看護師が受ける研修の種類と研修を受けるとき5つの注意点

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看護師として働いていると、多くの研修に参加する機会があると思います。新人の頃は、病院内で新人教育として院内研修に参加することが多く、経験を積むごとに病院外の研修に参加する機会が多くなるのではないでしょうか。

新人研修ではどのようなことを学ぶことができるのか、研修に参加するときの注意点などについて紹介します。今後、研修を企画するときや研修に参加するときの参考にしてくださいね。

【院内研修~新人教育~】

新人の頃は、新人教育御担当者が院内の教育プランに沿って、新人研修を企画します。1か月に1回は研修に参加する機会があるのではないでしょうか。規模が大きな病院の場合、院内で新人教育が企画されますが、規模が小さな病院の場合、看護協会等が主催する新人教区研修に関する必要があります。どのような研修に参加する必要があるのか見ていきましょう。

安全管理

医療従事者の一人として病院や医療施設に勤務している場合、安全管理を徹底する必要があります。患者さんの安全や自分自身の安全を守らなければなりません。しかし、実際に何かが生じてから安全管理の必要性を学ぶのでは遅いですよね。そのため、事前に事例や過去のトラブルなどをもとに、安全管理とは何かということを学ぶ必要があります。

よく使用されるのは、ヒヤリハット事例を検討するイラストや写真ではないでしょうか。イラストや写真の中に普段看護師として働いている中でよくある人場面が描かれており、そのイラストや写真の中で「どのようなことがどんなふうにヒヤリハットやアクシデントにつながるのか」ということを検討することで、同じ状況となることを防ぐことができます。

また、事例の中で描かれていることと同じ状況を作らないように、十分で考えて行動することができるようになるのではないでしょうか。

また、過去に起きたヒヤリハットやアクシデントは各病院でデータ化されています。その中で、特に新人看護師に多い事例や、大きなトラブルの元となった事例、注意すれば防ぐことができた事例などをピックアップし、研修の時の事例として使用される場合も多いです。

さらに、安全管理を適切に行うことを目的として、最近は「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」を、安全管理研修の中に取り入れている病院もあります。

接遇

最近、接遇面の重要性がテレビ等でも紹介されることが多いですが、看護師も接遇面には気を付けなければなりません。看護師の場合、特にあいさつや身だしなみ、言葉遣い、表情などの基本的なことが重要視されるのではないでしょうか。研修の中で「いい例」と「悪い例」を紹介し、「いい例」を身に着け、普段から実践できるようにすることが目標となります。しかし、1回の研修に参加しただけでは身につかない場合もあるため、病棟や所属部署でチェックリストを使用し、定期的にチェックする必要もあります。

最近はあいさつや身だしなみなど以外にも、電話の取り方やお辞儀の角度、表情の作り方などの細かいところまで徹底して指導する病院も増えてきています。中には、マナー講師の方に研修で指導していただき、病院全体のマナー向上に力を入れている病院もあるようです。

病院全体で接遇について取り組むことで、患者さんとの信頼関係を築くことができますし、病院の評価の向上にもつながりますので、接遇に関する研修は実施したほうがいいでしょう。

フィジカルアセスメント

患者さんの全身状態を確認する際、バイタルサインの測定だけでは十分な把握を行うことができません。対象の患者さんの状態をしっかりと把握するためには、「フィジカルアセスメント」を行うことが大切です。

フィジカルアセスメントとは、「問診」「視診」「触診」「聴診」「打診」の5つの診察によって行われるもので、患者さんが現在どのような状態にあるのかということを判断することができます。医師が行うフィジカルアセスメントの場合は「診断を付ける」ことが目的となりますが、看護師の行うフィジカルアセスメントは「何をすべきか考え行動する」ことが目的となります。

フィジカルアセスメントは学生時代に学校で習いますし、普段患者さんとかかわる中でフィジカルアセスメントを行う機会は多々あります。しかし、新人看護師の中には先輩看護師が行っている様子を真似しているだけで、適切な方法や確認後の対処法が曖昧なままとなっている方もいるのではないでしょうか。

新人研修の中でフィジカルアセスメントを行うことで、自分が正しくフィジカルアセスメントを行うことができているのか確認することができます。また、自分の理解が不十分であると感じた場合、先輩看護師から直接指導を受けるきっかけとなるのではないでしょうか。病院によってはさらに看護師の理解が深まるように、フィジカルアセスメント専用のシミュレーターを使用しているところもあります。

新人研修の中でフィジカルアセスメント研修を行うことで、幅広い視野を持って患者さんに適切な看護を提供することができるようになるのではないでしょうか。

感染防止対策

どのようなケアや医療行為を行うときも、感染予防対策を行うことは非常に大切ですよね。清潔操作が大切な場面が多いですし、患者さんの中には何か感染症を持っている方もいます。自分を守るためにも、他の患者さんを守るためにも、感染防止対策を行うことは重要です。

もちろん、学生時代に感染防止対策について学ぶ機会はありますし、普段から手洗いやアルコール消毒を行っています。しかし、中には正しい方法で行えていない場合や、間違った方法で覚えてしまっている場合などもあり、注意が必要です。

感染防止対策の研修では、手洗いやアルコール消毒、マスクの着用などの初歩的なことから、どの菌にはどんな対策が有効かといった専門的なことまで学ぶことができます。また、病院によっては、しっかり手洗いを行うことができているかということや洗い残しやすい部分がどこかを確認するために、専用の機械を使用しているところもあるのではないでしょうか。

新人看護師のうちに正しい感染予防対策を身に着けることで、患者さんも自分も守ることができますよね。

【日本看護協会が主催の研修】

病院外で行われている研修は数多くあります。さまざまな会社が研修を企画していますが、日本看護協会が主催している研修が最も身近ではないでしょうか。日本看護協会ではどのような研修が行われているのか、一部だけですが簡単に見ていきましょう。

※すでに研修が終了しているものや、受付終了となっているものもあります。

・災害ナースの第一歩(神戸研修センター)

災害医療の基礎知識や災害時に求められる看護支援活動、災害支援ナースとしての活動の実際などを学ぶことができます。

https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1496733921&cd=2017208

・事例から学ぶ一般病院での認知症ケア(インターネット配信研修)

超高齢社会で増加し続ける認知症患者に対する理解を深め、一般病院で適切な認知症ケアを行うための知識を習得することが目的です。一般病院における認知症ケアの現状と課題や、入院時における認知症ケアの実際について学びます。

https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1496734284&cd=2017106

・病棟看護職が担う精神障害者の退院支援・調整(神戸研修センター)

精神保健医療福祉の現状と課題や精神科領域で行う退院支援・調整の考え方と進め方などについて学ぶことができます。

https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1496734475&cd=2017219

・がんの骨転移に伴う疼痛アセスメントと緩和ケア(神戸研修センター)

がんの骨転移に伴う疼痛のメカニズムを理解し、事例を通してアセスメント方法と疼痛緩和の看護過程を学ぶことができます。応募要件は「がん緩和ケアに携わる看護職」となっていますので、応募要件を満たしているか確認してください。

https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1496734475&cd=2017220

・認知症を持つ人の排泄アセスメントとケア(神戸研修センター)

認知症を持つ人の排泄にかかわる問題を原因疾患や進行状態からアセスメントし、排泄行動におけるケアのあり方を考えることを目的としています。

https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1496736305&cd=2017232

【外部の研修に参加するときの注意点】

日本看護協会が主催する研修の内容をいくつか紹介しましたが、他にも日本看護協会ではたくさんの研修が企画されています。また、様々な会社が、看護師に向けての研修を企画しており、病院や個人あてに案内が来ることも多いのではないでしょうか。

病院外の研修に参加する場合、いくつか注意・確認しなければならないことがあります。参加する際は、以下のことを確認するようにしてくださいね。

服装に注意

院内で研修に参加する場合、基本的には日勤業務の途中での参加となりますよね。そのため。どの看護師も服装は白衣となっていると思います。しかし、外部の研修に参加する場合、私服での参加となるのです。

基本的には、服装は自由となっていることが多いです。しかし、研修の中には「実技演習あり」となっているものや、「動きやすい服装で」など服装が指定されている場合もあります。このような服装が指定されている研修の場合、ずっと座って研修を聞くだけでなく、実際に体を動かす時間が設定されています。そのため、できればスカートではなくズボンをはいて研修に参加したほうがいいでしょう。また、ヒールやサンダル等の履物は避け、スニーカー等の動きやすい靴を選ぶようにしたほうがいいです。

寒さ・暑さ対策を忘れない

研修は一度に何十人も参加しますし、大きな研修であれば100人以上の参加者が集まることもあります。そのため、空調が十分に効かない状況となってしまうこともあるのです。反対に、空調が効きすぎてしまうこともあります。

羽織るものやストール等のかけるものを持参していれば寒さ対策になりますし、一枚脱ぐことができる服装で参加していれば暑さ対策を行うことができるのではないでしょうか。私が今までに研修に参加したでは、冬は暖房が効きすぎて暑く、夏は冷房が効きすぎて寒いということが多かったです。研修によってはひざ掛けの貸し出しや熱いコーヒーを無料で提供などのサービスを行っている場合もありますが、自分で持参しておいたほうがいいでしょう。暑さ・寒さの対策ができなければ、研修の内容に集中することはできませんよ。

食事が必要か確認

院外の研修の場合、研修時間は研修ごとに異なります。午前中のみで研修が終わる場合や、午後から開始の研修などもありますが、ほとんどの場合が午前中~夕方までの時間となっているのではないでしょうか。

午前中~夕方にかけて行われる研修の場合、昼食が必要か確認しておくようにしましょう。たまに研修の時間を十分に確認せず、昼食を忘れてしまったという方がいます。会場の近くにコンビニやスーパーなどの昼食を購入することができる店があればいいですが、中には近くに何も店がない会場で研修が行われることもあるようです。「近くのレストランで食事をとる」ということは、休憩時間中に研修に戻ることができない可能性が高いため、できれば昼食を持参するようにしましょう。

研修の中には「軽食準備あり」や「食事不要」となっているものもあります。このように研修を主催する側が食事を用意している場合を除き、昼食は持参するようにしてくださいね。

事前にある程度は学習しておく

自分が興味のある分野や理解を深めたい分野の研修に参加すると思います。皆さんは研修に参加する際、事前学習を行っていますか?仕事が忙しく、自己学習をする暇もないという方が多いと思います。しかし、全く知識がない状態」であるよりも、「ある程度自己学習した状態」のほうが、研修で学ぶ内容を理解しやすくなるのです。

研修によっては、事前に課題が出されることがあります。「時間がないから、課題はしなくてもいい」と考えずに、研修までに終わらせるようにしましょう。事前学習をしていることを前提として研修が行われるため、研修のスピードについていくことができない場合があります。

自分のレベルに合った研修に参加する

研修は、すべての看護師を対象として実施されているわけではありません。内容によっては新人看護師向けであったり、ベテラン看護師向けであったり…と、経験年数や知識によって受けるべき研修は異なるのです。

日本看護協会が主催する研修の場合、その研修がクリニカルラダーのどの段階の看護師を対象としているものか表示されているものが多いです。また、研修の参加資格に「看護師長・看護師長に相当する職位以上にあるもの」や「7日間すべての研修に参加できる方」などの条件が提示されていることもあります。自分の知識や技術に合っている研修を選ぶだけでなく、参加資格を満たすことができているのかということも確認してから研修に応募するようにしましょう。

【まとめ】

新人看護師の研修内容や日本看護協会が主催している研修、研修に参加するときの注意点などについて紹介しました。看護師としての勤務が長くなると、その分研修に参加する機会が多くなると思います。様々な研修がありますが、自分の看護師経験や知識・技術に合った研修に参加するようにしてくださいね。

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