看護師の夜勤種類と夜勤をするときの具体的な仕事内容

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看護師として常勤で勤務をすると、夜勤をしなくてはなりません。看護学生時代に病院で実習を行う機会がたくさんありますが、すべて日勤帯での実習ですよね。看護師の日勤の仕事を見る機会はありますが、夜勤の仕事を見る機会はなかなかありません。学校によっては夜勤実習を行っているところもありますが、夜勤全てを見学するわけではなく、20時までには帰宅となります。そのため、看護師の夜勤内容についてよく知らないまま夜勤を開始することとなるのです。

看護師の夜勤の種類や仕事内容などについてまとめますので、夜勤が開始となるまでの参考にしてくださいね。

看護師の夜勤の種類

看護師の勤務体制には「二交代制勤務」と「三交代制勤務」の2種類があることはご存知ですよね?簡単に言うと、二交代制勤務は準夜勤と深夜勤を続けて勤務することで、三交代制勤務は準夜勤と深夜勤を違う看護師が勤務するというものです。これだけでなく、看護師の夜勤体制にはいくつかの種類がありますので、簡単に紹介します。

夜勤

夜勤とは簡単に言うと、「夜勤帯に看護業務を行うこと」です。シャワー浴や全身清拭などのケアを行うことはほとんどありませんが、それ以外の業務は日勤業務とほとんど変わりません。

基本的には、休憩時間と仮眠時間を除いてずっと看護業務を行います。

当直

夜勤は勤務中に十分な睡眠をとることはできず、仮眠以外はずっと働いていることを言います。一方、十分な仮眠を確保することのできる勤務体制を「当直」というのです。当直の仕事内容は定期的な巡回や非常時の備えての待機が主で、労働基準法では当直をしている時間は労働時間とみなされません。

看護師に当直体制が取り入れられている部署には救急外来や手術室、検査室、介護老人保健施設などがあります。

オンコール

先ほど記載した当直は、緊急時に備えて病院内で待機する勤務形態を言いますが、オンコールとは緊急時に備えて自宅で待機する勤務形態を言います。待機場所が自宅ですので、何もなければ普段通り、自宅で過ごすことができます。しかし、病院から呼び出しがあればすぐに病院に出勤しなければなりません。いつ呼び出しがあるかはわからないため、気が休まらないと感じる方が多くいます。呼び出しがなかった場合は、基本的に給料は発生しませんが、病院によっては待機手当が支給されるところもあるようです。呼び出しがあり勤務を行った場合は、時間外勤務として手当が支給されます。

オンコール体制が取り入れられている部署には、手術室や検査室、訪問看護ステーションなどがあります。

夜勤の72時間ルール

夜勤をたくさん行うと夜勤手当がたくさんつき、給料がアップします。しかし、ひと月に行うことのできる夜勤の回数に上限が設けられているということをご存知でしょうか。入院基本料の算定ルールの1つに「看護職員の月平均夜勤時間72時間以内」という72時間ルールがあるのです。

72時間以内ということですので、三交代制勤務(勤務時間9時間)の場合は一か月に8回、二交代制勤務(勤務時間16時間)の場合は一か月に4.5回しか夜勤をすることができません。しかし、このルールを守ることのできていない病院はたくさんあります。2013年に行われた調査によると、三交代の平均夜勤回数は8.12回、二交代の平均夜勤回数は4.58回であり、年々増加しているということが分かりました。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 69ページ目

二交代制、三交代制ともに72時間ルールを守ることができていないことが分かりますよね。私自身、三交代制勤務も二交代制勤務の両方を経験しましたが、どちらも基準より多くの夜勤を行っており、72時間ルールというものを知りませんでした。

72時間ルールはすべての看護師に適応されるのではなく、夜勤専従看護師(日勤業務は行わずに夜勤業務のみを行う)や「集中治療系(ICU、NICU、HCU、救命救急センター)、精神科、回復期リハビリテーション病棟などは例外で、72時間を超えて夜勤をすることが可能です。

また、看護師の夜勤には以下のような基準もあります。

  • 夜勤回数:3交代制勤務では月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務では労働時間に応じた回数とする
  • 連続の夜勤回数:2連続(2回)までとする
  • 休息時間:夜勤の途中で1時間以上、日勤時は就労時間の長さと労働負荷に応じた時間数を確保する
  • 夜勤時の仮眠:夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する
  • 夜勤後の休息:1回の夜勤後は概ね24時間以上、2回連続夜勤の2回目の夜勤後には概ね48時間以上を確保する

出典:「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」の夜勤・交代制勤務の勤務編成の基準案(2012年3月版)について 3ページ目

多くの基準がありますが、なかなかすべてを満たしている病院はないかもしれません。仮眠の時間も設けられているとは思いますが、全く仮眠をとることができないということもよくあります。

透析室や外来勤務の場合は夜勤をしなくてもいい?

病棟で勤務している看護師の場合、月に何度かは夜勤を行う必要があります。では、透析室や検査室で勤務する看護師の場合、夜勤を行う必要がないのでしょうか。

夜勤帯に患者さんが利用しない部門で勤務している看護師の場合でも、正規雇用であれば夜勤を行わなければなりません。透析室や検査室で勤務をしている看護師は、自分の所属している部署以外で夜勤業務を行うのです。しかし、透析室勤務の看護師が急に病棟での夜勤を行うことは難しいですよね。そのため、救急外来で夜勤業務を行うことが多いのではないでしょうか。また、救急外来で医師の診療の補助や看護を行いながら、急変のあった病棟などに応援に行くということもあるようです。

しかし、中には透析室や検査室で勤務している看護師は、正規雇用だったとしても夜勤の無い場合があります。この場合、当然夜勤手当はつかないため給料はほかの看護師よりも少なくなります。

看護師の夜勤中の仕事

「夜勤は患者さんが寝ているからラク」なんて看護師でない友人から言われることがありますが、夜勤中も看護師は非常に忙しく働きます。病棟に勤務する看護師は主にどのような仕事をしているのか、夜勤の流れに沿ってみていきましょう。

情報収集

夜勤の申し送りを受ける前に、患者さんの情報収集を行います。事前に担当する患者さんが決定している場合は自分が担当する患者さんの情報を、担当する患者さんが決まっていない場合は病棟の患者さん全員の情報収集を行う必要があるため、余裕をもって出勤するようにしましょう。

申し送り

夜勤に入る前に日勤看護師から患者さんの申し送りを受けます。

自分が担当する患者さんだけでなく、病棟に入院しているすべての患者さんの状態を把握しなければなりません。日勤からの申し送りを受けながら、特に観察が必要な患者さんや薬が変更になった患者さんなどの情報をメモし、問題なく夜勤をこなすことができるようにします。情報の取り忘れがないように注意しなければなりません。

また、夜勤終了時は日勤者に対して患者さんの夜間の状態や、日勤から継続して観察していることについてなどの申し送りを行います。

患者さんの食事介助

食事は配膳車に乗って病棟に運ばれますが、患者さん個人のところまでは栄養価は配膳してくれませんよね。日勤であれば看護師の人数が多いのであまり大変に感じないかもしれませんが、夜勤は2~4名程度の看護師で全患者さんの食事を配膳しなければなりません。また、食事介助が必要な患者さんもたくさんいます。食事介助が必要な患者さんがたくさんいる場合、看護師一人で何人もの食事介助を行わなければなりません。この間にもナースコールはなりますので、非常に忙しいと思います。

薬の管理

入院患者さんの多くは、食前や食後に薬を内服する必要があります。自分で薬の管理のできる方ばかりなら問題ありませんが、患者さんの中には自分で薬の管理を行うことが難しい方もいます。看護師は、薬の管理を自分で行うことが難しい患者さんに対し、薬の管理や内服の介助を行い、確実に薬の摂取ができているかを確認するのです。

老健などの高齢者が多くいる病院の場合、看護師が一人で患者さん全員分の薬を管理しなければならないこともあります。また、解熱鎮痛剤や緩下剤などの頓服薬も看護師が管理を行うため、定期内服以外にもたくさんの薬を管理・内服介助をしなければなりません。違う患者さんの薬を間違って内服させるわけにはいきませんので、非常に神経を使います。

また、眠剤の処方のある患者さんに対しては消灯までに内服介助を行い、夜間はしっかり睡眠をとることができるようにすることも大切です。

検温

検温が必要な患者さんに対して検温を行います。術後の患者さんや状態の不安定な患者さんなど、特にバイタルサインの確認をしておきたい患者さんをピックアップし、効率よく検温を行っていかなければなりません。患者さん全員の検温を行うことは時間的に難しいため、しっかりアセスメントする必要があります。

点滴の管理

入院中の患者さんは、抗生剤やビタミン剤、栄養剤の点滴を行っていることが多いですが、医師からの指示で投与する時間や滴下速度、投与する順番などが決められています。看護師は医師の指示通りに点滴を実施できるよう、管理しなければなりません。

抗生剤の点滴は「朝・夕」としか指示がなく時間指定がない場合があります。時間指定のない場合は、検温の時に点滴を行うことが多いですが、時間指定のある場合は指定された時間につなぎ、指定された時間に終わるように調整します。

ナースコールの対応

患者さんは、看護師に用事があるときにナースコールを押し、看護師を呼びます。ナースコールの内容は患者さんによって様々ですが、消灯までの時間はナースコールが鳴りやむことはありません。日勤帯の場合、多くの看護師でナースコールの対応を行います。しかし、夜勤では限られた人数の看護師しかいませんので、看護師全員が協力しながらナースコールの対応を行わなければなりません。検温や点滴の管理と並行してナースコールの対応を行わなければなりませんので、走り回ることも多いです。時には看護師の人数以上のナースコールが同時に鳴っていることもあります。

排泄ケア・トイレ介助

当然ですが、排泄ケアやトイレ介助も行う必要があります。高齢者の多い病棟の場合、オムツを使用している患者さんが大勢いるため、一人で何人もの患者さんのオムツを交換しなければなりません。また、車いすを利用してトイレに行く方へは車いす~トイレ~ベッドへの移動の介助を、尿器を使用している患者さんにはセッティングから片付けまでの介助を行います。

看護師一人で何人もの排泄ケアやトイレ介助を行うことが多いため、腰痛に悩まされることもあります。また、素早く丁寧にこれらの介助を行わなければ患者さんに迷惑が掛かり他の業務に支障をきたしますので、夜勤に入るまでにこれらの介助をスムーズに行えるようになっておいたほうがいいでしょう。

自分で尿意や便意を訴えることが難しい患者さんに関しては、看護師が定期的にオムツの確認を行います。

ラウンド

消灯を行い患者さんが就寝すると、ナースコールの数は減ります。しかし、就寝中に患者さんの状況が変化することもありますので、懐中電灯をもって各部屋を見回る必要があるのです。病院によって異なりますが、最低でも1時間~1時間30分毎にラウンドをするよう決められているところが多いのではないでしょうか。

単に患者さんが寝ているかどうかを確認するだけではありません。呼吸状態や表情などを観察するとともに、点滴や膀胱留置カテーテルなどを確認することも大切です。

術後の患者さんや状態の安定しない患者さんの場合は、軽症な患者さんよりも観察項目は多くなりますし、ラウンドの回数も多くなります。「寝ているから大丈夫だろう」と考えていると患者さんの状態の変化に気付くことができませんので、常に細心の注意を払うことが大切です。

朝の検温・採血

朝は6時頃に起床となりますが、必要な患者さんに関しては検温を実施します。また、医師から採血の指示が出ている場合、患者さんが起床してから順番に採血を行います。急性期の病棟の場合、連休明けや術後の患者さんが多いと看護師一人で10人以上の患者さんに対して採血を行うこともあるので、夜勤に入るまでに自信をもって採血ができるようになりましょう。

採血は医師の指示で行いますが、採血の検査項目によっては食事に影響を受けるものもあります。そのため、原則として朝食が配膳されるまでに採血を終えておいたほうがいいでしょう。中には時間指示のある採血もありますので、忘れないようにしなければなりません。

行う可能性のある仕事

先ほど、病棟看護師が夜勤中に行うおもな仕事内容について記載しました。しかし、先ほど記載した仕事だけではありません。イレギュラーな仕事を行うこともよくあるのです。どのような仕事を行う可能性があるのか、いくつか紹介します。

急変時の対応

看護師の人数が少ない時でも、患者さんの状態が急変することがあります。検温・点滴の管理・ナースコールの対応・物品の片づけ・食事介助・服薬介助などの多くの業務を行いながら対応を行うため、看護師全員の協力が必要です。患者さんに対してだけでなく、患者さんの家族への対応も必要となります。

時に、看護師がしっかりと対応を行っても、患者さんがなくなってしまうこともあります。その時は、様々な業務と並行してエンゼルケア(死後の処置)も行う必要があります。

認知症患者さんの対応

高齢化が進むにつれて患者さんの年齢層も高くなっており、比例して認知症の患者さんも多くなっています。軽度の認知症の患者さんであれば問題ありませんが、中には重度の認知症の患者さんが入院することもあるのです。点滴や膀胱留置カテーテルなどを自分で引き抜いたり、一人で歩いて転倒したり、異食行動をとったり…と事故が発生することもあります。不可抗力の事故が起こったとしても看護師の観察不足となるため、どんなに忙しくても注意しておく必要があるのです。

夜勤では人手が少ないため、常に患者さんに付きっきりとなることはできません。そのため、離床センサーの使用や、時には患者さんを車いすに乗せて一緒に検温に回るなんてこともあります。

特に新卒看護師の場合、重症患者さんの担当を付けることはできませんので、認知症患者さんの担当となることが多いでしょう。

緊急入院の対応

多くの場合、夜間の緊急入院は救急病棟が受け入れます。しかし、救急病棟が満床の場合などは、いきなり病棟で入院を受け入れることもあるのです。医師の指示のもと必要な処置や医師の介助を行い、本人や家族にアナムネ聴取を行います。ほかの業務と並行しながらですので、普段よりもあわただしくなるかもしれません。

私はいつも、夜勤に入るときに救急病棟やICUの空床があるかどうか確認を行っていました。もし空床がなければ、他の病棟の空床の状況を確認し、自分の病棟に緊急入院があるかどうか予想していました。

手術出し・手術迎え

基本的に手術は日勤帯で終了できるように組まれています。しかし、時間通りに手術が終了しないことや前の手術が長引いていること、もともと長時間の手術であるなどの理由から、日勤帯に手術が終了していないことがあります。また、患者さんの症状が変化し、急に手術が必要となることもあるのです。

このような場合、夜勤の看護師で手術出しや手術迎えを行います。術直の患者さんの場合、頻回なバイタルサインの測定が必要となるため、他の看護師と協力しながら業務を行わなければなりません。

まとめ

看護師の夜勤の実際についてまとめました。文章にすると簡単そうに感じる夜勤ですが、実際はとても大変です。休憩や仮眠をとることができず、一晩中走り回るということもあります。また、夜勤明けで疲れ切っていても、夕方に病棟会や勉強会があれば参加しなければなりませんし、夜勤明けの次の日に日勤となることもあるのです。

日勤とは仕事内容や働き方が異なるため、慣れるのに時間がかかるかもしれません。体調管理をしっかり行い、夜勤に入るようにしましょう。

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