看護師が激務と言われる理由〜日勤編と夜勤編を詳しく解説

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看護師の仕事と言えば、一般的に「激務」と言われることが多いのではないでしょうか。私自身、看護師になるまでは親や友達から「看護師の仕事は激務だから、頑張ってね」と言われることが多くありました。実際に勤務してみると激務だったのですが、なぜ看護師の仕事は激務と言われているのでしょうか。

看護師の仕事が激務と言われる理由についてみていきましょう。

激務の看護師~日勤編~

日勤帯の看護師の激務な仕事についてみていきましょう。

ナースコールの対応

病棟で勤務している看護師の場合、ナースコールの対応が大変で「激務」と感じている方は多いのではないでしょうか。ナースコールといえば、患者さんが看護師に用事があるときや、何問題が生じたときなどに看護師を呼び出すために使用されるものです。患者さんにとって必要不可欠なものですが、このナースコールに悩まされている看護師も少なくありません。

日中はほとんどの患者さんが起きているため、ナースコールの使用頻度は高くなります。しかし、時間帯によってはひっきりなしにナースコールがなり続けているという状況も発生しているのです。時には、ナースコールがなって患者名を確認すると、5人同時に鳴っているなんてこともあります。また、患者さんの中にはナースコールの対応が少しでも遅れると「何をやっているんだ!」と怒鳴るような方までいますよね。

分刻みで多くの業務を同時に行っている看護師にとって、ナースコールの対応はほかの業務を圧迫する原因となっていることが多いです。そのため、ナースコールの対応が「激務」と感じる原因となっているのではないでしょうか。

ケアの多さ

患者さんの状態によっては、洗面や清拭、シャワー介助、髭剃り、口腔ケア、着替えなどの日常生活に欠かすことのできないケアに介助を必要とする人がいますよね。特に高齢者の多い病棟の場合、これらのケアを行う回数は非常に多くなります。また若い患者さんでも、術後でシャワーを浴びることのできない状態の場合、看護師が介助しながら清拭等のケアを行うこともあります。

受け持ちの患者さんがケアを必要とする方ばかりであった場合、時には陰部洗浄5人、全身清拭3人、洗髪1人、髭剃り全員、など、多くのケアをこなす必要があります。すべての患者さんに適切な方法でケアを行う必要がありますし、どのケアも手を抜くことはできませんのでどうしても時間がかかってしまいますよね。

ケアを行うことが必要ということが分かっていたとしても、看護師一人で行うケアの数が多くなってしまうと「激務」と感じる原因となってしまいますよね。

医師から急に出される指示

皆さんはその日自分が担当する患者さんのケアや検査などの予定を見て、あらかじめある程度の予定を立てて仕事をしているのではないでしょうか。「Aさんの手術出しの前にBさんの全身清拭をして…」など、分刻みで予定を立てていると思います。

しかし、急に医師が病棟にきて、「今すぐにこの処置を行うから介助をしてほしい」や、「採血と点滴を今すぐ行ってほしい」など、急いで行う必要のある指示をその場で出すこともありますよね。すべてが患者さんに必要なものであるということを理解していたとしても、急に医師が処置や検査を指示すると、あらかじめ立てておいた予定は大幅に狂ってしまいます。だでさえ時間をやりくりして仕事をこなしているのに、医師の急な指示にも対応をしなければなりませんので、さらにあわただしくなってしまいますよね。そのため、看護師の仕事は「激務」と感じる人もいると思います。

患者さんの急変・死亡

患者さんに急変が生じると、病棟は一気に忙しくなりますよね。急変を起こした患者さんの対応を看護師一人で行うことはできませんので、その患者さんに対して2~3名の看護師が必要となりますし、他のスタッフで急変を起こした患者さん以外の対応を全て行わなければならなくなります。そのため、急変を起こした患者さんを対応している看護師も、急変を起こしている患者さん以外を担当している看護師も、両方がさらに忙しくなってしまいます。

また、時には状態の不安定だった患者さんや急変を起こした患者さんが死亡してしまうこともあります。患者さんの対応だけでなく患者さんの家族の対応も行いながら、エンゼルケアを限られた看護師で実施するため、本当に忙しくなってしまいますよね。患者さんの急変や死亡も、看護師の仕事が「激務」と言われる理由と考えることができるのではないでしょうか。

入院の対応

急性期病院の病棟で勤務をしていると、平日は毎日のように予定入院がありますし、時には予定にない緊急入院の受入を行わなければならないこともあります。情報収取や病棟案内、看護計画の立案、様々な同意書の説明、栄養計画書の作成など、一人の患者さんの入院を受け入れるだけで、とても多くのことを行わなければなりませんよね。特に、緊急入院となればこれらのほかにもベッドの準備なども患者さんが入院するまでの短時間で行わなければなりませんので非常に大変です。

私自身、急性期の病棟に勤務をしていたとき、予定入院が10名いたことがあります。日勤の看護師は7名でしたので、1人当たり最低一人は入院患者さんの対応をすることになりました。とても忙しかったですが、スタッフ全員で協力しながらなんとか午前中を終えました。しかし、病棟のベッドに空きがあったためか、午後から緊急入院が2人、救急病棟からの転棟が2人という状況になってしまったのです。その日の日勤の看護師は7名ですので、単純に計算すると入院や転棟の患者さんを看護師一人で2人対応することになります。しかし、7人の看護師のうち新人看護師が2人いました。新人看護師に入院患者さん2人以上を担当させるわけにはいきませんよね。そのため、私は予定入院2人+緊急入院1人の患者さんを担当することになりました。

ここまでの状況になることは少ないと思いますが、複数の患者さんの入院対応を行うことで「激務」と感じる方もいるのではないでしょうか。

手術後の患者さんの看護

整形外科や消化器外科など外科系の病棟で勤務をしている場合、手術後の患者さんの看護を行う場面が多々あると思います。患者さんが手術を終えて病棟に迎えの電話がかかってきた際、一気に病棟があわただしくなりませんか?

手術室の看護師の申し送りが終わり、部屋に戻ってきた患者さんの病衣を整えながら創部の確認をし、モニターや自動血圧計を装着して…と多くのことをする必要がありますよね。また、帰室後は状態が安定しない場合もあるので頻回にバイタルサインを測定したり、出血量や尿量を確認する必要がありますし、点滴の管理や患者さんの希望によって鎮痛剤や制吐剤の使用をする必要もあります。

他の患者さんのケアやナースコールの対応、入院患者さんの対応を行いながら手術後の患者さんの看護を行う必要もありますので、「激務」と感じてしまいますよね。

残業の多さ

2013年に行われた調査によると、看護師の約9割が残業を行っており、1か月の残業時間が「5時間以上」は65.9%、「20時間以上」は20.7%、「30時間以上」は8.4%、「50時間以上」は1.7%となっており、中には過労死ラインと言われる「60時間以上」の残業を行っている看護師も0.8%いるということが分かりました。

出典:看護師の労働実態調査「報告書」 40ページ目

毎月長時間の残業をこなしている看護師も非常に多いですよね。また、仕事開始前に情報収集や物品の準備を行う必要があるため、仕事開始前は30分程度早く出勤しているという方も多いのではないでしょうか。

これらの残業を行った際、すべての時間に対して残業代が支給されているのであれば「毎日忙しいな」と感じるだけかもしれません。しかし、多くの病院や施設では残業代がほとんど支給されていないのです。そのため、仕事量と給料が比例しないために、「激務」と感じやすいのかもしれませんね。

激務の看護師~夜勤編~

日勤だけでも、看護師が激務と言われる理由が分かったと思います。しかし、夜勤帯も看護師は非常に激務です。どのような理由で夜勤が激務となるのか見ていきましょう。

認知症患者さんや不穏状態の患者さんの対応

夜勤帯で最も大変な業務と言えば、認知症の患者さんや不穏状態の患者さんの対応ではないでしょうか。認知症の患者さんや不穏状態の患者さんの中には、日勤では落ち着いていて穏やかなのに、夜になると豹変する方がいます。日中であれば、興奮状態となった患者さんや徘徊をしている患者さんに看護師が常に付き添うことが可能です。しかし、夜勤の場合、すべての患者さんを看護師2~4人で対応しなければなりません。そのため、このような患者さんに対して看護師が付き添うことは難しいです。しかし、他の患者さんの対応もしながら、このような患者さんの対応もしていかなければ事故の原因となることもあります。

そのため、夜勤の間中、認知症の患者さんを車いすに乗せ、一緒に移動しながらほかの患者さんの看護を行うということもあるのではないでしょうか。ただでさえ看護師一人当たりの仕事が多い夜勤なのに、このような患者さんの対応もしなければならないということで、「激務」と感じてしまいますよね。

ナースコールの対応

日勤帯での激務と感じる内容でも書きましたが、夜勤帯のナースコールの対応も「激務」と感じる原因となります。消灯を過ぎれば起床時間まではあまりナースコールの数は多くありません。しかし、消灯までと起床後、特に検温を行う時間はナースコールの対応を行うことが非常に大変です。

夜勤帯は少ない看護師しかいません。しかし、少ない看護師で全患者さんの状態を把握しながら、点滴の管理や検温なども行う必要があります。これらの仕事を行っているときにナースコールの対応をしますので、非常に忙しくなってしまいますよね。

また、認知症の患者さん等で、一人で移動すること転倒や事故が生じる可能性のある患者さんに対しては、離床センサー等で対応もしていることがあります。離床センサーが連動して作動したナースコールに関しては、対応が少しでも遅れると危険な状態となることもありますので、常にPHS等でどの患者さんからのナースコールか確認する必要もあります。

夜勤帯のナースコールの対応に関しても、日勤帯同様に「激務」と感じる原因となるのではないでしょうか。

薬の内服介助

急性期の病棟の場合、自分で薬の管理を行うことのできる患者さんが多く入院されていますので、看護師が薬の管理を行う必要のある患者さんは限られています。しかし、高齢患者さんの多い病棟や精神科病棟、日常生活動作に介助が必要な患者さんの多い病棟などの場合、看護師が薬すべての管理を行う必要があるのです。

患者さんによって内服している薬の種類は異なりますし、食前薬のある患者さんや時間薬のある患者さんなどもいます。違う患者さんの薬を渡すことや、処方とは違う用法で薬の内服を介助してしまうなどのミスがあっては絶対にいけませんので、細心の注意が必要となります。

病棟によっては、看護師一人で30人以上の内服薬や時間薬を管理しなければなりませんので、ただでさえ忙しい看護師の仕事が、さらに「激務」になってしまうのではないでしょうか。

朝食・夕食の介助

夜勤帯で最も忙しくなる時間が、朝食や夕食の時間ではないでしょうか。少ない看護師で全患者さんに配膳を行い、食事介助までこなさなければなりません。私は療養型病棟で勤務をした経験がありますが、看護師3人+介護士2人で食事を経口摂取の患者さん40人の食事を配膳し、そのうち20人近い患者さんの食事介助を行っていました。一人で4人程度の患者さんの食事介助を行いながらナースコールの対応を行い、食後の口腔ケアを行い、点滴の管理も行い…と、この時間が非常につらかったです。

ゆっくり丁寧に患者さんに食事介助をしたいと思っていても、ナースコールの対応なども行う必要があるので、食事介助だけに集中することができません。ある程度の時間までに食事介助を終えなければ次の業務にも支障が出るため、ナースコール対応に走り回ることもあるので、「激務」と感じることとなるのではないでしょうか。

カルテの記入

看護師は、自分がその日に担当した患者さん全員のカルテを記載する必要がありますよね。検温をしていれば熱計表を記入しなければなりませんし、状態に変化のあった患者さんがいれば記録に残さなければなりません。また、特に何も行わなかった患者さんであっても、熱計表に自分のサインを記入しなければなりません。

看護師1人で20人程度の患者さんのカルテを記入しなければなりませんので、非常に時間がかかります。ほかの業務を行いながらだと集中できないこともあり、場合によっては仮眠時間を削ったり、残業を行ってカルテを記載することとなってしまいます。カルテの記入だけであればさほど激務とは感じないかもしれませんが、同時進行で多くの業務を行いながら、一息つく間もなくカルテを記載するのであれば「激務」と感じてしまいますよね。

まとめ

看護師が「激務」と感じる状況について、日勤と夜勤に分けて紹介しました。皆さんも共感できる部分はありましたか?激務と感じる状況は、紹介したもの以外にもたくさんあると思います。

あまりにも仕事が激務でしんどい思いをしている方は、少しでも落ち着いて勤務できる病院などへ転職することを検討してもいいかもしれません。また、ゆっくりできるときはゆっくりし、身体面も精神面も疲れを出さないようにしましょう。

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