認定看護師の種類一覧|全21種類をわかりやすく紹介

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看護師が取得できる資格の一つに「認定看護師」というものがありますよね。「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実戦のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかること」を目的として、1995年に日本看護協会によって作られました。

  1. 個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する
  2. 看護実践を通して看護職に対し指導を行う
  3. 看護職に対しコンサルテーションを行う

という3つの役割を果たしています。

出典:日本看護協会 認定看護師

このような役割のある認定看護師ですが、多くの種類があることをご存知でしょうか。2016年1月時点で、認定看護師として特定されている分野は21分野あります。すべての分野の認定看護師について簡単に紹介しますので、参考にしてくださいね。人数は2016年7月時点のものです。

認定看護師の種類

救急看護

認定日:1997年6月

人数:1115名

実務研修内容の基準:通算3年以上、救急部門での看護実績を有すること。

救急部門において、CPA・重症外傷・意識障害・呼吸不全・循環不全・中毒・熱傷患者等の看護の中から5例以上担当した実績を有すること。現在、救急部門で勤務していること、または救急部門での勤務が予定されていること。 

知識と技術

  • 救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
  • 災害時における急性期の医療ニーズに対するケア
  • 危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援

救急看護の分野は、21ある認定看護師の分野の中で最も早く認定されました。専門性の高い医療知識と実践的な看護を行う力が必要となります。患者さんが急変した際に必要な心肺蘇生や重症度を判断するトリアージなどだけではなく、外傷や熱傷、心不全、内分泌疾患など、多種多様な知識や判断能力を救急独自の視点から身につける必要があります。

皮膚・排泄ケア

認定日:1997年6月

人数:2303名

実務研修内容の基準: 通算3年以上、外科系領域またはストーマケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域での看護実績を有すること。ストーマ造設患者の看護を1例以上、及び創傷または失禁ケア領域の看護を4例以上担当した実績を有すること。現在、創傷ケア、ストーマケア、または失禁ケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
  • 患者・家族の自己管理およびセルフケア支援

謙譲な皮膚を維持するためのスキンケアや創傷が治癒しやすい環境の整備などを行います。ストーマケアでは、ストーマとストーマ周囲の皮膚などの管理、患者さん個人に合ったストーマ装具の選択、日常生活へのアドバイスなどを行います。

集中ケア

認定日:1999年6月

人数:1113名

実務研修内容の基準:通算3年以上、集中ケア部門、または小児集中ケア部門(手術室・NICUは除く)での看護実績を有すること。疾病、外傷、手術などにより高度に侵襲を受けた患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、集中ケア部門で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
  • 廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施(体位調整、摂食嚥下訓練等)

主な現場は集中治療室などで、的確なアセスメントを行い病態の変化を予測し、重症化を防ぐことが重要です。治療によるストレスや苦痛、不安を緩和し、回復に向けた支援を行うことも大切です。

緩和ケア

認定日:1999年6月

人数:2038名

実務研修内容の基準:通算3年以上、緩和ケアを受ける患者の多い病棟、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。緩和ケアを受ける患者を5例以上担当した実績を有すること。現在、緩和ケアを受ける患者の多い病院、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
  • 患者・家族への喪失と悲嘆のケア

緩和ケアにおける深い知識と技術を有し、患者やその家族に寄り添って様々な疾患を有するすべての患者さんに対してのケアを行います。また、現場の看護師への指導や相談を受けることもあり、緩和ケアのプロとしての役割を担っています。

がん化学療法看護

認定日:2001年8月

人数:1463名

実務研修内容の基準:通算3年以上、がん化学療法を受けている患者の多い病棟・外来・または在宅ケア領域での看護実績を有すること。がん化学療法を受けている患者の看護(がん化学療法薬の投与管理の実績があることを必須とする)を、5例以上担当した実績を有すること。現在、がん化学療法を受けている患者の多い病棟、害らで勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • がん化学療法薬の安全な地理扱いと適切な管理
  • 副作用症状の緩和およびセルフケア支援

がん化学療法の治療法が難しく、副作用に関する知識の習得が必要であるため、専門性の高い看護師が必要とされ認定されました。専門的な知識を生かし、治療法に関する情報を患者さんだけでなく家族へも正しく伝えることが大切です。

がん性疼痛看護

認定日:1999年6月

人数:776名

実務研修内容の基準:通算3年以上、がん患者の看護実績を有すること。病棟での看護実績を有することが望ましい。病状の進行等に伴って生じる痛みを有するがん患者の看護を5例以 上担当した実績を有すること。現在、がん患者の多い病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 痛みの総合的な評価と個別的ケア
  • 薬剤の適切な使用および疼痛緩和

がん性疼痛(がん自体の痛みやがんに関連した痛みなどの、がんに伴う痛み)だけでなく、精神的な痛みや社会的な痛みなどを総合してケアを行います。また、症状に応じて鎮痛剤の使用などを医師とともに選択し、経過観察を継続していくことも大切な役割です。

訪問看護

認定日:2006年7月

人数:560名

実務研修内容の基準:通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績を有すること。医療処置及び管理を要する患者の在宅における看護(退院支援を含む)を5例以上担当した実績を有すること。現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援及びケースマネジメント看護技術の提供と管理

在宅医療リスクを回避するとともに、在宅での療養生活を満足の高いものに変えていくために、医師や社会福祉士などの在宅ケアチームと連携をしながら在宅患者の療養生活における様々な問題を解決していきます。また、医療ニーズの高い在宅療養者の主体性を尊重し、セルフケア能力を高めることも期待されています。

感染管理

認定日:2001年8月

人数:2560名

実務研修内容の基準:通算3年以上、感染管理にかかわる活動実績を有すること。最新知見や自施設のサーベイランスデータ等に基づいて、自身が中心となって実施したケアの改善実績を1例以上有すること。医療施設において、医療関連感染サーベイランス(血流感染、尿路感染、肺炎、手術部位感染)について計画から実施・評価までを担当した実績を1例以上有することが望ましい。現在、医療施設等において、専従または兼務として携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 医療関連感染サーベイランスの実践
  • 各施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築

具体的には病院内の感染発生状況を把握するためのサーベイランスを実施したり、感染対策マニュアルの作成・見直しなどを行います。また、医師や感染症看護専門看護師、その他のスタッフ等と連携して、迅速で的確な感染対策を行う必要があります。

糖尿病看護

認定日:2002年8月

人数:823名

実務研修内容の基準:通算3年以上、糖尿病患者の多い病棟、または外来での看護実績を有すること。インスリン療法を行っている糖尿病患者または合併症のある糖尿病患者の看護を、合わせて5例以上担当した実績を有すること。現在、糖尿病患者の多い病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 血糖パターンマネジメント・フットケア等の疾病管理および療養生活支援

医師の指示のもとでインスリン注射を行うことや、在宅療養生活上の具体的なアドバイスを行うことなどが糖尿病看護認定看護師の役割です。また、食事療法や運動療法も必要なので、患者さんだけでなく家族に対しても適切なアドバイスを行う必要があります。

不妊症看護

認定日:2003年8月

人数:162名

実務研修内容の基準:通算3年以上、不妊症患者の多い病棟または外来での看護実績を有すること。不妊症患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、不妊症患者の多い病棟・外等で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援

不妊治療に関する幅広い知識を活用し、不妊症に悩むカップルに対してカウンセリングや検査・治療に関する情報提供を行います。また、不妊治療は成功するとは限らないため、カップル自らの自己決定を支援することが重要です。

新生児集中ケア

認定日:2005年8月

人数:380名

実務研修内容の基準:通算3年以上、新生児集中ケア部門での看護実績を有すること。在胎32週未満の早産児あるいは疾病を持つ正期産児の生後1週間以内における重症集中ケア及び親・家族の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、新生児集中ケア部門で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
  • 生理学的安定と発育促進のためのケア

新生児集中ケアに関する最新の知識や技術、体温管理や薬剤管理など、様々なケアを行います。また、ハイリスク新生児の身体的なケアや親子関係の形成の支援を行うことも大切です。

透析看護

認定日:2005年8月

人数:225名

実務研修内容の基準:通算3年以上、透析看護分野(血液透析療法)での看護実績を有すること。透析導入期・維持期の血液透析患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。腹膜透析患者の看護実績を有することが望ましい。現在、透析部門に勤務していること、または透析部門での勤務が予定されていること。

知識と技術

  • 安全かつ安楽な透析治療の管理長期療養患者におけるセルフケア支援および自己決定の支援

病院内の透析室や透析センターなどで活躍します。人工透析の実施のほかに、透析導入前の患者さんや家族への生活相談や日常生活上の注意点を説明し、安心して治療を受けることができるようにサポートします。また、透析看護にかかわるスタッフの相談や指導を行い、円滑な看護実戦ができる環境を整えることも必要です。

手術看護

認定日:2005年8月

人数:472名

実務研修内容の基準:通算3年以上、手術看護分野での看護実績を有すること。手術看護における器械だし看護師・外回り看護師の実績を有すること。現在、手術部門で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
  • 周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践

手術室の看護師全体のスキルアップにつながるよう指導を行い、サポートする必要があります。また、手術がスムーズにできるよう、現状のシステムを改善できるようにすることも大切な役割です。

乳がん看護

認定日:2006年7月

人数:316名

実務研修内容の基準:通算3年以上、乳がん患者の多い病棟または外来等での看護実績を有すること。乳がん患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、乳がん患者の看護に携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 就学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
  • ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援

治療に伴う身体的・精神的・社会的なサポートを行い、ボディイメージの変容に対するケアやアドバイスなど、幅広い役割が求められます。また、外来や病棟看護師への指導や相談、ケアの普及など、病院全体のスキルアップにも重要な役割です。

摂食・嚥下障害看護

認定日:2006年7月

人数:671名

実務研修内容の基準:通算3年以上、摂食嚥下障害患者が多い保健医療福祉施設、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。摂食嚥下障害患者を5例以上担当した実績を有すること。現在、接触嚥下障害患者の看護に携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防
  • 適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択

院内のほかの看護師に対しての指導を行うことが期待されます。また院内だけでなく、行政に依頼されて勉強会を開くこともあります。

小児救急看護

認定日:2006年7月

人数:252名

実務研修内容の基準:通算3年以上、救急看護分野または小児看護分野での看護実績を有すること。小児救急患者・家族の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、救急看護または小児看護に携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
  • 育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護

救急外来を訪れる子供への看護をはじめ、家族が安心して看病できるようにアドバイスを行い、子どもの成長・発達のための支援を行うことが主な役割です。また、小児救急に足して不安を感じている看護師の相談に乗ることも重要な役割となります。

認知症看護

認定日:2006年7月

人数:810名

実務研修内容の基準:通算3年以上、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等での看護実績を有すること。認知症者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、認知症者の多い医療・福祉施設等で認知症者の看護実戦に携わ っていることが望ましい。

知識と技術

  • 認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
  • 行動心理症状の緩和・予防

患者に対する直接的なケアのみならず、看護職員への指導や相談などを行うことも大切です。また、患者さんのQOL向上に向けて、様々な視点から包括的に看護を行うことも求められます。

脳卒中リハビリテーション看護

認定日:2010年6月

人数:640名

実務研修内容の基準:通算3年以上、脳血管障害患者の多い部署での看護実績を有すること。急性期にある脳血管障害患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、脳血管障害患者の多い施設等で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • 脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
  • 活動性維持・促進のための早期リハビリテーション

急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援

脳卒中患者さんの発症直後から在宅におけるまで、その人らしい生活の再構築ができるよう、質の高い看護実戦を行うことが求められます。また、自分だけでなく、他の看護師への指導を行う必要があります。

がん放射線療法看護

認定日:2010年6月

人数:224名

実務研修内容の基準:通算3年以上、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門での看護実績を有すること。がん放射線療法を受けている患者の看護を5例以上担当した実績を 有すること。現在、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門で勤務していることが望ましい。

知識と技術

  • がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
  • 安全・安楽な治療環境の提供

患者さんの気持ちに寄り添い、患者さんや家族に対して十分な説明を行い、安心して治療を受けることができるように支援していきます。また、副作用の状態を確認し、少しでも患者さんの不安を取り除くことができるよう、他の看護師にも指導を行います。

慢性呼吸器疾患看護

認定日:2012年6月

人数:244名

実務研修内容の基準:通算3年以上、慢性呼吸器疾患患者が多い病棟を中心とした看護実 績を有すること。慢性呼吸器疾患の増悪期から回復期にある患者の看護を、5例以上担 当した実績を有すること。現在、慢性呼吸疾患患者の看護に携わっていることが望ましい。

知識と技術

  • 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
  • 呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施

慢性呼吸器疾患を抱える患者さんやその家族に対し、呼吸機能評価や病状の悪化予防、呼吸リハビリテーションなどの支援を行うことが主な役割です。患者さんの禁煙指導を行うことや、患者さん自身がセルフケアできる環境を作ることも求められます。

慢性心不全看護

認定日:2012年6月

人数:296名

実務研修内容の基準:通算3年以上、心不全患者の多い病棟での看護実績を有すること。心不全の増悪期から回復期にある患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。現在、心不全患者の多い病棟あるいは外来、在宅ケア部門で勤務して いることが望ましい。

知識と技術

  • 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
  • 心不全増悪因子の評価及びモニタリング

患者さんとその家族に対し、知識と経験を生かして看護実戦や指導、生活相談を行います。また、セミナーや院内勉強会、同僚の指導などを通して、得た知識や技術を周囲に情報提供することも大切です。

まとめ

21分野の認定看護師について、人数や実務研修内容の基準などについて紹介しました。興味のある分野でも、実務経験がなければ資格を取得することはできません。興味のある分野がある方は、その分野での看護を行うことができるように環境を整えておきましょう。

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