看護師の平均年収と年収を少しでも上げるためにできること

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女性が従事することの多い職業の中で、看護師は比較的給料の高い職業として知られています。看護師の仕事は非常に大変ですが、大変さに見合った給料を頂くことができると「これからも頑張って働こう」という気持ちになることができるのではないでしょうか。

看護師として働いている皆さんは自分の給料が平均と比較して高いのか、それとも低いのか気になりませんか?看護師の平均年収や給料に関することについてみていきましょう。

看護師の平均年収について

早速ですが、看護師の平均年収についてみていきましょう。2013年に日本看護協会が行った調査によると、フルタイム勤務の正規職員の看護師について、平成24年分(2012年1月~12月)の年収額の平均は、非管理職519万2,417円(平均年齢35.0歳)、中間管理職648万3,444円(平均年齢45.5歳)、管理職については十分な回答が得られなかったため算出はしていないが、『賃金構造基本統計(厚生労働省)』から、全産業役職別年収額として推計した課長級832,6万円(平均年齢47.4歳)、係長級664,4万円(平均年齢43.5歳)より低いということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 10ページ目

「こんなに年収が高くない」と感じている方も多いと思います。東京や首都圏のほうが家賃や物価が高いため、給料も多く設定されているようです。「給料を地元よりたくさんもらうために東京で就職したい」と考えている方もいるかもしれませんが、家賃や物価までをきちんと考えるようにしましょう。私の同期の中にも、高い給料を求めて田舎から出てきた人がいました。しかし、田舎よりも給料の水準は高かったようですが、それ以上に家賃や物価の値段が高かったようです。「田舎で看護師をしたほうが、もう少し余裕のある生活ができたかもしれない」と言っていたのが印象的でした。

准看護師の平均年収について

看護師の平均年収について紹介しているサイトは多く目にすると思います。しかし、「看護師の平均年収」として紹介していますが、その内容は「正看護師の平均年収」であることが多いですよね。では、准看護師の平均年収はどれくらいなのでしょうか。

准看護師の平均年収に関しての調査は見つかりませんでしたので、平均月収から考えていきましょう。2012年に行われた調査によると、フルタイム勤務の正規職員の准看護師の給与総月額の平均は29万6,319円、基本給月額の平均は21万1,819円(平均年齢45.9歳、調査対象72名)ということが分かりました。

出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書 8ページ目

この給与総月額をもとに年収を計算してみると、29万6,319円×12か月=355万5,828円となります。この金額にボーナスも加算されるため、実際には400万円前後となる方が多いのではないでしょうか。正看護師と比較すると、年収では大きな差が開きますよね。

准看護師になるには、正看護師と比較して短い期間で正看護師よりも比較的容易に資格を取得することができます。しかし、正看護師と准看護師の仕事内容はほとんど同じです。同じ仕事を行って正看護師よりも少ない給料ですので、不満に感じる方も多いのではないでしょうか。

今から看護師になろうと考えている方は、准看護師よりも正看護師を目指すようにしたほうがいいでしょう。また、現在准看護師として活躍している方は、時間やお金に余裕があれば正看護師の免許の取得も考えてみてはいかがでしょうか。

保健師の平均年収について

平成28年に厚生労働省が出した統計によると、地方自治体における常勤保健師数の合計は33,901人であり、常勤保健師数の合計は昨年度に比べて569人増加しているということが分かりました。

出典:厚生労働省 平成28年度 保健師活動領域調査(領域調査)の結果について

保健師になるためには看護師の国家試験に合格する必要がありますが、4年生の看護大学や一部の看護専門学校では卒業と同時に看護師・保健師両方の国家試験の受験資格が与えられます。そのため、両方の受験資格を持っている方は両方の国家試験を受けることが多いと思います。皆さんの中にも、保健師として活躍されている方や、保健師の資格を取得している方が多いのではないでしょうか。

看護師の人数と比較すると人数の少ない保健師ですが、年収はどれくらいあるのでしょうか。2009年に産業保健師を対象とした調査によると、年収が400万円以上500万円未満が全体の27.1%を占め、500万円以上600万円未満が24.7%、300万円以上400万円未満が16.8%、600万円以上700万円以上が14.45ということが分かりました。しかし、事業場では年収が300万円未満から1000万円以上と大きくばらつきがみられるということもわかりました。

出典:平成20年度 地域保健総合推進事業 【産業保健師就業実態調査研究事業】報告書12ページ目

場所によっては、正看護師として勤務する以上の給料をもらうことができるようですね。看護師の仕事は夜勤を月に数回こなすことが必要ですし、ナースコールの対応で走り回らなければならないこと、排泄ケアや清潔ケアなどで体力を使うなど、非常に大変なものです。しかし、保健師としての仕事は看護師のように走り回ることもナースコールの対応も行うことはありません。それで正看護師と同じくらいの給料を頂くことができるのは魅力的ですよね。

保健師の資格を持っていて正看護師として勤務している方は、保健師として勤務することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

助産師の平均年収について

「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、褥婦若しくは新生児の保健指導を業とする女子を言い、助産師国家試験に合格し厚生労働大臣の免許を受けなくてはなりません。

出典:日本助産師会 助産師とは

保健師の国家試験の受験資格は、一部の専門学校や看護大学を卒業すると同時に与えられます。助産師も同様で、助産師養成のためのカリキュラムの組まれている看護大学や専門学校の教育課程を修了すれば、看護師・助産師両方の国家試験の受験資格を得ることが可能です。あるいは、看護専門学校や短大を卒業し看護師国家試合格後、指定されている助産師養成学校で一年以上、知識や技術を学ぶと助産師国家試験の受験資格が与えられます。

看護師の教育機関は非常に多く、最近は大学もどんどん増えています。しかし、助産師養成学校の数は看護師の養成学校ほど増加はしていません。助産師は国家試験の合格率が90%以上と、非常に高くなっています。しかし、助産師養成学校の数が看護師の養成学校と比較すると少ないため、学校に入学すること自体が難しいといえるのではないでしょうか。

助産師の仕事も、看護師同様でハードです。夜勤を行うこともありますし、スタッフの人数が少ない時にお産が何件も同時に始まるということもあります。また、生まれたての赤ちゃんのお世話等も行うため、常に気を抜くことはできません。とてもハードな助産師の仕事ですが、給料が気になりますよね。

助産師の平均年収を調べた調査がいくつか見つかりましたが、平均年収は500万円~550万円前後という結果を出している調査がほとんどです。正看護師よりもさらに高い専門性が求められますので、正看護師以上の給料設定となっているところが多いのではないでしょうか。

助産師は医師と同様、開業することが可能です。自分で助産院を開業した場合、病院に勤務するよりも仕事は非常に大変になりますが、勤務しているよりも高い給料を期待できるかもしれません。

診療科によって給料水準は異なる?

精神科やICUで勤務している看護師は、他の診療科と比較して給料が高いという話を聞いたことがありませんか?勤務する診療科によって給料水準は異なるのか見ていきましょう。

規模が大きな病院の場合、診療科ごとに基本給の差が出ることはほとんどない

市民病院や大学病院などの複数の診療科のある規模の大きい病院で勤務する場合、診療科ごとに給料が異なるということはほとんどありません。基本給や昇給の金額などは、病院ごとに決まっていますよね。そのため、基本給で差が出ることはありません。

病棟異動を行ったとしても、基本給の金額は引き継がれます。そのため、毎年の決まった時期にある昇給以外は基本給が上がることはありません。

手当がつく診療科だと、給料の金額が増える可能性がある

一般病棟や一般外来の場合は、夜勤や残業以外の手当がつくことはありません。しかし、診療科によっては、夜勤や残業以外にも特別な手当てがつくことがあります。いくつか紹介しますので、就職や転職の際などの参考にしてくださいね。

病院ごとで異なりますので、勤務先等に確認するようにしてください。

危険手当

精神科や放射線科など、看護師の仕事中に危険が生じる可能性があると判断されている場合、支給されることがあります。5,000~10,000円程度の支給となることが多いです。

手術室勤務手当

手術室に勤務する看護師に支給される手当ですが、すべての病院で支給されているわけではないようです。危険手当や特別手当と一緒になっているところもあります。

特殊業務手当

特定の病棟で勤務する看護師に支給される手当です。重症心身障害児の病棟や筋ジストロフィー病棟、結核病棟、精神病棟、救命救急センターなどの、仕事中に危険を伴うことが考えられる場合や、重篤な患者さんを常に担当する病棟で勤務する場合に支給されることがあります。

国立病院機構の病院では、特殊業務手当は以下のように設定されています。

  • 重症心身障害病棟・筋ジス病棟・せき損病棟:25,000円
  • 結核病棟・精神病棟:12,500円
  • 結核ユニット病棟:6,250円

出典:平成16年4月1日規定第20号 独立行政法人国立病院機構職員給与規定 145ページ目

これは国立病院機構独自の給与規定であるため、病院によって手当の有無や金額は異なります。

オンコール手当

緊急の呼び出しに備えて自宅待機している場合に支給される手当です。訪問看護ステーションや手術室などのオンコール体制をとっている診療科で勤務し、実際にオンコールに備えて自宅待機している場合にのみ支給されます。

勤務する病院や診療科を選択する際、手当も意識して検討してみてはいかがでしょうか。

年収を上げるためにできること

毎年基本給が少しずつ上がりますので、年収も毎年少しずつアップします。しかし、微々たる金額しか昇給しない場合もありますので、看護師として長年勤務したとしても、年収が大きく変化することはありません。しかし、少しでももらうことのできる給料を増やす方法があります。実践することは難しいかもしれませんが紹介しますので、参考にしてくださいね。

72時間ルールの無い診療科に勤務する

病棟で勤務する看護師は夜勤を行う必要がありますが、入院基本料の算定ルールの一つに「看護職員の月平均夜勤時間72時間以内」という72時間ルールというものがあります。三交代勤務(9時間夜勤)の場合は月に8回、2交代勤務(16時間夜勤)の場合は月に4.5回しか夜勤を行うことができないのです。しかし、72時間ルールはすべての病棟看護師に適用されているわけではありません。夜勤専従看護師や集中治療系(ICU、NICU、HCU、救命救急センター)の病棟、精神科病棟、回復期リハビリテーション病棟では、一か月に72時間以上夜勤を行ってよいのです。

夜勤の回数が多くなればなるほど夜勤手当の金額は大きくなりますので、このような病棟に勤務すると給料は少しアップするのではないでしょうか。

資格を取得する

皆さんの勤務している病院や施設には「認定看護師」や「専門看護師」の資格を取得している方がいませんか?今以上に良い看護を患者さんに行うため、あるいは自身のスキルアップのために、最近はこれらの資格取得を目指す看護師が増加しています。

認定看護師は21分野、専門看護師は13分野ありますが、資格を取得するためには看護師の経験年数が必要ですし、長期間の研修に参加しなければならないなど、取得は非常に大変です。しかし、取得することでより良い看護の提供やスキルアップにつながります。また、多くの病院や施設では、これらの資格を取得することで手当てが支給されるようです。10,000円前後の金額が設定されていることが多いですが、毎月10,000円の給料が増えるのは大きいですよね。

転職を検討する

夜勤の回数を多くすると身体的にも精神的にも疲れますし、資格の取得はなかなか難しいですよね。年収をアップさせるために最も簡単なのは、「転職を行う」ということではないでしょうか。病院や施設によって給料水準は異なります。同じような仕事内容や患者さんの治療内容であったとしても、給料が多く設定されている施設が見つかるかもしれません。

また、美容整形外科クリニックは給料が高く設定されているだけではなく、インセンティブをもらうことのできるところもあるようで、「給料が高い職場」として現在人気が高まっています。

イチから新しい職場の規則や手順を覚え、人間関係を構築していくことは非常に大変だと思います。しかし、転職は年収アップの近道ですので、現在の給料に満足していない方は転職を検討してみてもいいかもしれません。

今以上の年収を求めて転職を行う場合、本当に自分が理想とする給料をもらうことができるのか、きちんと確認するようにしましょう。

まとめ

一般的に看護師の年収は高いと知られていますが、仕事の忙しさと比例していないように感じる方が多いのではないでしょうか。勤務年数が長くなると年収はアップしますが、少しでも早く年収をアップさせるためには手当の支給される診療科に勤務することや夜勤の回数を増やすこと、転職を行うことなどの方法が考えられます。今の給料・年収に満足していない方は、これらの方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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