看護師のキャリアアップ|キャリアアップに繋がる資格や方法

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看護師として長期間、病院や医療施設で活躍されている方は多いと思いますが、皆さんはキャリアアップに興味はありますか?看護師として勤務を続けていると、「もっと患者さんに寄り添った看護を行いたい」と思うことや、「自分の看護に自信を持ちたい」と考えることがあるかもしれません。

看護師がキャリアアップできる方法は、実はたくさんあるということをご存知でしょうか。特に、最近は看護師の仕事に活かすことのできる資格の取得を考える方が多くなっています。看護師のキャリアアップにつながる資格や、その他のキャリアアップ方法について紹介しますので、興味のある方は参考にしてくださいね。

専門的な資格を取得する

日本看護協会には、認定看護師と専門看護師という資格制度があります。規模の大きな病院には、これらの資格を取得して勤務している看護師がいるのではないでしょうか。資格の概要や、資格を取得するために必要なことを簡単に紹介しますので、参考にしてください。

認定看護師

認定看護師とは、看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的として、1995年に日本看護協会によって作られた制度です。特定の看護分野において、実践・指導・相談の役割を果たしています。

出典:日本看護協会 認定看護師(Certified Nurse)とは

2016年1月現在、認定看護師として特定されている分野は救急看護や皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケアなどの21分野があります。

認定看護師の資格を取得するためには、日本での看護師の資格があることや看護師として通算5年以上の臨床経験があること、半年間の教育課程への参加、認定試験への合格など、多くのステップを踏む必要があります。しかし、認定看護師の資格を取得することで患者さんにより良い看護を提供することができるようになるほか、医師からの信頼が厚くなる、認定看護師外来を開設することができる、医療従事者に対して勉強会を行うことができるなどの多くのメリットもあります。

専門看護師

専門看護師とは、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的として、1994年に日本看護協会によって作られた制度です。特定の看護分野において、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の役割を果たしています。

出典:日本看護協会 専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは

2016年12月現在、専門看護師として特定されている分野はがん看護や精神看護、地域看護などの13分野があります。

専門看護師の資格を取得するためには、看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していること、通算5年以上の臨床経験があり、うち3年以上は専門看護分野の経験であるなどの条件を満たす必要があります。

資格を取得するためには時間もお金もかかりますが、患者さんだけでなく看護師などの医療スタッフへのケアも行うことができ、病院内外で研修や研究活動を行うこともできるようになるなど、活動の範囲を広げることにつながります。

その他の資格

看護師の仕事に活かすことのできる資格は、認定看護師や専門看護師の資格だけではありません。これらの資格より費用をかけず、短期間で取得できる資格もたくさんあります。すべての資格を紹介することはできませんので、いくつか紹介します。

呼吸療法認定士

呼吸療法認定士とは、呼吸に関する専門的な知識と技術を取得した医療スタッフに与えられる資格で、日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本マス化学会が合同で創設した資格制度です。正式名称は「3学会合同呼吸療法認定士」です。臨床経験が2年以上あれば、看護師だけでなく臨床工学技士や理学療法士も資格を取得することができます。

過去5年以内に認定委員会の認める学会や講習会に参加し、12.5点以上の点数を取得する必要があります。その後、2日間の研修を受けることで、認定試験の受験資格を得ることができますが、研修には定員が設けられており、申し込み開始後すぐに締め切られる場合もあるので、申し込みをする際は早めに行うようにしましょう。

臨床心理士

臨床心理士とは、臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、人間の心の問題にアプローチする「心の専門家」です。

出典:公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会

臨床心理士の資格試験を受けるためには、日本臨床心理士資格認定協会の指定を受けた大学院、または臨床心理士の養成に関する専門職大学院を修了する必要があります。これらの学校に入るためには書類審査や筆記試験があり、予備校や通信講座で勉強する方も多いようです。2年間通う必要があるので、フルタイムでの勤務を続けることは難しくなります。

救急救命士

救急救命士は、救急車に同乗して、病院までの搬送中に医師の指示の下で心肺蘇生や気道確保、薬剤の投与などを行うことができます。救急救命士のほとんどが消防官として消防署で勤務しているようです。文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、2年以上知識や技能を習得する必要があります。しかし、平成3年8月15日までの間に看護師の資格を有している方は、それだけで救急救命士の資格試験を受験することが可能です。

看護師が行うことのできる医療行為よりも、さらに多くのことができるようになるので、やりがいを感じることができるかもしれません。しかし、救急車に同乗して命にかかわる重篤な状態の方に医療行為を行うため、看護師以上の責任の重さがあるかもしれません。

進学をする

最近は看護師の資格取得を目指して看護大学に進学する方が多くなってきました。しかし、平成25年に厚生労働省が発表したデータによると、4年制看護大学は218校(1学年定員17,878人)に対し、3年制看護専門学校は555校(1学年定員28,051人)、5年一貫教育校77校(1学年定員4,035人)となっており、全体の29%しか看護大学を卒業していないということが分かりました。

出典:看護職員の現状と推移 15ページ目

看護大学の数は徐々に増加してきましたが、まだまだ看護大学を卒業した人は少ないですね。皆さんの中にも、専門学校や5年一貫教育校を卒業したという方が多いのではないでしょうか。

専門学校によっては、看護大学よりも偏差値や倍率が高く、入学することが困難な学校もあります。しかし、看護大学よりも苦労して入学することができたとしても、看護大学を卒業している方のほうが昇進しやすいことや、給料水準が少し高く設定されているなどの違いが生じてしまうのです。また、看護大学での教育は専門学校と異なり、研究的思考で幅広い視野を養うことを目的としているので、違った看護感を養うことにもつながるのではないでしょうか。

看護大学に編入する方法は、大学ごとに異なります。すべての大学の編入方法を紹介することはできませんので、現在平成30年度の編入試験について公表している大学の編入方法について紹介します。

※すべて平成30年度の募集要項を参照。

筑波大学

定員:10名

出願期間:平成29年6月5日から6月9日

選考方法:看護専門科目・小論文・面接

検定料:30,000円

出願資格:

  • 短期大学において、修業年限3年の看護関係学科を卒業した者又は平成30年3月31日までに卒業見込の者で、看護師免許を取得した者又は看護師国家試験受験資格を有するもの。
  • 専修学校において、修業年限3年の看護関係の専門課程を修了した者又は平成30年3月31日までに終了見込の者で、看護師免許を取得した者又は看護師国家試験の受験資格を有する者。

出典:筑波大学 平成30年度 学群編入学学生募集要項 22ページ目

千葉大学

定員:10名

出願期間:平成29年8月1日から8月4日

選考方法:学力検査(看護学)・小論文・面接

検定料:30,000円

出願資格:次のいずれかに該当し、平成27年8月以降にTOEIC又はTOEICL&Rを受験しているもの。

  • 短期大学を卒業した者及び平成30年3月卒業見込みの者。
  • 専修学校の専門課程を修了した者及び平成30年3月までに終了見込みの者。
  • 高等学校等の専攻科の課程を修了した者及び平成30年3月までに終了見込みの者。

出典:平成30年度 千葉大学看護学部 3年次編入学 学生募集要項

浜松医科大学

定員:10名

出願期間:平成29年5月22日から5月31日

選考方法:学力検査(英語・専門科目Ⅰ・専門科目Ⅱ)・面接

検定料:30,000円

出願資格:

  • 短期大学の看護学科を卒業した人及び平成30年3月卒業見込みの人。
  • 専修学校の看護系の専門課程を修了した人及び平成30年3月修了見込みの人。
  • 高等学校等の看護系の専攻科の課程を修了した人及び平成30年3月修了見込みの人。

出典:平成30年度 第3年次編入学学生募集要項

https://www.hama-med.ac.jp/hamamed_h30_3nenji0324.pdf

最近は看護大学の数が増加しているので、編入を受けいれている大学は少なくなってきており、平成29~30年度の間に受け入れを修了する大学もあります。今後はさらに看護専門学校に通う方が減少し、看護大学に通う方が増加することが予想されますので、さらに編入を受け入れる大学は少なくなると考えられるのではないでしょうか。大学編入をしたいと考えている方は、早めに行動をしたほうがいいかもしれませんね。

海外で看護ボランティアをする

日本での看護師の資格を取得していると、海外で看護師として活躍することも可能です。本来であれば、自分が働きたいと考える国で看護師の資格を取得しなければなりません。しかし、「看護ボランティア」として海外で勤務するのであれば、海外の看護師の資格は必要ありません。日本だけでなく海外での看護師の経験を積むことで、看護感を見つめなおすことや視野の広がりにつながるのではないでしょうか。

看護ボランティアとして活躍できる方法を紹介します。

青年海外協力隊

青年海外協力隊とは、自身の持っている技術・知識や経験を発展途上国の人々のために活かしたいと望む方をボラティアとして派遣する事業で、日本国籍を持つ満20~39歳の方が応募することが可能です。

派遣期間は原則として2年間と設定されており、募集されている職種は看護師以外にも公共・公益事業や農林水産など多岐にわたります。派遣される国は、生活環境の整っていないところが多いです。そのため、応募すると健康診断を受ける必要があり、持病や現在治療中の疾患のある方、服薬が必要な方などは派遣されない可能性があります。また、生活環境が整っていない国へ派遣されるため、コンタクトレンズを使用されている方は参加できません。コンタクトレンズを使用中の方は眼鏡の作成が必要となります。

青年海外協力隊に参加した場合、看護師の主な役割は看護活動や看護学校での学生指導など、多くのことを行う必要があります。そのため、①日本での看護師の国家資格をもっていること、②実務経験が3年以上あること、③健康であること、が応募の条件です。

出典:青年海外協力隊 JICAボランティア

国境なき医師団

国境なき医師団(Medecins Sans Frontieres)は、中立・独立・公平な立場で医療・人道的支援活動を行う民間・非営利の国際団体で、1971年に設立されました。

活動する地域は、大半が紛争地や難民キャンプ、地震などの被災地などで、このような発展途上国で診療や治療(外科治療や産科医療など)、予防接種などの病気の予防などの取り組みを主に行っています。青年海外協力隊では様々な職種の募集がありますが、国境なき医師団で募集される職種は、医療スタッフ(医師・助産師・看護師・栄養士など)と非医療スタッフ(水・衛生管理専門家、コーディネーターなど)の大きく2種類となっています。

国境なき医師団に参加した場合、看護師の主な役割は直接的な看護ケアよりも現地の医療スタッフに対する指導や教育、技術向上トレーニングなどとなるようです。また、薬剤や医療機器の発注や在庫管理なども任されることがあります。そのため、①2年以上の臨床経験を有していること、②新人などへの指導や教育の経験があること、が応募の条件です。准看護師は参加することはできません。

出典:国境なき医師団

ジャパンハート

ジャパンハート(Japan Heart)は、医療に重心を置き、「医療の届かないところに医療を

届ける」を理念に活動している日本発祥の医療国際ボランティア団体です。現在、ジャパンハートが活動している地域は、ミャンマー・カンボジア・ラオスの3か国のみで、この3か国で医療・保健活動・医療人材育成・社会福祉活動を行っています。

看護師として参加する場合、①国際医療短期ボランティア(外来診療や手術の介助、病棟看護ケアの介助などを行う。数日間から参加することが可能)、②国際看護長期研修(「十分な医療物資・人材の揃わない環境で、目の前の問題にどう対応すべきか」という問題を解決するために必要な情報を自分で考え、判断し、行動できる自立した看護師を育てることを目的とした研修。国内研修6か月+海外短期実習1か月が第1ステップで、評価基準に達した方のみが第2ステップの海外研修に6か月間参加することができる。ここまでの研修の総評の結果基準に達した方のみが「国際医療支援チームメンバーに選出され、1年間国内外で活動できる)の2種類から参加する方法を選ぶことができます。応募の条件は臨床経験1年以上の看護師・助産師のみで、語学力や経験分野は不問です。しかし、研修ですので給料は出ず、渡航費や海外居住費、海外旅行保険などのすべての費用が自己負担となります。

出典:ジャパンハート

まとめ

看護師ならではのキャリアアップの方法について紹介しました。資格の取得や大学への編入、海外での看護ボランティアに参加することなど、キャリアアップにつながる経験をするには費用が掛かるものが多いです。しかし、これらの経験をすることで、看護師として大きく成長することにもつながるのではないでしょうか。

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