看護師にはうつが多い?予防法とうつ病になったときの対処法

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看護師の仕事は、非常にストレスが溜まってしまいますよね。患者さんとの関りやスタッフ間での関り、医師とのかかわりなどの人間関係によるものもありますし、過酷な勤務によってストレスが蓄積されることもあります。うまく発散できればいいのですが、なかなか難しい場合もあるのではないでしょうか。

看護師の中には仕事が原因でメンタル障害になってしまう方がいますが、中でも「うつ病」と診断される方は多いです。看護師がうつ病になってしまう原因や、うつ病と診断されたらどうすればいいのか見ていきましょう。

うつ病とは

まず、うつ病とはどのような疾患なのか確認しましょう。

私たちは普段の生活の中で、嫌なことがあったり悩みがあると気分が落ち込んでしまいますよね。しかし、ゆっくり休んだり普段の生活を送る中で、気分の落ち込みは解消されます。うつ病とは、原因が解決しても気分が落ち込んだままで、いつまでたっても気分の落ち込みが解消されない状態です。

原因はストレスやまじめで仕事熱心な性格、環境の変化など様々で、人によってもうつ病を引き起こすストレスの原因は違います。また、疾患に対して使用している内服薬の影響で、うつ病の症状を引き起こしてしまうこともあるのです。

うつ病の症状には、身体症状と精神症状があります。身体症状には不眠や睡眠過多、食欲の低下、疲労、月経不順などがあり、精神症状には気分の落ち込みや強い焦燥感、意欲の低下などがありますが、1日の中で時間とともに出現する症状は変化していくということが特徴です。うつ病の治療には、薬物療法や精神療法がありますが、最も大切なことはしっかりと休むことです。薬物療法等で症状が落ち着いていたとしても、根本的な問題を解決しなければ、なかなか症状が改善されることはありません。

うつ病とパニック障害の情報・サポートサイトである「こころの陽だまり」というインターネットサイトによると、生涯に1度はうつ病になる人は15人に一人で、医療機関にかかっているうつ病の患者さんは100万人以上となっています。

出典:こころの陽だまり

うつ病で苦しんでいる方は非常に多いということが分かります。今は健康であったとしても、いつ、誰がうつ病を発症するかはわかりませんね。

看護師がうつ病になる原因

看護師の仕事は、非常にストレスがたまる仕事です。また、先ほどうつ病になる原因に「まじめで仕事熱心」と書きました。看護師は患者さんの命を預かる仕事ですので、非常にまじめな方が多いですよね。また、熱心に仕事をしなければ、医療事故やインシデントを引き起こす原因となります。そのため、看護師はうつ病になりやすい仕事ということができるのではないでしょうか。

看護師がうつ病になる原因をいくつか詳しく見ていきましょう。

仕事が忙しく、ゆっくり休む間がない

皆さんは毎日、定時で職場を出ることができていますか?2013年に行われた調査によると、既定の労働時間前後に時間外労働を行っている者の平均値は、「前」で各勤務共に約30分、「後」で「日勤」48分、「深夜勤務」35分、「準夜勤務」32分、「2交替勤務」32分ということが分かりました。

出典:看護師の労働実態調査「報告書」 40ページ目

多くの看護師が毎日残業をこなしていますし、まともに休憩をとることができない場合もありますよね。看護師の仕事は多岐にわたるため、毎日が忙しく早く仕事お終了して帰宅することは難しいです。

残業時間が長くなればなるほど自分の時間をとることができませんし、ゆっくりと休むこともできません。そのため、うつ病となってしまう看護師が多いと言えるのではないでしょうか。

交代制勤務を行うため

病院で常勤として勤務する看護師は、交代制で24時間を通して看護をする必要があります。そのため、月に数回は夜勤をこなさなければなりませんよね。日勤を行いながら夜勤をすると、生活リズムが乱れてしまいますし、本来休む時間に休むことができなくてストレスが溜まってしまいます。睡眠のリズムが一定でなくなると、自律神経への悪影響が出てしましますし、自律神経が不安定となると身体症状が出現し、うつ病に移行しやすくなってしまうのです。

また、夜勤は日勤と比較すると、非常に少ない看護師の人数で同じ人数の患者さんを担当します。患者さんが寝ている時間が夜勤帯の大部分を占めるといっても、日勤よりもあわただしくなってしまうことが多いですよね。特に、食事介助中や検温中は、ナースコールがなると一気にしんどくなってしまうのではないでしょうか。

夜勤を行うことで精神的にも身体的にも、かなりのストレスがかかってしまいます。そのため、交代制勤務を行う看護師はうつ病を発症しやすくなっているのではないでしょうか。

患者さんの死

看護師は患者さんの体調が少しでも回復することを助けるために、ケアや介助を行いますよね。患者さんが元気になって退院したり、「ありがとう」という言葉をかけてもらうことで、看護師としてのやりがいを実感できる方も多いのではないでしょうか。しかし、患者さんは全員が元気になって退院していくわけではありません。中には治療や看護の甲斐なく、なくなってしまうこともありますよね。

患者さんが亡くなってしまうと、なかなか立ち直ることができないという方が多いのではないでしょうか。特に関わる機会の多かった患者さんの場合、感情移入してしまい、喪失感が大きくなってしまうこともありますよね。患者さんの死は、どんなにベテランの看護師にも大きな悲しみを与えます。エンゼルケアは何度実施しても、なかなか慣れることができませんよね。

患者さんの死に直面した時、大きな精神的負担がかかります。また、「自分が行った看護は正しかったのだろうか」と、自分の看護師としての働き方について自信がなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。患者さんの死によって、看護師がうつ病となってしまう場合も少なくはないでしょう。

うつ病かもしれないと思ったら

うつ病の特徴や、うつ病の原因を紹介しました。もしかすると、「自分もうつ病かもしれない」と感じている方もいるかもしれません。うつ病かもしれないと思ったら、何をすればいいのか紹介します。

どれくらいの期間症状が続いているのか確認する

まず、自分に今出ているうつ病と感じる症状を書き出してみましょう。そして、どのくらいその症状が出現しているのか、思い出してください。病院を受診した際に「どんな症状がいつから続いているのか」ということを確認されます。その際、焦って自分の症状をうまく釣ったえることができない場合もありますので、書き出しておいたほうがいいでしょう。

病院選び

現在、心療内科や精神科などのクリニックは、全国にたくさんあります。「うつ病を見てくれるのであれば、どこでもいい」と、病院についてあまりよく調べないという方もいるかもしれません。しかし、病院選びは慎重に行いましょう。

うつ病の症状は、人によって異なります。そのため、処方される薬も人によって異なるのは普通です。しかし、医師の中には「うつ病だったらこの薬」と、ろくにあなたの症状の確認をせずに一般的な薬を処方する方がいます。また、あなたの話を全く聞かず、うつ病かどうかの診断をしっかり行わずに処方をする医師もいるのです。病院の口コミ等を見て、その病院を受診してもよいか判断するようにしましょう。

また、評判の良い病院が遠くにあったとします。その病院へ通いたいと考えるかもしれません。しかし、実際にうつ病だった場合、急に症状が悪化するとその病院まで通うことが困難となる場合があります。電車を何度も乗り継がなければならない病院や、車で何時間もかかる病院への受診は避けましょう。

一人で受診する

あなたのことを心配に思い、家族や友人が付き添を希望することがあるかもしれませんし、あなた自身が不安に感じて付き添いをしてほしいと感じるかもしれません。しかし、自分一人で受診するようにしましょう。

付き添いの人がいると、医師に自分の症状を説明する際にあなたの実感する症状と異なることを話してしまうかもしれません。また、自分の気持ちや考えを十分に話すことができず、適切な診断や処方がされない可能性が高くなってしまいます。

できれば受診は一人で行い、付き添いの人がいるのであれば待合室で待ってもらうようにしましょう。

うつ病と診断されたら

病院やクリニックで、うつ病と診断されることも当然あります。うつ病と診断されたら、どうすればいいのか見ていきましょう。

上司に相談する

まずは、あなたが所属する部署の上司に報告するようにしましょう。いきなり「うつ病って言われました」というのではなく、いつからどんな症状が出ていたのか、どんな診断がされたのか、どんな薬が処方されたのかということも合わせて伝えるようにしてください。

相談する上司は、できれば勤務を調整することができる人を選びましょう。看護師は夜勤をする必要がありますが、うつ病と診断された後も通常通り夜勤を続けていると、症状は改善しませんし悪化することも考えられます。勤務を調整することができる上司に話すことで、夜勤の回数を減らしてくれたり、夜勤自体をしばらくしなくてもいいように配慮してくれるかもしれません。

勤務を調整してもらう

うつ病の治療の原則は、ゆっくりと休養をとることです。しかし、いきなり長期間休むことはできませんよね。できれば、夜勤の回数を減らしたりなくしてもらうだけでなく、早く帰宅できるように調整してもらいましょう。先ずはゆっくりと体を休めることを優先させてくださいね。

長期休養をさせてもらう

看護師の仕事をこなしながら、うつ病の治療を行うことはうまくいかない可能性があります。なかなか症状が改善せず悪化するような場合であれば、思い切って長期休養させてもらうことも必要かもしれません。

仕事のことを忘れてゆっくり過ごすことで、症状が改善されることがあります。看護師として働いているとなかなか旅行に出かけることもできないと思いますが、長期休暇中に温泉旅行などでリフレッシュすることもいいのではないでしょうか。もちろん、同じ職場で働いている人には言わないほうがいいですが。

中には金銭的な事情などから、仕事を休むことは避けたいと考える方もいると思います。しかし、今無理して働くと、今後看護師として働くこと自体ができなくなってしまう可能性が高いです。すこし生活が苦しくなるかもしれませんが、思い切って1か月間休ませてもらいましょう。思い切って休むことで、今後も看護師として働き続けることができるようになりますよ。

退職をする

長期休養で体調が回復すればいいのですが、それでも症状が回復せずに、むしろ悪化する場合もあります。また、職場によっては長期休暇の取得を認めてくれない場合もあるのではないでしょうか。うつ病と診断された後も同じような勤務を続けていると、どんどん症状は悪化してしまいます。

このような場合は、思い切って退職をしてしまいましょう。無理して同じ職場で働き続けることはありません。いったん退職し、症状が落ちついてから再度看護師として働くともできますし、全く違う業種で働いてもいいと思います。職場が変われば症状が落ち着く場合もありますので、無理して働き続けないようにしましょう。

うつと診断されても働きやすい職場

うつと診断されても、看護師として働き続けることを希望する方は多いです。では、うつ病の治療と看護師としての仕事を両立しやすい職場は、どのようなところなのでしょうか。復職をする際の参考にしてくださいね。

夜勤の無い職場

生活リズムが乱れると、うつ病の症状が改善しにくいです。そのため、夜勤の無い職場を選ぶようにしましょう。クリニックやデイサービスなどがいいのではないでしょうか。

プレッシャーの少ないところ

看護師一人が行う業務が多いと、その分プレッシャーが増してしまいます。急性期病院だと毎日が慌ただしく、大きなプレッシャーがかかってしまいますので、急性期病院は避けたほうがいいでしょう。

まずはパートとして働いてみる

いきなり常勤として復職をすると、急にストレスがかかってしまいます。そのため、症状が落ち着いていた場合でも、悪化してしまうかっもしれません。まずは体を慣らすことができるよう、週1~2日程度のパートから始めてみましょう。

まとめ

看護師の仕事は常にプレッシャーがかかりますし、看護師として働く方はまじめで責任感が強い方が多いですよね。そのため、うつ病となってしまう看護師は多いです。うつ病かもしれないと感じた場合、まずは病院を受診しましょう。その後、上司に相談をして、症状を悪化させない働き方ができるように調整するようにしてくださいね。

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