看護師の平均収入と収入を少しでも上げるためにできること

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皆さんは看護師としての収入に満足していますか?一般的には収入が多い部類に入る看護師ですが、仕事の内容や量、忙しさなどから「仕事と収入が見合っていない」と感じることがあるのではないでしょうか。

看護師の収入の平均や看護師として働きながら収入を増やす方法について解説します。少しでも自分が希望する収入を得るために、参考にしてくださいね。

看護師の平均収入

まず、看護師の平均収入についてみていきましょう。2013年に日本看護協会が行った調査によると、フルタイム勤務の正規職員の看護師について、非管理職の2013年1月支給分の賃金額の平均は、給与総月額35万2,157円、基本給月額25万4,583円(平均年齢36.1歳)ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 8ページ目

また、同じ調査で行政区分別に集計した結果も掲載されていますが、最も給与総月額の平均が多かったのは「特別区(東京23区)」で388,093円となっており、行政区分によっても収入は変化するということが分かります。看護師の給料だけを見ても、看護師以外の職種と比較して多いのか少ないのかを判断することはできませんので、看護師と全給与所得者の年収で比較してみましょう。

まず、看護師の年収についてです。フルタイム勤務の正規職員の看護師について、平成24年分の年収額の平均は、非管理職519万2,417円(平均年齢35.0歳)、中間管理職648万3,444円(平均年齢45.5歳)ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 10ページ目

次に、全給与所得者の平均年収です。平成27年の正規職員の平均年収は男性約539万円、女性約367万円、男女計約485万円ということがわかりました。

出典:国税庁 平成27年分民間給与実態統計調査結果について

この結果を比較すると、看護師の収入は比較的多いということが分かりますよね。しかし、看護師の収入は夜勤を行う回数や残業時間、その他手当で大きく変化します。そのため、勤務先を収入面で選ぼうと考えている方は、しっかりリサーチをしたほうがいいでしょう。

准看護師の平均収入

次に、准看護師の平均収入について紹介します。2013年1月支給分の給与総月額は29万6,319円、基本給月額21万1,819円(平均年齢45.9歳)ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 8ページ目

基本給だけを見ても、正看護師と准看護師とでは約43,000円の差がついています。そのため、1年間で考えると43,000円×12か月=51,6000円の差がつくということです。さらに、ボーナスの支給額は、基本給月額×○か月分という計算をする病院が多いため、正看護師と准看護師の収入額は大きく異なるということが分かります。

准看護師の方の中には、収入アップを目指して正看護師の免許の取得を検討している人がいるかもしれません。しかし、正看護師の免許を取得したとしても、収入がアップしない可能性があるということをご存知でしょうか。じつは、准看護師から正看護師の免許を取得した場合、給料は「正看護師の1年目と同じ給料額」となります。何年も准看護師として活躍していたとしても、それまでの経験はすべてリセットされてしまうのです。そのため、准看護師としての経験が長い人ほど、収入は大きく下がってしまいます。また、定年までの期間が長く残っていれば准看護師の時よりも稼ぐことができるかもしれませんが、定年まであまり期間がない方の場合、収入がアップすることがないまま定年となってしまいます。私が看護師として働いて3年目の時、准看護師として20年ほどの勤務をした後正看護師の免許を取得した方が「1年目」として就職されました。准看護師として約20年も働いて来られた方が、まだ3年目の私より収入が低いと知ってびっくりしたことを覚えています。その方は、「今までのキャリアがすべてなかったことに収入面を考えてなるとは知らなかった」と言っていました。正看護師の免許取得を目指そうと考えている方は、「実際に収入は増えるのか」、「定年までに収入をアップすることができるか」などについてしっかり考えてから、看護師養成学校等に通うようにしましょう。

看護師の初任給

続いて、看護師の初任給についてみていきましょう。2013年に行われた調査によると、新卒看護師の初任給の基本給月額の平均は、「看護3年過程卒」19万6,368円、「看護系大学卒」20万3,262円、「看護系大学院卒」20万7,464円ということがわかりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 13ページ目

この金額を、他の職種についている方の初任給と比較してみましょう。民間調査機関の労務行政研究所が行った調査によると、2017年度入社の東証第1部上場企業228社(回答があった会社のみ)の初任給の水準は、「大学卒」21万868円、「大学院修士」22万8,046円、「短大卒」17万8,927円、「高校卒」16万6,231円ということが分かりました。

出典:2017年度 新入社員の初任給調査 1ページ目

この結果で比較すると、看護師のほうが初任給は少し低く見えるのではないでしょうか。しかし、看護師は新人でも、業務に慣れてきたら夜勤に入りますよね。2交代制勤務の場合、夜勤手当は夜勤一回につき約10,000万円、三交代制勤務の場合、準夜勤は1回につき約4,000円、深夜勤は1回につき約4,600円の手当がつきます。1か月に夜勤を4回行ったと仮定すると、看護師は1か月の収入を約4万円アップすることができます。そのため、夜勤に入るようになると、他の職種で勤務している方よりも多くの給料をもらうことができるようになるのではないでしょうか。

収入を増やす方法

看護師はほかの職種と比較して、ある程度の収入を得ることができます。しかし、も負う少し収入が多いほうがいいと感じている方も多いのではないでしょうか。看護師として働きながら、どのようにすれば収入を増やすことができるのか見ていきましょう。

夜勤回数を増やす

入院患者さんのいる病院で勤務している看護師は、スタッフと交代制で夜勤を行う必要があります。当然、夜勤を行うと基本給以外に夜勤手当を受け取ることができるため、給料を増やすことができますよね。

2012年に行われた調査によると、3交代制勤務の準夜勤の手当額の平均は3,812円、深夜勤の手当額の平均は4,635円、2交代制勤務の夜勤の手当額の平均は10,119円ということが分かりました。2交代制勤務で働いている方の場合、一か月に夜勤を4回したとすれば、夜勤手当だけで40,476円の収入をアップすることができます。夜勤をすればするほど給料は多くなりますので、「夜勤の回数をできればもっと増やしたい」と考える方もいるかもしれません。

しかし、看護師が1か月に行うことのできる夜勤時間数には制限が設けられているということをご存知でしょうか。看護師の負担軽減や7:1看護入院基本料などが理由で、看護師が1か月に行う夜勤の時間数を「72時間以内」に設定しなければならないのです。このルールを守るためには、2交代制勤務の場合4回、3交代制勤務の場合は9回に夜勤回数を抑えなければなりません。回数に制限があれば、収入をアップさせることはできないように思いますよね。

実は、この72時間ルールが適応されない診療科があるのです。救命救急センターやICU、回復期リハビリテーション病棟、認知症治療病棟などは、昼夜を問わずに同じ質の看護を提供しなければなりません。そのため、夜勤の72時間ルールは適応去れないのです。夜勤回数を増やすことで収入アップを目指したい方は、夜勤回数に制限がない病棟で勤務し、夜勤を多めに入れてもらうようにしましょう。

転職を行う

看護師の給料は、多くの場合が病院独自の規定で決められています。そのため、現在勤務している病院よりも給料水準が高い病院へ転職すれば、収入をアップさせることができるのです。比較的規模の大きい市民病院や大学病院の場合、給料水準が高めに設定されていることが多いです。また、個人が経営している病院やクリニックも、給料が高く設定されていることがあります。

「給料が高い病院なんて、自分の住んでいる場所の近くにはない」と思っていませんか?もしかすると、あなたが勤務している病院の近くや住んでいる場所の近くに、給料水準の高い病院があるかもしれませんよ。給料が高い病院を自分で探す場合、病院のホームページやハローワーク等を利用し、自分で数多くある病院の給料を比較していく必要があります。しかし、ホームページ上に記載されている給料は正しくない場合があります。病院見学の際も給料面を確認することがないまま就職となると、実際に勤務が開始となってから「思っていたよりも少ない…」となってしまうこともあるのです。

確実に給料が高い病院を探したいのであれば、看護師の転職サイトに登録するといいでしょう。自分が希望する給料を担当スタッフに伝えると、その希望額に応じた給料を得ることができる病院を紹介してもらうことができます。また、病院見学の時にスタッフが同行してくれる場合、事前にスタッフに伝えておけば面談時等に「勤務した場合、どのくらいの収入を得ることができるか」ということを確認してくれるため、実際の収入をあらかじめ知ることが可能です。

転職を行うことは大変ですが、収入アップへの一番の近道と言えるのではないでしょうか。確実な収入アップを希望するのであれば、看護師の転職サイトへ登録するようにしましょう。

資格を取得する

日本看護協会が認定している資格に「認定看護師」と「専門看護師」というものがあります。これらについて簡単に説明すると、以下の通りです。

認定看護師

目的:特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかること。

役割:個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を提供する(実践)

   看護実践を通して看護職に対し指導を行う(指導)

   看護職に対しコンサルテーションを行う(相談)

分野:救急ケアや皮膚・排泄ケアなどの21分野。

専門看護師

目的:複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかること。

役割:個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する(実践)

   看護職を含む7ケア提供者に対しコンサルテーションを行う(相談)

   必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う(調整)

   個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる(倫理調整)

   看護職に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす(教育)

   専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う(研究)

分野:がん看護や精神看護など13種類

出典:日本看護協会

これらの資格を取得することで、「資格手当」が支給されることがあるのです。2013年に行われた調査によると、専門看護師手当の平均は12,926円、認定看護師手当の平均は11,006円ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 107ページ目 110ページ目

手当が支給されない場合でも、基本給がアップすることもあるのです。しかし、認定看護師や専門看護師になった場合、夜勤を免除される場合があります。認定看護師手当や専門看護師手当より夜勤手当のほうが金額は大きいですよね。そのため、基本給がアップしたり資格手当がついたとしても、給料が下がってしまう場合が多いです。「資格手当も夜勤手当も両方もらいたい」と考えるのであれば、これらの資格を取得しても夜勤を行う必要のある病院で勤務するようにしましょう。

また、認定看護師の資格を取得するためには半年間の研修に参加する必要がありますし、専門看護師の資格を取得するためには大学院へ進学する必要があります。そのため、勤務を継続することができませんし、研修費や学費などの費用も必要です。場合によっては研修を受けるために引っ越しやウィークリーマンションの契約もしなくてはなりません。資格取得の支援を行っている病院に勤務している方は出費を抑えることができますが、資格取得支援の無い病院に勤務している方の場合、これらの費用が全額自己負担となってしまいます。そのため、資格取得に係る費用>資格取得後の手当となってしまうことも考えられるのです。収入アップだけを考えて資格の取得を目指している方は、実際にかかる費用と資格取得後の収入をしっかり考えるようにしましょう。

まとめ

看護師・准看護師の収入や初任給、収入を増やす方法について紹介しました。収入を上げるということはなかなか難しいかもしれませんが、現在の勤務先の収入と仕事内容があっていないと感じる場合や、もう少し収入を増やしたいと考えている場合、部署異動や転職、資格の取得などを検討してみてはいかがでしょうか。

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