看護師はパワハラ経験者が多い!?パワハラの実態と対処法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

看護師として働こうと思っているけれど、先輩看護師からパワハラがあると聞いて心配になっていませんか?もしくは、看護師として働いているけれど、今の職場はパワハラがあるのかもしれない。とお悩みかもしれません。パワハラは最近テレビなどでも取り上げられるほど話題になっていますが、一般企業に限った話ではありません。病院で叩く看護師さんも悩んでいる方が多いんです。今回はパワハラの実態と、パワハラを受けたときにどう対処すれば良いのかについてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

パワハラって何?

よく耳にする「パワハラ」という言葉ですが、正式には「パワーハラスメント」といいます。厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、業務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。

出典:厚生労働省 職場のパワーハラスメントについて

パワハラという一言でまとめてしまいがちですが、過去に行われた裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、以下の6種類に分類することができるのをご存知でしょうか。

身体的な攻撃

目に見えて分かりやすい暴力や傷害のこと。殴る・蹴る・突き飛ばすなど。

精神的な攻撃

脅迫や名誉棄損、侮辱、ひどい暴言など。精神的な攻撃は、パワハラの典型例と言える。結果的に精神疾患を患ってしまうこともある。

人間関係からの切り離し

無視・隔離・仲間外れにするなど、度が過ぎる行為もパワハラになってしまう可能性がある。仕事を教えないことや席を隔離するなども含まれる。

過大な要求

業務上、明らかに達成不可能なノルマを課すことで、相手の職場環境が害されている場合は過大な要求としてパワハラに該当することがある。達成できなかった場合、暴言・暴力などの行為が併用されることもある。

過小な要求

程度の低い単調な作業を与え続けることもパワハラに該当する場合がある。

個の妨害

個人のプライベートな内容に過剰に踏み入ってくる行為も、相手に精神的苦痛を与えることや職場環境を害することがあればパワハラとなる。女性に対して個の妨害を行うと、セクハラとなる可能性もある。 

出典:厚生労働省 職場のパワーハラスメントについて

性的な嫌がらせ(セクシャルハラスメント=セクハラ)とはちがい、判断や対策を行うことが難しいため、パワハラで悩む方は多いのではないでしょうか。2012年7月から9月に行われた調査によると、過去3年間に「パワハラを受けたことがある」との質問には、全体の25.3%が「経験あり」と回答し、「パワハラをしたと指摘されたことがある」と回答した人は、全体の7.3%が「経験あり」と回答していることが分かりました。

出典:職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書 7ページ目

看護師にもパワハラはある?

冒頭でも書きましたが、パワハラに悩んでいるのは一般企業ばかりではありません。当然、看護師間でも悩んでいる方は大勢います。2013年9月1日~2013年11月15日に行われた調査によると、パワハラを受けたことが「よくある」と回答した人は5.1%、「ときどきある」と回答した人は21.6%で、合わせると看護師の4人に一人はパワハラを受けているということが分かりました。

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 46ページ目

看護学生の方は、「看護師にもパワハラがあるなんて…」と驚く方もいるかもしれませんが、現在看護師として活躍されている方の中には、自分や周りがパワハラを受けているという経験をされた方が多いのではないでしょうか。私自身、看護師として勤務をしていたとき、一人の上司からターゲットにされ、つらい思いをしたことがあります。

パワハラを受けた人にその相手を聞いた調査によると、以下のような結果がでました。

  • 看護部門の上司(55.2%)
  • 医師(44.3%)
  • 患者(17.9%)
  • 同僚(17.4%)
  • 家族(5.5%)

出典:看護職員の労働実態調査「報告書」 48ページ目

一般企業の場合、上司や取引先などの方からパワハラを受けることが多いです。看護師の場合、直接の上司だけでなく医師や患者、患者家族などからもパワハラを受けることがあり、また病院という閉鎖的な環境であるため、看護師はパワハラを受けることが多くなってしまうのではないでしょうか。

なぜ病院内でパワハラが生じるのか

看護師として病院で勤務をしていると、パワハラの場面に遭遇してしまうことが多いと思います。では、なぜ病院内でパワハラが生じてしまうのでしょうか。いくつか原因を紹介します。

ストレスが多い職業のため

看護師という仕事は、常に患者さんの命に向き合っていく職業であるため、非常に神経を使いますよね。勤務時間は気持ちが休まることがなく、あわただしく働くことも多いと思います。また、一人で何人もの患者さんの担当を行い、検温やケアを行いながら入院の対応や手術前後の看護、ナースコール対応、認知症の患者さんの見守りなど、非常に多くの業務を並行して行う必要がありますよね。忙しい状況が続くと、どうしてもストレスが溜まってしまいます。このことに加え、師長や主任などの部下の対応をする機会のある役職に就いている場合、部下の管理をすることも必要です。日々忙しく、残業が続き自分の時間を確保することができないと、ストレスを発散する機会もありません。その結果、暴言や侮辱などの精神的な攻撃をしてしまうことにつながるのではないでしょうか。

私自身、直属の師長に「15分で勉強会の資料をすべて一人で作り直しなさい」という無理な要求をされたことがあります。当然できるわけもなく、師長から「あなたは使えない看護師」と患者さんやほかの看護師がいる前で怒鳴られたことがあります。師長は私に怒鳴ることでストレスが解消されたのか、次の日には怒鳴ったこと自体を忘れていたようでした。

他職種と連携が必要であるため

看護師という職業は、看護師間だけで情報交換や連絡を行えばよいわけではありません。医師や薬剤師はもちろん、理学療法士やMSW、栄養士など、様々な職種と連携して、患者さんにより良い看護を提供していく必要があります。

しかし、職業が違えば、疾患や治療に対する知識や専門分野は異なりますよね。自分の知っている情報や知識を相手に伝える際に、つい「これくらいのことは当然知っているだろう」と、自分の持つ知識と同程度の知識があるという前提の下で話してしまうことはありませんか?このような前提をもって話す場合、自分でも気づかないうちに相手を見下した話し方になっているかもしれません。

看護師の場合、医師とかかわる機会が多くあります。患者さんの治療やリハビリなどの自分が疑問に思っていることを確認する場面も多くありますよね。その中で、侮辱や名誉棄損などのパワハラを受けることが多くなってしまうのではないでしょうか。

女性が多い職業であるため

よく「女の世界はドロドロしている」といいますが、看護師も例外ではありません。平成24年度の調査によると、看護師全体のうち男性看護師は6.23%ということが分かりました。

出典:日本男性看護師会 11ページ目

男性看護師が非常に少ないということが分かりますよね。

基本的に女性は男性と違って、グループを作って群れて行動する傾向にあります。また、女性は本能的に他人に嫉妬しやすいといわれています。少しでもグループのリーダー的存在の人とうまくいかないことがあると、そのグループから無視されることになるかもしれません。また、新人看護師の場合は先輩看護師よりも年齢が若いことがほとんどです。そのため、新人看護師が男性医師などから優しく声をかけてもらったり、先輩看護師と接するときと明らかに違う対応をされている場面を先輩看護師が目撃してしまうと、それだけで嫉妬の原因を作ってしまうこととなります。無視や嫉妬が原因となり、パワハラが悪化することも十分に考えられるため、注意が必要です。

しかし、男性看護師が一人でもいると、状況は大きく変わります。先輩看護師も女性ですので、男性の目を意識するようになるのでしょうか。私自身、3か所の病棟で勤務経験があるのですが、女性ばかりの病棟よりも男性が一人でもいる病棟のほうが人間関係は良かったです。女性ばかりの病棟では、常にだれかターゲットになっているスタッフの悪口を言うことや、新人看護師に対し先輩のフォローなしで重症者の受け持ちをさせるなどのパワハラが日常茶飯事でした。しかし、他部署から応援で男性看護師が派遣されてくると、いつも率先して新人看護師にパワハラをしていた看護師が急におとなしくなり、その日は平和に過ごすことができたなんてこともあります。

患者さんからの暴言・暴力

患者さんからの暴言や暴力は非常に多いです。経験のある看護師の方も多いのではないでしょうか。

病院に入院している患者さんや診察を受けている患者さんの中に、少数ではありますが「モンスターペイシェント」という患者さんが存在します。特に高齢の方や男性の方に多いように感じますが、何か自分の気に入らないことがあると大声をあげたり、暴言を吐く方がいます。看護師として勤務をされている方の中には、患者さんに大声で怒鳴られたり、杖などで叩かれたりしたことがある方はいませんか?

あまりにも患者さんの暴言・暴力がひどければ、病院のブラックリストに載ることとなります。しかし、モンスターペイシェントに分類される患者さんの多くは、看護師にだけ暴言・暴力を行い、医師の前ではおとなしくなるということがほとんどです。入院中の患者さんに、「なんでいつも先生は自分のことを後回しにするんだ。今すぐ先生を連れてこい!!」と大きな声で怒鳴られたことがあります。もちろん、医師はきちんと患者さんの診察や治療を行っているのですが、頻繁に診察をしてほしいようでした。あまりにも大きな声が続くため、医師に報告し、病棟に来てもらいました。すると、患者さんは「先生、いつもありがとうございます。おかげさまで元気になりました」と急におとなしくなったのです。このように医師と看護師で態度を変える患者さんの場合は、主治医に患者さんの接し方への大変さを伝えることが困難となります。そのため、看護師がひたすら患者さんのパワハラに耐えるしかないということになってしまうのです。

パワハラを受けたとき、どうすればよいか

パワハラが発生する原因についていくつか紹介しました。では、パワハラを受けたとき、どのような対応をとればよいのでしょうか。実際に、現在パワハラに悩んでいる方は参考にしてください

仲間を探す

パワハラを受けていると、自分一人で悩んでしまうことが多くなります。誰にも相談できずに、精神的に追い詰められて、不眠などの症状が出現する場合もあるのです。基本的に、パワハラを行う上司は、一人に対してではなく複数の人にパワハラを行っています。ですので、同じ部署内に自分と同じような被害にあっている方を探してみましょう。

仲間がいるとお互いに支えることや相談することができるため、安心するのではないでしょうか。また、何か行動を起こそうと考えるとき、自分一人では行動を起こすことは難しいですよね。仲間が多ければ、行動をしやすいですし結果を得ることができます。

また、パワハラを受けている人を探すことが難しい場合、自分の味方になってくれる人を集めましょう。自分一人の訴えだといくら訴えたとしても理解してもらえない可能性があります。そのため、第三者の仲間を集めることで、自分がパワハラを受けていることを証言してもらうことが可能です。

最初の段階では、できるだけ多くの仲間を集めるようにしましょう。

記録を付ける

パワハラを受けていたとしても、客観的に見て分かる証拠がなければパワハラを証明することはできません。そのため、必ず記録をとるようにしましょう。一番良いのはICレコーダーやビデオでの撮影です。しかし、電子機器を用いて記録をすることは難しいですよね。そのため、メモや日記を書くようにしましょう。最低でも「日付」「時間」「内容」の3つは記録するようにしてください。

最近はスマートホンの機能やアプリで録音機能がついていますよね。スマートホンだとポケットに入るサイズですし、気軽に操作することもできるので、できればパワハラをしている人の声を録音するようにしましょう。

このような客観的に見てもわかりやすい証拠を集めることで、本当に被害を受けていると証明することができます。

職場の窓口に相談する

ある程度の証拠がそろったら、職場の担当者に相談するようにしましょう。人事部などが窓口となっていることが多いのではないでしょうか。大学病院や市民病院などの大きな病院の場合は、パワハラ対策を行っている部署がある場合もあります。自分一人で行くことが難しければ、仲間とともに行くようにしましょう。

しかし、なかなか病院内の人に言いづらいと思う場合もあると思います。そのような場合は、日本医療労働組合連合会や、病院独自の労働組合に相談することを検討してみてください。うまくいくと、看護部長などの管理職クラスの方からパワハラを行っている上司に聞きとり調査が入ります。ここまでくると状況が改善されることが多く、その上司の異動などの措置が取られることもあります。

病棟異動を依頼する

多数の病棟がある病院で勤務をしている場合は、病棟異動を行うことも一つです。病棟内のスタッフの人数や経験年数にもよりますが、一度依頼してみてはいかがでしょうか。もし、ああたが新卒の場合は「勤めてすぐに異動を希望するなんて!」といわれることもあるかもしれません。しかし、パワハラを行っているのが師長や主任ではなく先輩看護師の場合は、病棟異動をしたいということを相談しながら、「パワハラを受けている」という事実を説明するようにしましょう。この時、自分以外にもパワハラに悩んでいるスタッフがいるのであれば、そのことも説明するようにしましょう。

原因が特定のスタッフによるパワハラの場合は、あなたではなくパワハラを行っているスタッフに、病棟異動の打診が入ることもあるかもしれません。

転職をする

上記の方法で解決しない場合や、上記の方法をとることが難しい場合、転職を行うということもいいのではないでしょうか。無理してパワハラを行う人の元で働いていると、必要以上にストレスをためてしまうことになります。また、長期間過剰なストレスを受けることで、不眠やうつ、統合失調症などの精神的な疾患になってしまうことも考えられます。また、最近はニュースなどで、パワハラを苦に自殺をしてしまった方もたくさん報道されていますよね。

パワハラを行うスタッフと一緒に働く必要はありません。精神的にしんどくなる前に、思い切って転職を行いましょう。その環境ではパワハラにあってしまっただけで、違う職場では楽しく働くこともできるはずです。

私自身転職を行ったことがありますが、転職を行った原因の一つに人間関係の悪さがありました。パワハラと言えるかわかりませんが、一人の上司から私だけ目を付けられることが多くありました。とてもしんどかったのですが、なかなか同期や仲の良い先輩に相談することはできません。そのため、いっそのこと転職をしようと思い、行動をしました。ちょうどその時付き合っていた彼氏と結婚の話が出たので、表向きには「結婚のため転職」として転職を行いました。転職の際、看護師の転職サービスを利用し、「人間関係の良い職場」を探してもらえたので、転職を行ってからはパワハラを受けることなく、楽しく看護師として勤務することができています。

最近はどの病院も看護師が不足しています。そのため、あなたを受け入れてくれる病院はたくさんあります。しかし、反対に看護師不足のためなかなか退職をさせてもらえないということもあるかもしれません。その時は結婚やスキルアップなどのポジティブな退職理由を言うようにしましょう。「しんどい」や「疲れた」などのネガティブな退職理由の場合、退職を許可してくれないかもしれません。

まとめ

パワハラにはいろんな種類があり、パワハラを受ける場面も様々です。もし、自分がパワハラを受けていると感じた場合は、一人で悩まずに仲のいい友達や同期、話しやすい先輩などに相談するようにしましょう。きっと、悩んで切るのはあなた一人ではないですよ。

また、パワハラを受けながらその職場で働く必要はありません。思い切ってっ行動を起こしてもいいですが、退職や転職をしてしまってもいいと思います。精神的に疲れ切ってしまう前に、何か行動を起こすようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る