【具体例】看護師の目標|目標の意味と具体的な目標の立て方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

皆さんの職場は、個人目標を立てる機会がありますか?私が勤務していた病院では、前期と後期の2回、目標を3つ立てなければなりませんでした。なかなか目標が決まらず、せっかく用紙に記入しても病棟師長との面談の時に「これはダメ」と言われることもありました。私にとって、個人目標を立てることは苦痛でしかなかったように思います。皆さんの中にも、個人目標や年間目標を立てることが苦手という方がいるのではないでしょうか。

個人目標を立てる意味や目標を立てるときのポイントなどを紹介します。今後個人目標や年間目標を立てるときの参考にしてくださいね。

個人目標とは

個人目標は名前の通り、看護師個人が設定して取り組む目標のことで、多くの病院で個人目標を立てることが必須となっています。最低でも1年に1回、看護部は看護師全体が取り組むべき目標をいくつか立てます。しかし、いくら看護部が目標を設定したとしても、実際にこれらの目標に取り組むのは病棟や外来等で勤務する看護師です。

看護部が目標を設定しただけであると、看護師は看護部が立てた目標を意識して働くことはありませんし、目標達成に自分がかかわっているという認識もありませんよね。そのため、看護師個人が看護部の立てた目標に沿って、あるいは自分が取り組みたいことに沿って目標を立て、その目標を達成することで看護部全体の目標達成にかかわることができます。

個人目標を設定する意味

個人目標を立てることは大切なことですが、なかなか立てることは難しいですし、面倒と感じる方もいますよね。しかし、個人目標を設定しなければならない意味を考えると、個人目標を設定することに前向きになることができるのではないでしょうか。

個人目標を設定する意味についていくつか見ていきましょう。

看護師全体のレベルアップを図る

目標を持っていないと、自ら進んで勉強をすることや研修に参加することなどはなかなか行うことがありませんよね。もともと自分のスキルアップのために勉強をしたいと考えている方であれば自ら進んで学習や努力をすると思います。しかし、自ら進んで勉強することや努力をすることはできないという方もいるのではないでしょうか。

個人目標を設定することで、自分の立てた目標を達成するために努力をすることが必要となります。看護師全員が個人で何かしらの努力を行えば、看護師全体が努力を行ったということになりますよね。結果として、看護師全体のレベルアップにつながるのではないでしょうか。看護師全体がレベルアップすることは、病院にとってとても大切なことですよね。

目標を達成することで、看護師としてのやりがいを感じることができる

個人目標を設定すると、自ら進んで自分の立てた目標に向かって努力を行う必要があります。達成しやすい目標であっても達成しにくい目標であったとしても、達成した時は自らの努力が意味のあったものだったということが実感できるのではないでしょうか。

目標に向けて努力をし、目標を達成していくことで看護師として成長することができます。また、目標達成に向けて一つ一つ課題をクリアすることで、看護師としてのやりがいを実感することができるのではないでしょうか。

上司や先輩看護師が指導を行いやすくする。

個人目標は自分で立てるだけでいいというわけではありません。その目標が個人にとって達成可能なものかということや、達成にむけてどのような努力をしていくつもりか、目標を達成することが簡単すぎないかなど、目標設定が適切であるかを確認するために、病棟師長や先輩看護師等と面談を行うと思います。その際、あなたの目標を用紙やあなたの言葉で確認しますよね。

病棟師長や先輩看護師が病棟スタッフの個人目標や目標達成に向けてどのように取り組むかを知ることで、スタッフの指導を行いやすくなると思いませんか?例えばAさんが「9月までに中心徐脈栄養カテーテルの挿入介助をひとりで行えるようになる」という目標を立てたとします。もし、個人目標が共有されていなければ、自分でいろんなスタッフに声をかけて、少しでも介助につく回数が多くなるようにしなくてはなりません。しかし、個人目標を共有することで、病棟師長が前もって介助が必要となりそうな日を教えてくれたり、他の人が介助を行う予定であってもAさんに声をかけてくれたり…と、少しでも目標を達成しやすいように周りのスタッフも働きかけてくれます。

個人目標の立て方

では、個人目標を立てる際、どのようなことに注意すればいいのか紹介します。

達成可能な目標を立てる

当然ですが、期日までに達成可能な目標を立てるようにしてください。個人目標が「年間目標」であれば1年間で、「前期・後期」で立てる必要があるのであれば半年間で、1か月単位の目標であるなら1か月で達成できるような目標を設定することが大切です。

たまに「自分の努力を見てほしい!」と考え、誰から見ても期日までに達成不可能な目標を当てる方がいますが、達成できる目標を立てなければあなたに対する評価が下がってしまいます。

早い段階で達成できることが予測される目標は立てない

個人目標は期日まで努力を継続し、期日までに達成することが大切です。しかし、中にはすぐに達成可能な目標を立ててしまう方がいます。例えば4月に個人目標設定で9月に

評価が行われるとします。この場合、できれば9月まで継続して努力を行うことのできる目標を立てるべきですよね。なのに「5月までに○○をする」という目標を立てたとします。この場合、5月までに達成することが必須です。しかし、5月の時点で目標が達成されてしまうと「残りの期間はどうするの?」となってしまいますよね。

複数の個人目標を立てているのであればいいのですが、目標が一つでいい場合は短期間で達成可能な目標を立てることは避けるようにしましょう。

自分のレベルに合った目標を立てる

期日内に達成可能な目標を何でもいいから立てればいいというわけではありません。自分のレベルに見合った個人目標を立てる必要があります。新人看護師が「日常生活上のケアについて、他のスタッフに指導できる」と個人目標を立てることや、ベテラン看護師が「疾患の理解を深めるために、3か月ごとに様々な疾患について資料を作る」という個人目標を立てることはおかしいと感じませんか?その人のレベルに合った目標ではありません。

自分の看護師としてのレベルを判断する材料の一つに「クリニカルラダー」というものがあります。皆さんもクリニカルラダーについてご存知ですよね?レベルが1~4に分かれており、レベル1が新人看護師相当、レベル4が6年目以上の熟練した経験を持つ看護師相当となっています。このクリニカルラダーを参考にすると、個人目標の設定がしやすくなるのではないでしょうか。

勤務している病院でクリニカルラダーを使用していないという方は、日本看護協会のホームページ上に掲載されているクリニカルラダーを参考にしてみてはいかがでしょうか。

日本看護協会 クリニカルラダー

https://www.nurse.or.jp/nursing/jissen/

他者が評価できる目標を立てる

個人目標を設定しても、他者から見て評価ができなければいけません。例えば「毎日の看護業務を頑張る」という個人目標を立てたとします。この目標だと、目標を達成できたかどうかを判断する材料は、「頑張ることができた」か「頑張ることができなかった」の2種類です。しかし、「頑張る」ということは目に見えるものではありませんし、数値化することもできません。そのため、自分と他者では「頑張る」という言葉の定義は異なります。自分では「頑張った」と感じていたとしても、他者から見ると「頑張っていなかった」という評価となる可能性が考えられますよね。

そのため、他者から見てもあなたと同じ評価ができる目標を設定することが大切です。「毎日仕事を頑張る」という目標は評価が難しいですが、「9月までに○○をひとりで行うことができるよう、仕事に積極的に取り組む」としたほうが、他者からも評価がしやすいですよね。「頑張る」ということは目に見えませんが、「9月までに○○をひとりでおこなうことができる」だと、9月の時点で達成できたか、あるいはできなかったかを判断することができます。このように、自分だけでなく他者から見ても評価できる目標を設定しましょう。

目標を使いまわさない

自分で目標を立てることは難しいけど、明日までに提出しないといけない…となった場合、つい「去年、先輩が設定した目標を真似しよう」と考えてしまうことはありませんか?また、自分が前の年に設定した目標を、言葉を少し変えて使用することを考えたことがある方もいるのではないでしょうか。

他の日との目標を真似することや、目標を使いまわすことはやめておきましょう。意外と上司は、だれがいつ、どんな目標を立てていたかということを覚えています。また、全スタッフの個人目標をデータとして保存している病院もあるため、同じ個人目標を立てていないかチェックされることもあるようです。

私の同期は新人の頃、同じ病棟の同期と同じ個人目標を書いて提出したようで、上司に注意されたと言っていました。同じ病棟で同じ目標を手出することは、絶対にやめましょう。疑われないためにも、同期間で目標を教え合ってもいいかもしれませんね。

個人目標は簡潔に、行動目標はしっかりと

個人目標を記入する際、その目標に向かってどのように行動するかを記載する欄が別に設けられている場合があります。その場合、個人目標は簡潔に書いても大丈夫です。例えば、「2月に自分がメインで人工呼吸器についての勉強会を行う。開催に向けて6月に資料作り開始、9月に事例も含めて資料作りが終了、10月には看護部より資料の承認を得る、1月に参加者を確認する」という流れで行う目標を立てたとします。この目標の場合、個人目標の欄には「2月に人工呼吸器の勉強会が開催できる」となり、行動目標は箇条書きで「6月:資料作り開始、9月:資料作り終了、10月:看護部の承認を得る、1月:参加者の確認」と書くといいでしょう。簡潔ですし、誰が見ても目標達成までの行動が分かりますよね。

具体的に行動を記載することで、面談を行う病棟師長や先輩看護師は、あなたが目標達成に向けてどのような取り組みをどのような方法で行っていくのか把握することができます。

個人目標の具体例

では、どのような目標を立てることがいいのでしょうか、看護師としての経験別に、どのような個人目標の例があるのか見ていきましょう。

〈新人看護師〉

  • 積極的に患者様とかかわることができるよう、1日に○回はナースコールを進んでとる。
  • ○月までに、採血をひとりで実施できるようになる。
  • 病棟特有の疾患について理解を深めるために、2か月に一度、病態や治療、看護についてまとめた資料を作る。
  • カンファレンスが開催されたとき、自分の意見を言うことができる。
  • 手順書に沿った正確な看護が提供できる。

〈中堅看護師〉

  • 去年はインシデントレポートを書くことが多かったため、今年はインシデントレポートの記入が去年の△%になるようにする。
  • プリセプティが自信を持って業務に取り組むことができるよう、毎月一回は面談を実施する。
  • ○月までにリーダー業務をひとりで行うことができるようになる。
  • 感染対策委員会のメンバーとして、病棟スタッフ全員の手洗いを徹底する。
  • 新人看護師の教育に向け、手順書を○月までに読み返し、自分の手順があっているかを見直す。
  • 研修に参加して得た知識をスタッフ全員で共有することができるよう、病棟会で発表する。

〈ベテラン看護師〉

  • 自分の知識を深めることができるよう、○回以上外部の研修に参加する。
  • ナースコールの対応を後輩任せにしないため、みずから進んで1日に○回以上ナースコールをとる。
  • 苦手分野である○○の学会に参加する。
  • スタッフが物品を使いやすくするために、スタッフの意見を聞きながら物品の配置を検討する。

まとめ

個人目標を立てる意味や立て方、具体例について紹介しました。個人目標を立てることに毎回苦戦している看護師の方は多いと思います。何を書けばいいか迷ったときや目標が思い浮かばない時は、ぜひ参考にしてくださいね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る