いくらもらえる?看護師の初任給と給料が上がる仕組みを解説

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将来看護師として働くために、現在看護大学や看護専門学校で多くのことを学ばれている方は多いのではないでしょうか。すでに臨床実習に参加している方は、看護師が病院でどのような仕事をしているか見て、「自分もこのように働くことができるのか」と不安に感じることもあるかもしれません。

看護師としての仕事内容や勤務体制など多くのことが気になると思いますが、1番気になるのは給料面ではないでしょうか。特に新人看護師の場合、初任給の金額が気になると思います。

看護師の初任給はどれくらいなのか、最初のボーナスはいくらぐらいもらうことができるのかなど、看護師の給料事情についてみていきましょう。

看護師の初任給

看護師の給料と言えば、一般的には高いというイメージがありますよね。私も初任給を頂いた際、看護師以外の職に就いている友人から、「看護師だから初任給たくさんあったんでしょ?」と言われました。皆さんは看護師の初任給がどれくらいだと思いますか?

日本看護協会が公開しているデータによると、高卒+3年過程の新卒看護師の基本給与額の平均は197,689円(税込み給与総額の平均は272,047円)、大卒の新卒看護師の基本給与額の平均は204,683円(税込み給与総額の平均は270,201円)ということが分かりました。

出典:日本看護協会 労働環境の整備の推進

看護師の基本給だけを見ても、多いのか少ないかの判断はできませんので、新卒社会人全体の初任給の平均についてみていきましょう。一般財団法人労務行政研究所が2016年4月に公開したデータによると、2016年度の初任給の水準は、大学卒21万313円、大学院卒修士22万7505円、短大卒17万7822円、高校卒16万3894円となっています。

出典:「2016年度 新入社員の初任給調査」  1ページ目

看護師の平均と新卒社会人全体の平均に大きな差がないことが分かりますよね。看護師だからと言って、初任給からたくさん給料を頂くことができるのではないようです。

看護師の給料水準は病院の規模などによっても異なりますが、設置主体別でも給料の水準は異なります。高卒+3年過程の新卒看護師・大卒の新卒看護師ともに基本給が多いのは私立学校法人となっています。

出典:日本看護協会 労働環境の整備の促進

初任給から多くの給料をもらいたいと考えている方は、病院の設置主体まで確認しておくといいかもしれませんね。看護師の初任給は、新卒者の初任給の平均額と同じ程度ですので、看護師だからと言ってあまり期待しないほうがいいでしょう。

10年ほど前に私が頂いた初任給は手取りで約18万円でした。平均よりも低いですが、平均額は全国47都道府県の平均です。東京などの都心は物価が高いので給料も高く、反対に地方は物価が低いので給料も低くなっています。私の初任給は全国平均よりも低いですが、私の住んでいる地域では平均的のようです。

看護師の給料が増えていく仕組み

看護師の給料は高いというイメージが広まっていますが、初任給からたくさんもらうことができるわけでないということを先ほど記載しました。では、看護師の給料はどのようにしてあがっていくのでしょうか。

年に1回、基本給がアップする

多くの会社も同じだと思いますが、看護師の給料は毎年基本給が少しずつ上がっていきます。病院ごとに給与規定があり、規定に沿って基本給が上がっていくのです。病院によっては年2回、基本給が上がるところもあります。

病院の多くは、ボーナスの金額は「基本給×○か月分」となっています。そのため、基本給が上がると同時に、ボーナスの金額もアップします。また、毎月の基本給やボーナスの金額が上がると、当然ですが年収も上がりますよね。

ある程度の勤続年数に達するまでは基本給が上がりますので、毎年少しずつ年収がアップします。昇給額は病院によって異なりますが、3000~5000円程度のところが多いです。しかし、個人の病院や規模の小さい病院の場合、昇給のシステムがないところもあります。

夜勤手当がつく

新人の時は日勤業務ばかりを行い、看護師としての仕事に慣れていかなければなりません。しかし、入院患者さんの対応を行う必要のある病院に常勤看護師として勤務をしている場合、夜勤業務を行う必要があります。夜勤を行うことは日勤以上に大変かもしれませんが、夜勤を行った日数分の夜勤手当を頂くことができるのです。

2015年度の夜勤実態調査によると、3交替勤務を行っている場合の平均夜勤日数は7.60日、2交替勤務を行っている場合の平均夜勤日数は4.09回ということが分かりました。

出典:2015年度 夜勤実態調査 10ページ目 11ページ目

また、2013年に行われた調査によると、夜勤手当の平均金額は三交替制準夜勤3,812円、三交替制深夜勤4,635円、二交替制夜勤10,119円となっています。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書 87ページ

これらの調査結果より、夜勤手当の月額は3交替制勤務の場合7.60日×3,812円(すべて準夜勤として計算)=28,971.2円、2交替制勤務の場合4.09回×10,119円=41,386.71円となります。基本給に加えて夜勤手当がつきますので、夜勤の回数が増えるほど給料はアップします。月の夜勤回数の上限が設けられていない精神科やICUなどで勤務を行うと、他の看護師よりも多い給料をもらうことができるかもしれません。

残業手当がつく

看護師の仕事は非常に忙しく、定時で帰ることのできる日は少ないです。もともと予定されている入院や処置だけでなく、緊急入院や急変、ステルベンなどの予定にない出来事もたくさん生じます。2013年に行われた調査によると、日勤就業時間後に残業を60分以上行っている看護師は全体の4割以上いるということが分かりました。

出典:看護師の労働実態調査 報告書 37ページ目

毎日たくさん残業をしている現状が分かりますよね。病院は当然、残業時間に対して残業手当を支払う必要がありますので、残業時間が長いほど給料がアップします。しかし、看護師の約3分の2が残業手当の不払いがあるという調査結果もありますので、就職する病院の残業手当の支給状況を確認しておきましょう。

私が以前勤務していた市民病院は、パソコンに個人で残業時間を入力するというシステムでした。残業時間の入力を行うことのできるパソコンは1台しかなく、しかもそのパソコンの前に常に病棟師長が座っており、残業時間の入力はほとんどさせてもらえませんでした。毎日日勤終了後に1~2時間、夜勤終了後に1時間程度の残業を行っていましたが、残業時間の入力を行うことができたのは月に10時間以下だったと思います。当然、給料にはあまり反映されませんでした。規模の大きな市民病院でも残業代すべてが支払われることがなかったので、規模が大きい病院=残業代を確実にもらうことができる、と考えないようにしておいたほうがいいですよ。

最初のボーナスはいくら?

毎月もらうことのできる給料が楽しみだと思いますが、給料よりも大きな金額をもらうことのできる日があります。年2回のボーナスです。社会人経験のない方も、ボーナスというシステムの名前を知っていますよね。ボーナスとは、通常の賃金以外に特別支給される現金給付のことで、賞与と呼ばれることもあります。勤務先の業績に応じて金額は異なりますが、年二回(夏・冬)に支給を行っている会社が多いようです。中には夏・冬以外に春にも支給があり、年3回ボーナスを受け取ることのできる会社もあるようです。もちろん、多くの病院でもボーナスの支給が行われています。

2013年に日本看護協会が行った調査によると、正規職員(産休、育児・介護など休業中を除く)について、2012年度の賞与総額は、平均998,271円で、「80~100万円未満」が19.0%で最も多く、次いで、「100~120万円未満」14.7%、「60~80万円未満」14.5%であったということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 152ページ目

看護師のボーナスの金額だけを見ても多いのか少ないのかの判断をすることは難しいので、待遇がいいといわれている公務員のボーナス支給額と比較してみましょう。

給料.Comが行った調査によると、6月期のボーナスの平均支給額は約61.99万円、12月期のボーナスの平均支給額は約65.86万円で、2015年の平均支給額は約127,85万円ということが分かりました。

出典:給料.com 国家公務員のボーナスを知る(2015年)

看護師のボーナスの支給額は公務員よりは少ないですが、比較的多いのではないでしょうか。

この結果を見ると、看護師になって初めて支給されるボーナスが非常に楽しみですよね。最初のボーナスを頂くまでに、旅行や大きな買い物の計画を立てている人もいるかもしれません。

しかし、実際に買い物をするのは待ってください。看護師のボーナスの平均支給額のデータは、全看護師の平均です。新卒看護師の平均ではありません。4月に就職して最初にいただくボーナスの支給額は、先ほど記載した平均額よりもずっと低いのです。

多くの会社では、ボーナスの支給の際に「賞与の査定期間(対象期間)」という、賞与の支給額を決めるための査定期間が設けられています。この査定期間の勤務態度や出勤日数、企業の業績などを評価し、ボーナスの支給額が決められるのです。

病院に勤務する看護師も、賞与の査定期間が設けられている場合が多いです。1年に2回ボーナスが支給されるのであれば、査定期間も年2回あります。例えば7月と12月にボーナスが支給される場合、それぞれの査定期間は10~3月と4~9月に設定されているところが多いようです。この査定期間を見ると、4月から看護師として病院に勤務を始めた看護師の場合、7月のボーナスの査定期間に勤務を行っていません。新卒看護師は、7月にボーナスをもらうことができないのでしょうか。

7月のボーナスの査定期間に勤務を行っていませんので、ボーナスを満額支給されることはありません。しかし、寸志程度のボーナスを支給しているところが多くあります。新卒看護師に支給される7月のボーナスの支給額は、病院によって大きく異なります。1~3万円程度の支給だったところもあれば、基本給の1か月分の支給だったというところもあるようです。私の1年目の夏のボーナス(6月支給)の金額は、手取りで95,000円でした。先輩看護師から「最初のボーナスは本当に少なかった」と聞いていたので期待していませんでしたが、意外と多くいただくことができてうれしかったのを覚えています。

夏のボーナスに関しては査定期間に勤務をしていませんのでボーナスの支給金額は少ないですが、冬のボーナスに関しては査定期間に勤務を行っているので、満額支給されるようになります。最初のボーナスはいくら支給されるのかはわかりませんので、冬のボーナスの時に大きな買い物や旅行の計画を立てたほうがいいかもしれません。

査定期間中に規定されている日数以上の休みを取ったり、勤務態度が良くないと判断されると、ボーナスの減額対象となることもあります。体調管理をしっかり行い、仕事はまじめに取り組むようにしてくださいね。

2年目は1年目より給料が減る?

看護師となって最初の頃は、基本給や初任給調整金などしか給料としてもらうことができません。しかし、夜勤をこなすようになると、行った夜勤の回数だけ給料が増えます。また、残業を行って仕事をしていると、残業代が支給されることもあります。そのため、少しずつではありますが、給料は上がっていくこととなるのです。

1年目から2年目になる頃に、基本給の金額がアップする病院が多くあります。基本給が少しでもアップするということは、1年目より2年目のほうが給料は増えると思いますよね。しかし、1年目と比較して2年目のほうが給料が下がる可能性があるということをご存知ですか?

私たちは働いていると、給料をもらうだけではなく税金を納める必要があります。税金の一つに「住民税」というものがあることをご存知ですか?住民税とは、都道府県が住民に課税する都道府県民税と、市町村が住民に課税する市町村民税を合わせているもので、地方自治体による教育や福祉、防災、ごみ処理などの行政サービスを行うための資金確保を目的としています。所得税は毎月の給料から天引きで源泉徴収されているため、年内に払い終わることとなります。しかし、住民税は前年の収入(1月から12月までの1年間)に対して支払う必要があるため、前年の収入に対して金額は変わります。

社会人となって1年目は、前年に収入がありませんので、住民税を支払う必要はありません。しかし、社会人2年目になると、1年目の収入(4月~12月)に対して、住民税がかかってきます。2年目の6月から住民税の支払いが開始となるため、この時期に「給料が下がった」と感じる方も多いようです。1年目から2年目になった際に基本給が5000円上がったとします。しかし、住民税が毎月10,000円かかるとなると、2年目の6月の時点で前年より5,000円給料が下がるということになるのです。

私は1年目から2年目になった際に、基本給が8,000円上がっていました。しかし、住民税が9,000円でしたので、1,000円マイナスとなりました。2年目の6月に、少し給料が下がる可能性があるということを覚えておいてくださいね。

まとめ

新人看護師の初任給やボーナスなどの、看護師の金銭面についてまとめました。給料が最初は少ないと感じるかもしれませんが、夜勤や残業を行うことで少しずつ給料は上がります。また、毎年少しずつ昇給しますので、勤務年数が長くなるほど、給料は増えていきますので、頑張って勤務を続けていくようにしましょう。

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