」という病院がありました。その都市に就職するなら実家を離れて生活をすることになるので、引っ越しをしなければなりませんでしたから、引っ越し費用を負担してくれるその病院は魅力的に映りました。

そして、その病院見学会に参加。

寮の見学はありませんでしたが、説明で「病院から徒歩10分程度」の所にあるという説明を受けました。学生当時の私の感覚としては、10分くらいなら歩けるし大丈夫!という感じでした。入職し、その寮に住んでみると、隣がスーパーになっており駅も近く人通りも多い。立地条件は良いところでした。ただ1つ難点を上げるとすれば、5階建てなのにエレベーターがついていなかったことです。就職説明会の時には、エレベーターがない5階建てなどという話はされていませんでしたし、田舎者の感覚としては、5階建てともなればエレベーターは必ずついているものだろうと思っていたので、残念でした。

入寮してすぐ寮から病院までを実際に歩いてみました。マンション付近の雰囲気とは違い、周囲は閑静な住宅地でした。仕事が始まってからの最初の一週間は、全く苦痛を感じませんでした。朝の閑静な住宅地の中を、すがすがしい気持ちで歩くことができるという、少しだけお得感さえ感じていました。帰り道も、今日の晩御飯は何にしようかなど考えながら、楽しく1日を思い出して家路についていました。4階まで上る階段も苦痛に感じないくらいでした。

しかし、そんなことを考えながら歩けていたのもつかの間。楽しい気持ちとは裏腹に、慣れない生活にどんどん体は疲れてきます。朝もゆっくり寝たいと思うようになりました。実家暮らしだった私は、初めての一人暮らし。お化粧に朝ごはんの支度から片付けとやることがたくさんあることに気づくようになりました。すると、朝の10分がとても貴重な時間だということに気づき始めました。朝の時間を少しでもゆっくりとしたいと思うようになり、私は自転車を買いました。

自転車なら通勤時間を半分にすることができると思ったからです。そして自転車での通勤を始めました。しかし、すぐに問題があることに気づきました。雨です。雨の日には、傘をさしながら運転することになりとても危険。バランスを崩してしまいそうになるし、前も見づらくなってしまします。だからといって、レインコートを着るために時間を割くのも面倒です。

結局、雨の日は徒歩で通勤することにしました。そうして、徒歩と自転車という通勤手段を使っての生活をしていました。徒歩の日の帰りがとても苦痛でした。体が疲れているせいで、足取りが自然と重くなります。最初はすがすがしいと感じていた景色も、見慣れてくるとただの住宅街です。帰りにお茶でもしようかと思っても、マンション近くまで行かなければお店はありません。疲れているし、帰ったほうが早い、家でゆっくりしようという風になってしまいます。

マンションにたどり着いても、4階まで階段を上らなくてはなりません。仕事終わりの疲れた体に、荷物を持って階段を4階まで上がるということは私にとってはかなりの重労働でした。それから半年くらいが経過して、準夜勤が始まりました。出勤時は、まだ明るい通勤路も、準夜勤の帰りは真っ暗。深夜0時を回っています。住宅地ですから、ただでさえ人通りの少ない道を、そんな時間に歩いてる人はほとんどいません。ましてや、女性が独りで歩いているといったことはありませんでした。時々出会うパトロール中の警察官が、ジロジロとこちらを見てきたりして、いつ職務質問されるのかと私はドキドキしたりしました。

幸い、不審者に遭遇したり、警察官から職務質問をされることもありませんでしたが、準夜勤の帰りはとても怖かったのを覚えています。深夜勤が始まると、帰りがさらに苦痛でした。自転車で行った日の帰りが雨の日などは最悪です。傘を差しながら、自転車を押す。深夜明けで、ただでさえ体が重いのに傘をさして自転車を押すのは、何の罰だろうと思うくらい辛かったです。

今から思えば、雨の日や日勤以外の時には駐車場を借りて、車で行っても良かったかなという風に思います。でも、そんな単発なことのために駐車場を借りるというのも勿体ない。やっぱり実際に歩いてみて、周りに何があるか雨の日はどうするか、出勤時間、帰宅時間の状況や自分の体力を合わせて考えないといけないなと思いました。

夜勤明けの車運転40分は朦朧として危険

次にお話しするのは、私がアルバイトで老健施設の夜勤をしていた時の話です。施設だけでなく、病院でも夜勤専従のバイトはお給料が良くて魅力的です。知り合いには、夜勤のバイトだけで生計を立てている人もいるくらいです。私の場合は、その老健施設のバイトを「夜勤をしてくれる人がいないので、どうしてもお願いしたい」と言われ、引き受けました。その老健施設は、私が住んでいた町の隣の市内の山奥にありました。車で40分程度の所です。自宅から老健施設までは、自動車専用道路があったり、交通量の多いところもありますが、細い山道が続く感じです。勤務の日は、昼14時半に家を出発。施設に到着して、それから夜勤の準備をして、16時に勤務開始という感じでした。

出勤時は、まだ元気だし仮眠をとった後なので目も冴えています。頭もクリアです。これから仕事をするぞという意気込みもありますから、体も軽いです。車の運転にも何の支障もありません。細い山道でも、難なく運転することができました。勤務中は、仮眠の時間もありますが仕事量が多くなかなか仮眠をとる時間がありませんでした。夜勤者が1人しかいなかったからです。次の日のお薬の準備や、朝食の準備、注入食の準備、そして巡視にカルテ記入。もちろん急変者の対応もありますから、気が休まる時間がありません。仮眠と言われても眠れることはできませんでした。1人での夜勤が精神的にかなり負担が大きいということをこの時初めて知りました。眠れないし、責任も大きい。病院の夜勤とはまた違う大変さを知りました。朝の業務は4時半から開始でした。注入食の注入や、処置などにその時間から回り始めます。そして、申し送りが終わるのはだいたい9時半。

仮眠を取れていない私は、すでに頭がぼぉっとしてきます。申し送りが終わって、施設を出た時の朝日のまぶしさといったら、なかったです。さぁ、仕事も終わったし帰ろうかと車に乗り込みますが、終わったという安堵感からか、張り詰めていたものが緩み、一気に疲れが出てきました。これから40分も車を運転しなければならないのかと思うと、さらに疲れが増してきました。

しかし、そこで気を取り直して運転を始めて家路につきます。すると、頭がぼぉっとしているのが何となくわかります。走っていると、アクセルを踏む力が緩むせいで、後ろの車にパッシングされることが何度もありました。どうやって帰ってきたかわからないということも、何度かあります。私は幸いなことに、車での事故の経験はありません。しかし、車の運転に自信があっても、夜勤明けでの車の運転は非常に危険です。通勤距離と時間、その道のりに何があるかといったことを調べる必要があるということを知りました。

通勤時間30分以上は、どんより空気

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次にお話しするのは、私が看護学校教員をしていた時のお話です。私は数年前、看護学校の教員をしていました。教員になったきっかけは、とある広報の募集記事。小さな記事を父が見つけ、一度受けてみたらどうかと勧めてくれたのがきっかけでした。就職試験に合格し、私は教員になりました。自宅から職場までは、自動車専用道路を使って30分。車の運転が好きな私には、ちょうどよい距離のように思いました。朝の就業は830分。時間に余裕をもって仕事を開始しようと思えば、家を出るのは730分です。その時間は通勤ラッシュに差し掛かり、交通量の多い時間。私はわざと、通勤ラッシュを避けるため5分くらい早く家を出たりして、交通量の少ない時間を選ぶようにしていました。教員の仕事は様々です。学生への看護学講義が基本ですが、それ以外にも実習引率なども含まれています。学内では、看護学講義のための準備をします。資料集めや最近の看護技術の動向、そして講義の資料作り、演習の計画などもしなければいけません。

さらに、外来の講師先生へのお茶出しや資料のコピーと学生への配布、事務庶務など様々な業務があります。1日の業務を終えるのは1715分。たいていの場合、定時に終わることができる職場でしたが、期限内に終わらせないといけない書類や資料作りがある時は、持ち帰りで仕事をしていました。職場が残業してはいけないという風潮の職場だったからです。そのため帰る時間はたいてい帰宅ラッシュに差し掛かる前。しかし、車を運転しながら1日の業務の振り返りや反省をしてしまうのは性格のせいでしょうか。帰りの車はいつも30分の反省会になっていました。

「あの時の上司の言葉の意味はどういうことだったのだろう」「あの時の外来講師への対応はあれでよかったのか」「あの時こうしていてよかった」など、色々なことを考えていました。また、病院実習や施設実習では、実習先に直接出勤しなければなりませんでした。朝は830分に病棟に学生を連れて行かないといけませんでした。その前に各学生の1日の計画の見直しをしたり、服装のチェックなどをしないといけない決まりになっていました。そのため、学生は8時には実習控室にやってきます。教員がそれよりも遅くに控室に入ってはいけないような、暗黙のルールが存在していましたので、教員はだいたい745分には控室に入るようになっていました。

自宅から近い実習施設の担当の場合はよいのですが、自宅から車で1時間ほど離れた所の実習施設を担当することもよくありました。その時の実習先に向かう車の中は、一人ミーティングです。その日の学生の受け持ち患者さんの状態を思い出し、学生の計画を想像して自分の一日の計画を立てます。理解度の低い学生へはどうしようとか、あの学生は積極的だからこんなこともできるんじゃないかとか、そういったことを考えながら車を走らせました。

実習が終わった後は、学生を送り出して家路につきます。帰りの車の中では、いつものように独り反省会です。しかし、距離が長くなればなるほど、疲れが多ければ多いほど反省会は、どんよりとしたものになりました。家からの距離が短いとそういった反省会は短くて済むのですが、距離があるとその分独り反省会は長引きます。あの学生への指導はこのほうが良かったかあの時の学生の対応はもっと褒めるべきだったかとか、そういったことをずっと考えながら車を走らせていました。

家に着くころには、「はぁ、今日も疲れた」と、精神的な疲れが倍になっているように思いました。持ち帰りの仕事などある時には、そこからまた仕事でした。反省会を終え、一日を終了させてプライベートの時間を持ちたいと思っていても、仕事があるのでそうもいかないといった状況が多々ありました。仕事で疲れた後の車の中での独りミーティングは、マイナス思考になりがちで堂々巡りになってしまうので、やめたほうがいいということを知りました。

ご近所づきあいも大切な車で15

最後にお話しするのは、私が今住んでいる所から車で15分ほど離れた所にあるデイサービスに勤めていた時の話です。私は結婚をしてから、「仕事をするなら家事の妨げにならないような働き方がしたい」と思っていました。家庭を優先したいからです。過去の経験から通勤時間もなるべく短くしたいと思い、近くにあるクリニックやデイサービス、施設などを検討しました。どこも人手不足で、募集はたくさん出ていました。中でも私が気になったのは、車で15分のデイサービス。

お給料は安かったのですが、立地しているところが程よく家との距離も遠からず近からずで良いなと思い、そこで働くことにしました。830分就業でしたので、仕事に行く前に家事を済ませることができました。朝食の片づけ、洗濯、身支度をして家を出るのが8時。15分前には職場に到着。その日の利用者さんの人数チェックや物品チェック、お茶出しの準備などをして利用者さんを迎えます。利用者さんが1530分に帰られた後は後片付けや記録。そして掃除をして1日が終わります。それがだいたい5時半。それから近くのスーパーに買い物に行き、自宅に帰って晩御飯を作る。理想的な形だと思いました。

しかし、ここでも問題がありました。夕方の買い物に行くと、職場の人やデイサービスを利用されている方の家族さんとお会いするのです。初めて務めた病院は、都会ということもあってお店が多く、誰かに会うということはかなり少なかったのですが、さすが田舎。買い物に行く場所が限られていることもあって、よく会うのです。

「会う」ならまだいいのですが、「昨日見かけたよ」などと言われることも多々ありました。そしてそれは私自身だけでなく、車を見たよという話もあるので、困りものです。「○○で見たよ」とか、「○○に行っていたね」とよく言われるのです。自分が知らない間に見かけられているというのは、あまり良い気分のするものではありません。どこで何をしているか、それを他人に知られることが気にならないと思っている方もいるかもしれませんが、私はあまり好きではありません。

「声をかけてくれればいいのに」「手を振ってくれればいいのに」などとよく思いました。上司から「よく目撃情報を聞く」と言われたことがありました。目撃情報という表現もどうかと思うのですが、私を見たからと言って上司に言わなくてもいいじゃないかと思いました。なんだか、それが気持ち悪く感じました。それからは、近所に仕事に行くのはいいけど、なるべく誰にも会わないところに買い物に行ったほうがいいのかなと思うようになり、買い物するところを選ぶようになりました。そして、出かけるときには知り合いの車を意識するようになり、あまり用のないところには近づかないようにしようと思うようになりました。

結局、近所では買い物をしなくなり、遊びに行くのは少し自宅や職場から離れた所、というように生活スタイルが変化してしまいました。近くだからと思って選んだ職場でしたが、結局他の生活圏を変更することになってしまい、何をしていることやら・・・という風になってしまいました。

いろんな通勤方法と通勤時間を経験してみて

私が経験してきた、4つの通勤についてお話しさせていただきました。なかなかどれも一長一短がある通勤でした。私の場合は、田舎ということもあって車通勤が基本です。車通勤では長距離運転にならないようにすることをお勧めします。特に夜勤などがある場合はお勧めしません。ただでさえ、ドライバーの一生のうちの事故遭遇率は48%。そういった中、頭がさえない状態での運転は、余計に事故遭遇率を上げることにつながりかねません。また、長距離の通勤が幸福感を下げるといった調査結果は本当だと思います。なぜなら、独りで考える時間が増えるためです。車にせよ電車にせよ、一人で移動をする時間が増えると、考え込む時間が増えてしまいます。

朝の気分と夕方の気分を想像してみると、朝はこれから仕事に向かうという前向きな気持ちであるのに対し、夕方は肉体的・精神的な疲れとともに一日が終わったという気持ちにあります。その中で一人で考え事をすると、だいたいネガティブな方向に考えがちになるようです。だからと言って、近すぎるとプライベートが無くなってしまうということにもなりまねませんので、程よい距離感は大切だと思います。そういったことから、通勤の距離と通勤手段はある程度譲れない転職ポイントになると思います。

まとめ

はじめは「大丈夫そう」と思っていても、実際に毎日通勤してみると思っている以上に苦痛にならないとも限らないからです。以上を考えていくと、自分に合った通勤手段と通勤時間が見えてくるのではないでしょうか。通勤を快適にして、仕事そしてプライベートを充実させた毎日が遅れることが理想ですね。

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